女王の百年密室―GOD SAVE THE QUEEN (新潮文庫)

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著者 : 森博嗣
  • 新潮社 (2004年1月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (585ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101394329

女王の百年密室―GOD SAVE THE QUEEN (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 森博嗣百年シリーズ第1作

    以前に読んだときは、これがシリーズものだとは知らなかったが、最近GシリーズやXシリーズを読んでいて、また過去の作品が読みたくなり再読して登録してみた。
    物語の舞台が現代ではないので、なんというかミステリーとSFファンタジーが混在した、独特の魅力的な作品になっている。
    最初はSF小説風で、あまりミステリーとは感じなかったが、それでもミステリーに良くある「密室殺人」みたいな形式は踏襲しているような...。この作品では、トリックではなくてそういうやり方になるのかと納得。

    最初に読んだ頃は、S&MシリーズやVシリーズとはまた別の作品だと思っていたが、森作品の世界がこんな壮大なものになってくるとは...。そういえば、主人公サエバミチルの名前にも、最初は気にもとめなかったな。

  • ミチルと相棒のロィディが道に迷いたどり着いたのは、女王が統治し百年間閉ざされた楽園のような街ルナティックシティ。この街で死んだ者はいないと住人達は言うが、祝祭の夜に何者かに王子が殺されてしまい…。
    森博嗣の著書は初めて読みました。2113年の近未来が舞台のSFミステリーですが、哲学的・宗教的要素が強く不思議な世界観を創り出しています。
    「目にすれば失い、口にすれば果てる」何も語らないこのひと言が、全てを語っている所がおもしろい。
    森博嗣の他の作品も気になりますが、シリーズの順番が分かりにくく、どれを読めばいいのかさっぱりです。

  • 森博嗣、2000年発表の小説。SFミステリー。ユートピア小説のようでディストピア小説のようでもあり、ジェンダーやアイデンティティの問題、死生観、宗教観、罪と罰、復讐と赦し・・・等々様々な要素を含んだ寓話のような物語り。

    100年後の世界、日本人青年とパートナーのロボットが中央アジア近辺で道に迷ったあげく不思議な隠れ里にたどり着きます。そこは100年前に作られて以来世界から孤絶したユートピア・・・?
    100年後の世界ですが舞台となるのはその時代から100年前に作られた孤絶した都市・・・つまりは現代社会とたいして変わらない所で、主人公とロボットのペアだけがSF的存在。
    そこで殺人事件が起こるのですが、警察も法律もなく神と女王が支配するその町の人々は事件として扱おうとしません。主人公だけが一見密室のその事件を調べようとするのですが・・・。
    殺人事件を核にして、町そのものの謎にせまるミステリー、とても面白いです。

    寓話的雰囲気が強く、それは冒頭や所々に現れる文学的、象徴的表現が醸し出すものなのかもしれません。悲しい物語りですが、エピローグで明かされる何だか過剰にSF的設定に多少救われるような感がし、読後感は良いです。

  • 偶然たどり着いた街で、復讐したりされたりするお話。
    もっと昔に読んだはずだけど、すっかり忘れてまた一から楽しめました。
    読むのは難しくないけど、理解するのは難しい。
    ロイディが好き。

  • 本格ミステリ的なS&Mシリーズからエッセイ的小説水柿助教授シリーズを経て、このSFというかファンタジィというかな小説に至った訳ですが、全く雰囲気の違う小説でありながら、完全に森博嗣ワールドを出しちゃうところが凄い。
    物語のバックボーンが太くしっかりしてるから、凄く奇をてらってる様だけど無理に感じないというか…。
    途中まではちょっと進みにくかったけど、最後は怒涛のようにパパパッと読み終わってしまった。

  • ロイディがいなかったら、きっとつまらない、と思ったはず。
    ドライなパートナ。あまり役にたっていなさそうなのにすごく良いパートナ。
    密室は森博嗣によく似合う、と思った。

  • いろんな意味で思わせぶりなお話。事件のトリックはミステリとしては反則気味だけど、その分特殊な世界設定を生かしきってておもしろかった。というかむしろこれ、世界そのものについての謎を楽しむのがメインです。一人称視点の文章から、主人公についてのネタ2つはなんとなく読めた。それだけに、父親の正体に思い至らなかったのは悔しい。たしかにどう考えてもあの人しかいないよなあ。そしてこの世界、未来のお話なわけで。つまり別のあのシリーズから繋がっている、というのは想像に難くない。それを匂わせる描写もあって、外伝的に楽しめた。

  • 面白く、先が気になってどんどん読めた。結末には驚いた!けど、性別に何かがあるのはわかりやすすぎてちょっと興ざめ、
    でもなんかこのひとの小説の文体は、いまいち好きになれないな。面白いんだけど、

    血。
    血。

    とか。Vシリーズとかおなじみの作品ではまだ我慢できたんですが。くせ強いよねぇ…

  • 不思議な近未来のお話。
    ある個人の理想世界で静かに、穏やかに過ごす人々。
    外の世界の事など何も知らずに、
    盲目的に自分達の小さな箱庭世界を信じて生きてゆく。
    永い眠りにつくことで、未来に希望を託し、死から目を背けて。
    実際にはその未来は訪れなくとも。知らずに眠り続けて、いつか朽ちる。

    それは幸せなのでしょうか?
    幸せかどうかはわからない…。
    きっと、本人以外には。

    主人公や、女王、神や、様々な人の葛藤もなどが相まって
    不思議で素敵な世界観を作り上げていて、
    その世界観こそが最大の魅力だと感じた小説でした。

  • 人間とロボットの明確な違いはなく、感情は電気的な現象にすぎないという思想を持ち、ヒト(ロボット含む)の心を愛してロイディとのやりとりを大切に思うミチルの考え方の清々しさが、物語全体の独特な雰囲気をつくっている。

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女王の百年密室―GOD SAVE THE QUEEN (新潮文庫)の作品紹介

2113年の世界。小型飛行機で見知らぬ土地に不時着したミチルと、同行していたロイディは、森の中で孤絶した城砦都市に辿り着く。それは女王デボウ・スホに統治された、楽園のような小世界だった。しかし、祝祭の夜に起きた殺人事件をきっかけに、完璧なはずの都市に隠された秘密とミチルの過去は呼応しあい、やがて-。神の意志と人間の尊厳の相克を描く、森ミステリィの新境地。

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