頭脳対決!棋士vs.コンピュータ (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2013年4月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101388113

頭脳対決!棋士vs.コンピュータ (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 電脳戦が始まる少し前の時期におけるコンピューターと棋士の対決を描いたルポ。単に将棋の勝ち負けだけでなく、その先に研究している内容と考え方が興味深かった。清水市代さんの潔さをカッコいい。
    ちなみに2017年5月に電王戦ファイナルが開催。名人がソフト相手に2連敗を喫して終了となった。

  • 棋譜を書かれてもわからない私ですが、未来大の先生の躍動する姿が見られて、函館に税金を払っている身としては嬉しい限り。

  • 底本:『閃け!棋士に挑むコンピュータ』

    [http://www.shinchosha.co.jp/book/138811/]


    【目次】
    まえがき(二〇一一年一月 難波美帆) [003-009]
    目次 [011-015]

    第一章 日本将棋連盟への挑戦状 019
    「知性」の再現/受けて立つ女流王将/コンピュータ一六九台を接続/「苦節三十五年」の歴史/コンピュータに勝てるのは数百人
    第二章 「知能」の探求 033
    理論上、必勝法が存在する「完全情報ゲーム」/一〇手先を読むのに二〇万年/「評価関数」と「探索」で局面を読む/無駄な手は読まない/禁じられた対局/解禁第一号「竜王対『ボナンザ』」/人工知能研究の最適モデル/「ドラゴンクエストIV」の試行錯誤/チェスは五〇年でコンピュータが勝利/人工知能研究の最終ゴール/コンピュータは「ひらめく」のか
    第三章 天性の勝負師・清水市代 059
    「なぜ私が?」/「人間が不利」に掻き立てられて/男と女、棋風に違いはあるのか/「私が目標というわけではないでしょう」/感情のない相手をどう受け止めるか/コンピュータ世代の棋士/「清水」という最適解
    第四章 「あから2010」と多数決合議制 079
    「身を滅ぼす」といわれた人工知能研究/並列処理の「激指」/「サチって」しまうコンピュータ/機械学習の「ボナンザ」/化学分野からの参戦/「ボナンザ」惜敗の理由/チェスで始まった合議システム/単純多数決か、楽観的合議か
    第五章 清水市代女流王将vs.「あから2010」 105
    舞台は東京大学本郷キャンパス/「米長と羽生」で東大教授陣に対抗/「あから」の四手目に会場がわく/期待以上の好勝負を展開/合議する四つのソフト/一見悪手、よく見るとスキなし/勝負の分かれ目/清水、会心の一手/「あから」の攻め、清水の防戦/「あから」、恐れを知らない一手/清水、負けを覚悟する
    第六章  コンピュータが見せた「人間らしさ」 163
    人間と互角以上の思考力/なぜ、「あから」は強いのか/合議制がもたらす「ゆらぎ」/「勝ったから強いというわけではない」/勝敗を決めた「もう一つの人間らしさ」
    第七章 科学者たちが夢見る「アトム」 181
    コンピュータ将棋が向かう先/「AI-UEO」に集まった若者たち/「ひらめき」を解き明かす/「ヒューリスティック」の実現がカギ/哲学からコンピュータへ/「知性」のメカニズム/必要なのは「生きたい」という欲求
    第八章 ロボットに「心」を宿らせる 205
    なぜ「アトム」なのか/世界初のフルスケール二足歩行ロボット/分野横断のプロジェクト/「つくる」から「育てる」へ/ピョンピョン跳ねる黄色いゲル/人間はなぜ、ロボットに心を感じるのか/技術者の気持ちを伝える媒体/ロボット技術は「感じて動く」技術/「人間とは何か」の答えが変化する
    第九章 「歴史的一戦」が遺したもの 239
    切り捨ててきた選択肢を拾い上げる/チェス発展の四つの段階/ブレイクスルーの萌芽/「ともに棋譜をつくり上げる喜び」/竜王渡辺明の研鑽

    あとがき(二〇一一年一月 田中徹) [258-263]
    文庫版あとがき――挑戦し続けること。「負けない」こと。百年先の未来へ(二〇一三年三月、札幌にて 田中徹) [264-275]
    関連年表 [276-281]
    参考文献・資料 [282-287]
    解説(平成二十五年三月 飯塚祐紀) [286-292]

  •  ルールも覚束無い程度の興味しかない将棋を軸に、AI、ロボットと展開する技術レポ。数年前の事になるが、ここまで進んでる状況を詳説。
     かつて森田将棋というソフトがあったのは覚えていたが、本書で久々にその名を見た。懐かしい。チェスよりさらに高度?なアルゴリズムが必要な将棋を、100台以上のPCクラスタで分析しつつ手を打つというのがまず面白い。ソフト、ハード技術開発にもつながるし、いい研究ネタだと感心。14年度時点での最新状況を知りたくなった。

  • かつてはルールすら把握できなかったコンピュータ将棋が、プロ棋士と勝負できるまでに進歩した。2010年、女流トップ棋士との対決が実現。はたしてその結末やいかにー。
    コンピュータならではの思考回路、人間ならではの思考回路の違いを詳説。強いとは、どういうことか。将棋を知らずとも、その論理的思考には大いに考えさせられることと思う。

  • 正直あまり期待しないで買ったらとても良かった.著者の真摯さが伝わってくる.将棋に詳しくない人にもおすすめできる本.

  • 女流棋士の清水さんがこの試合に参加するにあたって、「一緒につくりあげていく」と考えていらっしゃた、との部分に感動。試合経過の描写も、場の熱気が伝わってくるようで素晴らしい。まさに異種格闘技戦。

    このようなソフトで子どもの頃から腕を磨いた、過去の棋士とは次元の違う強さを持つ選手がいずれ台頭してくるのだろうか。電王戦も非常に興味深いが、コンピューター相手に育ってきた選手と、昔ながらのやり方で育ってきた選手との対戦、これも実現するならばぜひ観て見たい。

  • おもしろかった。やっぱり、中盤の棋譜を追う展開が秀逸。現場観戦の熱気や、局面やモメンタムを評価する解説者の言葉、後日の清水さんへの振り返りインタビュー内容もそこに交わって、一気に読み進められる。将棋ルールを知らなくても入りこんでいけるような構成になっているのもよかった。


    起こったこと、指した手、発した表情、と基本的に描写はほとんど過去形。しかしときおり挟まる現在形がうまいというか、文章を書き慣れた人の作品だなあと実感。(読むのは楽しいけど、書くとなると相当経験が必要そう、、)



    読み終えて思ったのは、これまでの「悪手(良手)」という表現の意味合いがもう変わってきているんだなあという点。コンピュータ・ソフトウェア・並列クラスタによる最適解の探索、これらがかなり向上した現在でも、人間の"ひらめきや大局観"にはまだ届かない。でも広い可能性を探索できることで、「人間(=この場合はプロ将棋界)が"悪手"と思って避けてきた手も、決して悪い手ではない」「可能性のある手を排除してきてしまったのではないか」と人間側(この場合は清水さん)が気づけるということにもつながっている。


    あの世界の人々の先読み力は、もう究極の"主観"といっていいと思うけれど、総当たり探索の"客観"が対等に対抗できるようになってきたとも言えそう。この点で、今は時代のけっこうな変わり目なのかもしれない。

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頭脳対決!棋士vs.コンピュータ (新潮文庫)の作品紹介

2010年10月11日、女流王将とコンピュータの歴史的対局が行われた。奇しくも女流棋士界が誕生した年と、情報処理学会の将棋ソフト開発の始まりが同じく35周年を迎えた記念の一戦。最強ソフト「あから2010」を清水市代が迎え撃つ。将棋連盟米長邦雄は「清水は負けない」と断言。人間の“読み”と人工知能の“計算”の対決、「勝利」はどちらに!? 『閃け! 棋士に挑むコンピュータ』改題。

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