親不孝長屋―人情時代小説傑作選 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2007年6月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (193ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101397245

親不孝長屋―人情時代小説傑作選 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 池波正太郎、平岩弓枝、松本清張、山本周五郎、宮部みゆき。
    古本屋で見かけ、「え、この作家5名?すごい!」と名前に魅かれて買ったんだけど、当たりでした。私が批評するのはおこがましいの極みですが、このアンソロジーはかなりの粒ぞろい♪
    義理の親子、兄弟姉妹、夫婦、父娘。さまざまな形で、江戸を生きる庶民の家族のつながりを描いた作品が収録されている。

    〇おっ母、すまねえ(池波正太郎)
    岡場所から足を洗い、堅気の男と所帯を持ち、なさぬ仲の息子を実の子として育ててきたおぬい。亭主が死んで再婚することになった途端、息子はぐれて手がつけられなくなる。おぬいはかつての朋輩のお米に相談、仕掛人を使うことをすすめられる…

    実は今まで読んだことがなかった池波さん。文章の流れは阿刀田さんのに近い感じを受けた。
    舞台は江戸なのに、現代でもありそう…なんて思ってしまい。想いがすれ違った挙句の皮肉な結末。

    〇邪魔っけ(平岩弓枝)
    幼い弟妹のために身を粉にして朝夕働き、嫁ぎ遅れたおこう。しかしその弟妹たちからは邪魔者扱いされる、

    身近にいすぎると見えなくなるけれど、いなくなって初めてわかるありがたみ。気づくのが遅すぎなくてよかった。

    〇左の腕(松本清張)
    飴細工を売って貧しく暮らしていた卯助とおあきの父娘は、料理屋で奉公をするようになる。しかし卯助には隠している秘密があり、そこに性悪の目明しにつけいれられ・・・

    松本さんが、こういう時代物も残していたとは知らなかったー。
    このお話が収録されていた「無宿人別帳」を読んでみたくなった。

    〇釣忍(山本周五郎)
    しがない棒手振りの定次郎は、実は越前屋の次男坊だった。
    もと芸妓のおはんと、つつましく暮らしていたところに、越前屋の長兄から戻って店を継ぐように言われる。

    山本周五郎といえば、私の中では古典の部類です。
    定次郎を思って送り出すおはんも、そんなおはんの気持ちを慮って一旦は越前屋に戻る定次郎も、それぞれにじんとした。この話が一番よかった。

    〇神無月(宮部みゆき)
    年に一度、病弱の娘のために、神様のいない神無月に盗みを働く男。
    盗みのつながりに気づきその盗人を追う岡っ引き。

    これはどこかで読んだことがあったなと思ったら、「幻色江戸ごよみ」の一編でした。最後の一文が好き。

  • 市井もの。池波正太郎、平岩弓枝、松本清張、山本周五郎、宮部みゆきによるアンソロジー5編。感涙必至と裏表紙にあるが、それは煽りすぎ。文章に傍点多すぎ、煩わしい。★は厳密には3.5。

  • 時代小説の名手の短編が5本入ったアンソロジー。どれも短くて読みやすく、おまけにほろりとくる作品揃い。暇つぶしに読むにはもってこいの本。

  • 親子・家族の情をテーマにした市井ものアンソロジー。

    時代小説ってほとんど読んだことがないんですけど、内容もボリュームも取っつきやすそうだったのでお借りして来ました。5編全部面白かったです。

    「おっ母、すまねえ」(池波正太郎)
    岡場所上がりの継母と継子のすれ違い。
    親子って、血のつながりって何だろう?と考えさせられました。

    「邪魔っけ」(平岩弓枝)
    妹弟から冷たい仕打ちを受ける行き遅れの長女の行く末。
    私自身が長女なだけに、読んでいて辛くなる事もしばしば。救いのあるお話で良かった……!

    「左の腕」(松本清張)
    料理屋に奉公した十七の娘とワケありの老父とに降りかかる難儀。
    最高!!!めっちゃかっこいい!!!普段はしょぼくれてるのに本気出したら超強いじいちゃん大好き!!!出典『無宿人別帳』も是非読みたいです!!!

    「釣忍」(山本周五郎)
    元芸妓の女房を持つ棒手振り魚屋の定次郎は、実は大店の次男坊。
    私てっきり為吉がらみの三角関係か何かになるんじゃないかと邪推してたんですけど、全然違ったし何ならクライマックスでおはんと一緒に「おまえさん!!」ってなってしまいました。

    「神無月」(宮部みゆき)
    病弱な八つの娘のいる畳職人は高額な薬代を稼ぐために……。
    これだけ再読。とにかく切ない。岡っ引きと居酒屋の親父の雰囲気がすごく好き。読み終わってから気付いたんですけど、この本の表紙が「神無月」の父娘なんだなあ……。

  • 「神無月」が良かったです。特にラストの文章には、しびれました。

  • 江戸市井もの
    時代小説の名手5名による短編アンソロジー

    「親不孝」がテーマの、家族の形を描いた
    じんわりとくる掌編集です

  • 家族の間柄をテーマにした時代小説のアンソロジー。
    大御所ぞろい。
    読みやすく、趣も深く。

  • まさに親不孝としか言いようがない。中には子供当人じゃどうにもできない親不孝もあるんだけど(宮部みゆきのとか)。やはり私は市井ものだと山本周五郎がダントツで好きかな。平岩弓枝の「邪魔っけ」は、えーそんなのアリかよ、って思ってしまった。でも人間の頑張りって往々にしてそういうもんだよなあ。忘れてた。

  • 821

  • 5名の大御所の時代小説。「釣忍」と「神無月」は再読。親子の情を描いた秀逸な短編。収められた底本を引っ張ってきたい衝動が起きる。13.9.22

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