そして二人だけになった―Until Death Do Us Part (新潮文庫)

  • 2585人登録
  • 3.50評価
    • (174)
    • (342)
    • (667)
    • (46)
    • (11)
  • 291レビュー
著者 : 森博嗣
  • 新潮社 (2002年11月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (557ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101394312

そして二人だけになった―Until Death Do Us Part (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • はっきり言って、☆は何個でも妥当とは言えない。
    本当は評価しない、が正答だろうけど、一応3個くらいの感覚の方が近いので。


    以下壮絶なネタバレ。笑





    最後にどんでん返しがあり、実はシェルタのようになっているアンカレイジは二つあり、同じシェルタ内にいたように思えた二人は別々の所にいた。
    という説明がある。
    しかし、さらにどんでん返しがあり、実は本物の勅使河原も、影武者である勅使河原の弟も、偽物の森島有佳も、その姉も一人の人間つまり同一人物で、多重人格者だったということがわかる。
    つまり、事件は二つのアンカレイジで同時進行的に行われたのではなく、単に一つのアンカレイジ内で起こった連続殺人で、すべては勅使河原の妄言だったということになる。

    しかし、最後のエピローグでは偽物の勅使河原が、兄の勅使河原と森島有佳を(つまり本物の二人を)射殺する描写がある。

    これはどういうことだろう。
    解釈的には、これも勅使河原の精神世界と捉えるのが妥当だが、どうなのだろう。

    僕的にはこの構造はとても好きだ。
    森作品で一番。かもしれない。でも、ひっかかる。


    この作品は第三者の手記という形になっている。
    勅使河原の驚異的な記憶力によって復元された現実のようなものである。
    つまり、そこにおこったことが事実だとするとおかしなことがある。
    勅使河原と森島有佳は同一人物なのだから、実際アンカレイジに入ったのは六人ではなく五人。当然森島有佳を認識出来るのは勅使河原のみで、あとの四人は認識出来ないはずである。
    にも関わらず、作中四人は当たり前のように認識出来ていた。
    これも勅使河原の都合の良いように歪められた現実なのだろうか。

    だとしたら、すこしアンフェアというか、惜しくはないか。

    もし、再読時に四人が森島有佳を認識出来ていないようなことが分かるようなものだったとしたら、
    このミステリィは最高の叙述トリックミステリィに成り得たのではないだろうか。
    そういう気がしてならない。いや、あくまで気がするだけだが。

    でも、この話も勅使河原が本当に多重人格者だった場合だけである。


    プロローグとエピローグは第三者の手記ではない、という考えだと、いろいろな考え方が出てくる。
    すなわち、本当は多重人格者ではなく、二つのアンカレイジで事件が起こっていたということだ。

    どこかの書評でこれは、リドルストーリィ的見方を出来ないのが残念だ。
    と書かれていたが、どう読んでもこれはリドルストーリィではないだろうか?


    僕にはこれは、単なる(叙述トリックの時点で単なるはおかしいのだが……)叙述トリックに
    出来たのにしなかったのではないか、とこれを書いているうちに思った。
    つまり、作者の狙いは何が現実で、何が虚構か、幻想かそういったものを曖昧にさせる。曖昧に思わせ、謎を読者に残す。
    つまり今の僕はまんまとトリックに引っかかっているわけである。

    そしてもう一つの可能性を思いついた。

    ただ単に壊したかった。
    壊すために造った。勅使河原のように。


    真相はどちらなのだろう。
    もしくはどちらでもないのか。


    久々に長文を打った。笑
    読んで分かると思いますがこのような、推敲もしていない勢いでバーーっと書いた文なので、
    読みにくいかもしれませんがあしからず。

  • 久しぶりに再読。こんな内容だったっけ?となりながらも読完。オチはやっぱり森ワールド炸裂。森博嗣だな…と思える展開です。いわゆるミステリーとかサスペンスではあり得なくて、時々海外の映画ではあるかな?てオチですね。
    森博嗣読みすぎて、あぁなるほどこのパターンねと思うけど、全体通して考えると私はあんまり意味わからないまま読み続けてるなて改めて思った。

  • トリック?と呼んで良いものか、物語の鍵となる部分だけはかろうじて覚えていたものの、細部にいたってはほとんど忘れていたのが現状、という2度目の読書。

    ここにいたるまでにすでに15冊の本を書いていたということと、まだデビューから3年ほどしか経っていないということ、そしてこれが90年代に書かれたにもかかわらずその内容がとても前衛的(というか未来を予見したものというべきか)だったことに、軽い目眩を覚えました。

    最近の森博嗣作品を読んでいると、やけにスケールがでかいというか、妙に派手なロケーションではありますが、なるほど、そういうことのためかと最後は納得いかせるあたりがさすがです。

    ネタバレをせずにどうやってレビューを書けば良いのか悩みますが、衝撃のどんでん返しがやってきます。そこから読み進めていくと、頭の中は必ず、これまで読んできた箇所に意識が飛んでいくはずです。

    あれ?え、じゃああそこは、どういうこと?
    え?じゃあ、あれは、読んだままじゃなかったっていうこと?
    え?え?どういうこと?じゃあ、あれは?どうなってたの?え?もしかして、あれも?

    それを確かめるためには、たぶん、読み終えたすぐ後にまた初めから読まないといけないのだとは思うのですが、なにせラストが秀逸すぎて魂の抜けた殻のような状態になってしまうため、しばらく無気力状態に。
    読んだ後にどれだけ残り香を残せるかが、名作の分かれ道だと思うのですが、これは名作ルートをまっしぐらです。

    そして蛇足ではありますが、森博嗣初心者の方々は、これを読んだ後に水柿助教授シリーズをお読みになられると、森博嗣という方の振り幅の広さを体感なさると楽しいかと思います。
    そういえば、昔、森氏のブログか新書のどちらかで「森先生は二重人格なのですか?」との質問に対し、森氏は「失礼な。そんなに森は単純ではありません」とお答えされていて、しびれました。

  • 難解で、もやもやしたまま読了。
    そして藤田さんの解説で全てを理解出来なくてもいいのかと結論に至った。

    完成な密室での殺人事件。
    最終的に生き残りは二人だけ。
    中盤でその状態になり後半はどのように展開するのかとおもったら、
    今までの思い込みを二転三転するような話が次々とでてきて、手が止まらなかった。

  • まずは構成にびっくり。いきなり日記風ですか?

    密かに作られたシェルターに閉じ込められてしまった、
    そのシェルター製作に関わった数名の人たち。

    ワケもわからず一人二人と死者が増えていく様が
    日記風に語られていくのも、最後まで読んで納得。
    (途中にも、それとなく伏線アリ)

    自分が想像していた犯人あるいは結末とは違い、
    いい意味で裏切られるでしょう。

  • ミステリーなのですが、舞台となる密室の設定はとても面白いと思うのですが、どうもその設定を作者自身が生かしきれずに結局適当に終わらせたような感じのとっても投げやりな終わり方です。残念。

  • 印象としては、鮮烈な殺人事件を描いた後、最後のどんでん返しに重点を置いた為、殺人事件から結末までが、中だるみ感が出てしまった感じがしました。話の途中で伏線を張ってあるので、そういう結末でないとあの部分の描写はおかしいよね、とは思うものの、そこに至るまでの2転3転する内容。ひねりすぎてる割に、放置で終わってると感じる部分もあり、最初は良かったのに読後感はすっきりしませんでした。

  • 【あらすじ】
    全長4000メートルの海峡大橋を支える巨大なコンクリート塊。その内部に造られた「バルブ」と呼ばれる閉鎖空間に科学者、医師、建築家など6名が集まった。プログラムの異常により、海水に囲まれて完全な密室と化した「バルブ」内で、次々と起こる殺人。残された盲目の天才科学者と彼のアシスタントの運命は……。反転する世界、衝撃の結末。知的企みに満ちた森ワールド、ここに顕現。

    【感想】

  • 盲目の若き天才学者とその助手には
    それぞれ瓜二つの弟妹がいた。
    本人と入れ替わった弟妹は、
    学者らと共に総勢6名で
    とある施設での生活実験に挑む。
    タイトル通りの設定と展開。
    森作品らしい読ませる物語で
    ぐいぐい引き込まれる。
    そして二段階に用意された
    あっと驚く真相。
    ネタバラシの後読み返してみると、
    その描写の見事さに驚嘆した。
    本格好きは壁投げ必至だろうが、
    森作品らしいフワッとしたオチで
    私はかなり楽しめた作品だった。

  • 閉ざされた空間の中で、一人また一人と死んでいく。
    ミステリーの定番ではあるけれど、やっぱり続きが気になり引き込まれました。
    ただ、読後感はいま一つ。。
    天才・勅使河原潤が“天才”であることに納得できません。物事の本質に疑問を呈することで、結局逃げているだけにしか思えませんでした。最後の展開も、よく分かりません。。(私だけ…??)
    作者の頭の良さに、私がついていけない感が満載。

全291件中 1 - 10件を表示

森博嗣の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印

そして二人だけになった―Until Death Do Us Part (新潮文庫)に関連するまとめ

そして二人だけになった―Until Death Do Us Part (新潮文庫)を本棚に登録しているひと

そして二人だけになった―Until Death Do Us Part (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

そして二人だけになった―Until Death Do Us Part (新潮文庫)はこんな本です

そして二人だけになった―Until Death Do Us Part (新潮文庫)の単行本

そして二人だけになった―Until Death Do Us Part (新潮文庫)の新書

そして二人だけになった―Until Death Do Us Part (新潮文庫)のKindle版

ツイートする