ダレカガナカニイル (新潮文庫 い 43-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (654ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101394114

感想・レビュー・書評

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  • 徳山諄一とコンビを組み、岡嶋二人として活躍し、『クラインの壷』を最後にコンビ解消した井上夢人のソロデビュー作。
    実はこの『ダレカガナカニイル…』は僕の長編ミステリーを読み始めた最初の作品。

    今回久々に読み返してみたんだけども、やはりおもしろかった。

    何とも言えない深い切なさが読了後に残る作品で、衝撃の結末を知っていながらも、楽しめた。

    「泣ける」とか「感動した」とは違って、とにかくとにかく切ない。
    ミステリーというとトリックがどうのという面白さが醍醐味にあると思うのだけども、この物語はどこまでも純粋な想いがミステリを完成させているような気がする。

    宗教とは違った意味の信仰が永遠の恋を輪廻させてしまう、何とも深い物語。
    この結末は、残酷なのか、安息なのか・・・

    ※ちなみに、文庫で当初出版されたのは新潮文庫からだけども、すでに絶版。現在は講談社文庫から発刊されている。
    今回、昔を懐かしむために、新潮文庫のものを中古購入して読んでみた。
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    【内容紹介】
    警備員の西岡は、新興宗教団体を過激な反対運動から護る仕事に就いた。だが着任当夜、監視カメラの目の前で道場が出火、教祖が死を遂げる。それ以来、彼の頭で他人の声がしはじめた。“ここはどこ?あなたはだれ?”と訴える声の正体は何なのか?ミステリー、SF、恋愛小説、すべてを融合した奇跡的傑作。
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  • 日本版エラリー・クイーン、岡嶋二人名義から井上夢人という名前で再デビュー。相変わらず面白い。

著者プロフィール

昭和25年生まれ。昭和57年に徳山諄一との岡嶋二人名義で第28回江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。平成4年に『ダレカガナカニイル……』(新潮社)で再デビューした。代表作に『ラバー・ソウル』(講談社)など。

「2020年 『平成ストライク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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