ツナグ (新潮文庫)

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著者 : 辻村深月
  • 新潮社 (2012年8月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (441ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101388816

ツナグ (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 使者(つなぐ)とは―
    それはたった一度だけ―、死んだ人と会わせてくれる案内人。
    生きている人が会いたいと望む、
    すでに死んでしまった人との再会を仲介する”使者”を表す言葉。
    映画「ツナグ」公式サイト より

    自分にとって大切な人、誰かにとって大切な人
    たった一度だけ、死んでしまった人に会えるとしたら誰に会いたいだろう.

    言いたいことを生きている間に言える割合てどのくらいなのだろう.
    死んでしまつていなくなってから気がつくことがどのくらい多いのだろう.
    生きている間に悔いのないように、そうは言っても本のように相手が思っていることが分かるわけではない.たとえ必要なことをすべて話したとしても伝わりきれない部分は残るわけで.でも、伝わるように努力をするべきなんだろうな.人間、すべてのことを見通すことができるわけではない.だからことばを使うのだけど、ことばがあるがゆえに捻じ曲がって伝わることもある.
    ツナグ、からは死者と生者のやり取りを通して、その間の溝を埋めているような印象を受けた.

    失ってからの時間、生きている人間は自分の頭の中にある死者とやりとりをする.こんなことを思っていたのでは?本当はこうだったのでは?ツナグ、はそれを確かめる機会があるものという設定.そんな機会があったなら、自分なら誰とどんな話をするだろう.

  • 死者と生者をつなぐ使者「ツナグ」
    生きている人間が望み、死者が受け入れれば、一晩だけ会って普通に話すことができるという。
    死んだ人と一生に一度、一人だけと会うことができるとしたら‥?

    「アイドルの心得」
    38歳で急死したタレント・サヲリに会いたいと願う女性・平瀬。
    酔って過呼吸に陥っていたところを助けられ、以来ファンになっていた。
    「世の中はみんなに平等に不公平なんだよ」と去って行ったアイドル。
    一ファンに過ぎない自分に会ってもらえるとは思わなかったのだが‥
    死んだときには大騒動になったが、4ヶ月たっても会いたいといってくる人は他にいなかったと話す彼女。
    生きる望みを失っていた平瀬に、サヲリは一言告げたかったのだ‥

    地味すぎて華やかな家族からも疎まれ、気力を失っていた平瀬。
    会社でも浮いていて、同僚に「いつも暗くて怖い本を読んでいる、そんなの読んでると呪われるんじゃない」と言われるのが可笑しい。どんなんや~?
    ミステリかホラー??

    「長男の心得」
    店を継いだ長男・畠田靖彦は口が悪く、周りとちょっとした衝突を起こしてばかりいる中年男。
    ツナグの存在を教えてくれた亡き母に聞きたいことがあるとやってきたのだが‥
    不器用な困ったおじさんの内心抱えていた後悔は‥?

    「親友の心得」
    事故死した親友・御園を死なせたのは自分だと苦しむ嵐美砂。
    高校の演技部で、いつも自分を立ててくれていた優しい御園に裏切られたと感じ、嫉妬を抑えきれなくなって‥
    女子高校生の微妙な張り合いが緊迫して、痛いほど。
    すれ違いが起きた原因、結局ちゃんと話せなかったいきさつとは。

    「待ち人の心得」
    突然失踪した恋人を待って7年になる土屋。
    知り合ったのも偶然で、何も知らないことに後から気づいた。
    日向キラリと名乗った彼女だが、偽名だったのだろうと思う。
    騙されたんだよと言われるが‥
    (土屋の抱えるものすごい肩凝りに思わず共感~パソコンが普及してから増えた症状だそう。結局、それなのかなあ‥いやこの時期に強くなったのはストレスってことですか)

    「使者の心得」
    ツナグという存在が高校生の男の子の姿をしている‥
    という最初は印象でしたが、家系に伝わる仕事で、それを託されたばかりだったとは。
    思いがけない役割と、意外に個人的な関わりに戸惑う歩美。
    そして‥

    よくまとまっている印象でした。
    暗いものを突きつけてくる部分もありますが、人の関わり方や優しいまなざしに励まされる部分もあり、最後はあたたかなものが胸に残ります。
    所々にさりげなくあるいい言葉を、多くの人に読んでもらいたいなという気持ちになりました。

    単行本化は2010年10月。
    映画化のキャスティングも合っていたらしいですね。

  • 死んでしまった人に、生きているうちにたった1人だけ会えるとしたら。。。

    その仲介をしてくれる使者(ツナグ)連絡することが出来たなら。。。

    私は誰かに会うんだろうか。


    会いたい人はそれぞれだけど、物語の中で死者に会った4人のエピソード、共感できるものでした。

    止まったままの時間がまた動きだすような安心感。
    本当に死を受け入れなくてはならない喪失感。

    どちらだとしても、今を生きている人は、そっと背中を押されることになるのだと思いました。


    もし、この世に本当にツナグが存在し、電話番号を探し当てたとしたら、私は誰かと繋がる事が出来ると思うそれだけで、頑張っていける気がしました。。。

  • 直木賞受賞の短編集は今ひとつだったけど、本作は傑作

    死者は生者のためにある
    伝えたいものがしっかりとあって、それを物語にしたときの小説としての外形もものすごく上手くて面白い
    傑作としか言いようがない

    連作短編として読めば4作目が頂点でぐっときて、最後は締め、これでも十分面白い小説に仕上がったと思う
    しかし締めの最終章がとんでもない
    ミステリーじゃないのにミステリの種明かし的なドンデン返しが巧妙に仕掛けられていてページをめくる手が止められない
    しかし、ある意味きれいに収束していてミステリならすっきり終われるのに、本作はすっきりできない
    重たいテーマが読後もずっしりと読み手にのしかかるから

    映画化されてるようだけど見たいような見たくないような
    繰り返し書くけど傑作です

  • 普通ならば、絶対的に会えないであろう死者、しかもたった一人、自分が最も会いたい「死者との再会」を生前の姿で可能にすることで、良心の呵責に耐えないを魂を救済するという一面を訴えかけた物語かと思いました。「○○の心得」という5つのエピソードから成り立っていますが、最後のエピソード、「使者(=ツナグ)の心得」があったことで生者と死者をつなぐ人も生身の人間であり、こちらサイドの人であったことがわかり、そこが良かったと思います。
    自分だったら、一度きりのチャンス、あの世の誰に会いたいだろうか、はたまた誰が会う依頼をしてくれるだろうか??と考えてしまう時点でこのお話は空言話ではないのでしょうね。誰にでも共感し得て、作者の意図も伝わる、読みやすい作品だと思いました。

  • 「死んだ人間と生きた人間を会わせる窓口。僕が使者です。」

    映画を見てから原作を読んだ。この映画は本当に原作に忠実に作られていた。
    製作者の原作への愛をヒシヒシと感じる。
    色んな「会いたい」という気持ちでツナガル人達。
    特に『親友の心得』の「会いたい」はすごい。ダークだ。その部分の描写がまた旨い。
    歩美の「会いたい」という気持ちの結論に涙。

    後書きの本多さんの『今、この物語を読み終えたほとんどの人が考えているのではないか』
    『自分ならば、誰と会うことを願うか。』

  • 2013.9.7読了。
    生きているうちに一度だけ、亡くなった人と会える。
    自分だったら誰に会いたいかなぁ。と思いながら読んだ人は多いと思う。
    でも亡くなった人も、一度しか生きてる人に会えないときた。
    使者と書いてツナグと読む。
    暖かったり、辛かったり、切なかったり。
    これは涙なしでは読めないと思うなぁ。
    失踪した彼女を想う男性の話の時は、私がツナグを必要とするほど大切なひとはまだ、みんな元気でいることに感謝した。
    祖母に逢いたいけど、祖母はきっと断るだろうな 笑。私じゃないだろうなー。
    なんか感想がチグハグだけど、読んでよかった。まわりのひとを大切に感じた。
    心に届く一冊でした。

  • 本多孝好さんの「WILL」「MOMENT」シリーズと似てる!
    この類のストーリーはかなり好き。
    ・・・とか考えてたらなんと本多さんが解説書いてた(驚)

    死者と1人だけ会える。ならば誰と会うか?
    簡単な問いではないでしょう。それに今の答えと将来の
    答えは必ずしも一緒とは限らない。というかむしろ
    変わってる可能性の方が高い。
    考えさせられますね。。。

    辻村深月さんって女性だったんですね。
    初めて知りました。あと、ちょこっと調べてみたら
    幼少期はミステリ読み漁ったり、綾辻行人の「十角館の殺人」にはまったりとのこと。

    びっくりするくらい昔の自分とかぶっててこれまたびっくり。
    なんか嬉しいもんですね。

  • 祝文庫化
    私も、一人逢いたい人がいます。。。(また現実逃避してます)

    映画化されるんですね
    http://www.tsunagu-movie.net/

    新潮社のPR
    「一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員……ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。 」

  • さらさらと流れてしまったが、それでも自分の大切にしている人について考えてしまった。
    本著のなかでは『親友の心得』が一番好きだ。あとはきれいすぎて印象が軽い。消えない悔いを負った嵐はどう生きていくのだろう。スイートピーが告げる門出が余韻を生む。

    死者は生者のためにいる、は傲慢かもしれないけれど生者を生に留め前を向かせる存在であってほしいなと思う。

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ツナグ (新潮文庫)の作品紹介

一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員…ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。

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