ダレカガナカニイル (新潮文庫 い 43-1)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (654ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101394114

作品紹介・あらすじ

僕、西岡悟郎は28歳独身。警備保障会社に勤める、まったく普通の人間だった。あの日までは。あの8月2日の夜、一体僕に何が起こったのだろうか-僕の新しい職場は山梨の小さな村、新興宗橋の道場の警備だった。ところが道場が火事になった教祖が死に、職を失って東京に戻ると僕に異変が起こった。僕の頭の中に誰かがいるのだ-井上夢人のデビュー作、多重人格ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • ラストはこの上なく切ない。この胸に残る気持ちはちょっと長引きそうだ。

  • 岡嶋二人の片方である井上夢人のソロデビュー?作。あとがきにもあったが、いろいろなことが次々と起こる岡嶋作品とちょっと違い、序盤は読みにくかった。中盤からは面白くなっていったが、、、。最後は確かに伏線回収されているけれどちょっと寂しい。

  • おもしろかったが最後に混乱した
    意味が分かるまで時間がかかった


    で、最初に殺された人がなんかかわいそうになった。

  • 徳山諄一とコンビを組み、岡嶋二人として活躍し、『クラインの壷』を最後にコンビ解消した井上夢人のソロデビュー作。
    実はこの『ダレカガナカニイル…』は僕の長編ミステリーを読み始めた最初の作品。

    今回久々に読み返してみたんだけども、やはりおもしろかった。

    何とも言えない深い切なさが読了後に残る作品で、衝撃の結末を知っていながらも、楽しめた。

    「泣ける」とか「感動した」とは違って、とにかくとにかく切ない。
    ミステリーというとトリックがどうのという面白さが醍醐味にあると思うのだけども、この物語はどこまでも純粋な想いがミステリを完成させているような気がする。

    宗教とは違った意味の信仰が永遠の恋を輪廻させてしまう、何とも深い物語。
    この結末は、残酷なのか、安息なのか・・・

    ※ちなみに、文庫で当初出版されたのは新潮文庫からだけども、すでに絶版。現在は講談社文庫から発刊されている。
    今回、昔を懐かしむために、新潮文庫のものを中古購入して読んでみた。
    ----------------
    【内容紹介】
    警備員の西岡は、新興宗教団体を過激な反対運動から護る仕事に就いた。だが着任当夜、監視カメラの目の前で道場が出火、教祖が死を遂げる。それ以来、彼の頭で他人の声がしはじめた。“ここはどこ?あなたはだれ?”と訴える声の正体は何なのか?ミステリー、SF、恋愛小説、すべてを融合した奇跡的傑作。
    ----------------

  • 警備員の主人公が、新興宗教の施設の火災に遭遇してから、頭の中に別の人格の声が聞こえ始め、主人公はそれを認めたくないと苦しみます。
    やがてその声は、自分がその火災で死んだ教祖であり、誰かに殺されたんだと主張し始めるようになります。

    トリックや、毎晩見続けていた夢の真実、頭の中の声の正体など、面白かったです。
    でもやはり、ちょっと切ないですね。

  • 日本版エラリー・クイーン、岡嶋二人名義から井上夢人という名前で再デビュー。相変わらず面白い。

  • ものすごいホラーとミステリーだと思ってたら、すらすら読める話だった。主人公と声の何気ない会話、好きだなあ。ただラストが良くわからなかったのでもっかいじっくり読んでみようと思う。(2007/6/14)

  • 頭を整理しながら読んだ。不思議な話。今まで読んだことない感じだったのでなかなか面白かった。

  • 想像できるオチ。ラスト愛してる愛してるうるさい。

  • 2016年43冊目。
    コンビ解消後のソロデビュー作。
    岡嶋二人作品を、99%の誘拐・クラインの壺から入ったので、初期作品がどうも合わなかったんだけど、本作を読んで、何となくだけど「あたしは井上夢人が好きなんだな」と納得した。
    面白かったんだけど、ちょっと長い。
    まあ、真相が分かってから考えてみればそうなってしまうのも仕方がないのかも。
    あと、関係ないとは思うけど、地理的にも出てくる言葉的にもあの宗教が出てきてしまって少し気になった。

  • 600ページの長編ファンタジー

     頭の中にだれかがいる。人格がまるごと入ってきた感じ。その人格は主人公が愛する女性の母。

     登場人物が少ないからわかりやすいが、ストーリーはやや長すぎるしトリックも貧弱。ただし、冒頭からの予知夢がきれいにまとまる様に拍手。短編のほうがいきる作品だと思うな。

  • ●あらすじ●
    警備員の西岡は、ヘマをして飛ばされ、新興宗教団体「解放の家」を過激な反対運動から護る仕事に就いた。だが着任当夜、監視カメラの目の前で道場が出火、教祖・吉野桃紅が焼身自殺を図ったのだ。それを機に、なぜか彼の頭で他人の声がしはじめた。「ここはどこ?あなたは?私はどうしてこうなっているの…?」そう訴え続ける声に、自分の頭がおかしくなったと苦しむ西岡。彼はやがて吉野桃紅の娘・葉山晶子と再会し強く惹かれ合うようになる。吉野桃紅は他殺だったのではないかと考えた西岡と晶子は、事件の謎を探りはじめ、頭の中で聞こえるだけだった声の主は、徐々に西岡の身体をもコントロールできるようになってゆく。そして明らかになる真相…声の主の意外な正体は!?

  •  盗聴がばれ、山梨県の小さな村・大高村に左遷されてしまった西岡悟郎。彼の新しい仕事は、そこにある新興宗教団体「解放の家」の教祖である吉野桃江を警備することであった。大高村の村民達とも衝突が激しい「解放の家」だったが、なんと西岡が派遣されたその日、「解放の家」の建物が火事になり、吉野桃江は焼死してしまう。責任をとらされ、クビになって東京に戻ってきた西岡は、自分の異変に気付く。頭の中にもう1つ声が聞こえだしたのだ。

     最初は自分が病気なのかと悩みつつも、いつのまにか頭の中の声と協力して、火事の謎について考えていく西岡。多重人格もの(?)は結構他にも読んだ気がするが、こういう感じのものは珍しいかも。最後の方は恋愛的要素も多く入ってくる展開で、ループなせつない終わり方・・・ではあるんだろうけど。西岡が想いを寄せる女性が嫌いなタイプだったので、いまいち入り込めず(^^;

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著者プロフィール

昭和25年生まれ。昭和57年に徳山諄一との岡嶋二人名義で第28回江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。平成4年に『ダレカガナカニイル……』(新潮社)で再デビューした。代表作に『ラバー・ソウル』(講談社)など。

「2020年 『平成ストライク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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