迷宮百年の睡魔 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.83
  • (240)
  • (241)
  • (361)
  • (9)
  • (2)
本棚登録 : 2070
感想 : 198
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (586ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101394336

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 会いたいのではない。
    愛されたいのだ。
    きっと、そうだ。
    (引用)

  • 14.02.xx読了。華麗なる神秘なる森世界。そして躍動感あふれる行動的なシーン。女王の静的な生と動的な死。素晴らしかった。

  • 軽快なミチルとロイディの掛け合いが、更に切れ味を増している。
    ストーリー面では新たな事実が明らかになり、完結編への期待が高まる。

  • 前作よりロイディが人間に近づいててよい。次作での進化が楽しみ。お気に入りのジョーク(?)→"「天使のようだ」"
    あと"あの方"が喋る喋る。

  • 「スカイ・クロラ」とはまた違ったファンタジーのようなSFのような不思議な物語。
    人や動物のアンドロイドが一般的に存在し、エネルギー問題や、食料自給などの問題がテクノロジーの発達によりあらかた解決していそうな世界の物語。
    舞台モデルはモン・サン・ミシェル、地球の自転に合わせて回転する島の閉鎖的な国家。
    ミステリィ調だが「スカイ・クロラ」のように「人の生」「人の尊厳」といったテーマが見える。
    外の世界では禁止されているクローン技術、ウォーカロンと呼ばれるアンドロイド、年を取っていないように見える女王、存在が生きているのか死んでいるのかわからない僧侶、僧侶の同位体の少年。
    そんな中主人公のサエバ・ミチルも最終的にその体は別人のものであり、主体は脳の情報のみであることがわかってしまう。(S&Mシリーズでもミチルは脳だけであった)
    そんな存在があいまいな人間を描きながら、それぞれの登場人物の存在は際立ち、暗くも明るくも見える不思議な世界観を描き出している。
    アンドロイドに人間らしい振る舞いを教えるサエバ・ミチル。
    自分の同位体である少年に自分を殺させる僧侶。
    「人」という枠組みが揺らいで見える物語。

    「キノの旅」はその理不尽とも言える世界観とその世界に無頓着な主人公像に共通点を感じる。
    その透明な主人公についての情報を制限し、その語りを媒体として現代社会を映した別の世界をうまく描いているように思う。

  • 「女王の百年密室」の続編。(3部作らしい)
    相変わらず主人公のミチルと相棒のロイディの会話がおもしろくて微笑ましい。
    そして相変わらずテーマが壮大。 現実とは?人間とは?生きるとは、死ぬとは?
    いつか本当にこんな世界になったら、人間の定義がわからなくなりそう。

  • 女王シリーズ第2段。メグシュツカにご注目。

  • 百年シリーズ第2段。 前作にもまして不思議な世界観。SFだからこその仕掛けも魅力的。 いつも通り会話を中心に拾って読んでいたが、この人物の発言は妙にぐっとくるなと思っていたら。なるほど。 次第に変化していくロイディ、そしてミチル。よくある探偵モノの名コンビという言葉では足りない。こういう関係も悪くないと思った。 そして、最後に再会したこの言葉。使われた意味は異なるが、かの瀬在丸嬢を思い出さずにはいられない。 「人間としての誇りを持ちなさい、ミチル」

  • 「女王百年の密室」と続けて読まないと難しいかもしれない。
    会話が知的できれい。

  • 亡くなった恋人アキラの足跡を求めて、孤島・イルサンジャックを訪れたサエバミチルとロイディ。
    女王メグツシュカを中心に過ぎるほど静かに暮らす人々。
    アキラに執着する王子。
    一夜にして島の周りが海から砂漠へと変化する地形。

    島のモデルはフランスのモンサンミシェルであろう。
    そしてこれは頭脳と身体が別物であるサエバミチルへの物語なのだ。

    初見では気づかなかったが、メグツシュカ・スホは真賀田四季だとわかってからは終盤のミチルとの会話の印象が変わった。
    「全てがFになる」で実の娘に失望し、殺した彼女(いや、あれは事故だったか?)。
    真賀田道流のクローン体らしいサエバミチルに「生きていてね」と語りかけるシーンでは、あたかも母親のようだった。
    やっと「ミチル」が四季の子供として認められたのだなあ、と思う。
    真賀田四季に魅せられた。

全198件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森博嗣の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ZOO
乙一
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×