実りを待つ季節 (新潮文庫)

  • 79人登録
  • 3.65評価
    • (8)
    • (9)
    • (19)
    • (1)
    • (0)
  • 10レビュー
著者 : 光野桃
  • 新潮社 (2002年4月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101401263

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
吉本 ばなな
宮部 みゆき
東野 圭吾
有効な右矢印 無効な右矢印

実りを待つ季節 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • お父さん、お父さん、ありがとう、ごめんなさい、もう一度会いたいよ、もっと話がしたかったよ、お父さん……
    淡々とした語り口ながら、そう今にも叫び出しそうな著者の声が行間からたちのぼってくるようだった。その本心の声に気圧されて、何度も本を閉じてしまいながらも目が離せずに読み切った。
    父と仲睦まじかった幼少期、反抗ばかりで絶縁状態も同然だった若き日への悔恨、父が脳梗塞に倒れ亡くなるまでの日々……。無意識のなかから著者の頭を撫でたてのひら。
    私自身も、母が生死の境を彷徨ったとき前日にたまたま喧嘩別れをしていた。そのため著者の「声」に痛いほど胸を抉られた。
    ほかに溌溂とした母や明治生まれでぴんと背筋の伸びた祖母からの教え、幼少期の思い出から結婚生活まで、さまざまなエッセイがおさめられている。「クラスメイト」に綴られた、切なくもうっすりとおそろしい思春期の少女たちがいい。(カズハ/★5)

    美しい郷愁の光に満ちた感性豊かなエッセイ集。特にこども時代の瑞々しい果物のようなエピソードは読んでいて本当に楽しかった。一方作者が大人の女性に成長してからのエピソードや語り口には、変わらず感じはいいのだが、どこか微かに抑圧したような大人しさやコンプレックスを思わせるふしがあって、一線を絶対に越えようとしないようなその優等生ぶりが少し痛々しいようにも感じた。
    最後の一篇「掌」は、父を持つ娘、娘を持つ父の多くが心を揺さぶられずにいられないだろう。作者の父娘関係と最期の日々綴った文字を追う意識がいつの間にか自分のそれと重なって涙が溢れた。うちのお父さんまだ生きてるけど。(児島/★4)

  • 著者の家族についてのエッセイ。
    父、母。夫、娘。
    ボーナスのわずかな残りで様々な果物を買って、家族で堪能した一夜は、なんて豊かで温かな思い出だろうと私まで胸が踊り、お父さまの最後の話は胸がつまりました。
    私もどんな別れをするのだろうか。

    そういえば、若くして亡くなったという著者の弟さんの話は書かないのでしょうか。それが不自然に感じてしまう。

  • 文章は、音読しても響いてくる気がします。青かった子どもから大人になっていく自分が、鮮やかに描かれており、ジューシーな印象でした。

  • きれいな文章に魅せられる。
    赤瀬川原平、深沢七郎をこの人から知った。

  • 私が大好きな本と言ってまず思い浮かぶのがこの本。
    随筆風だけれど、なんというジャンルに入るのかは知りませんw
    高校の時のNHK杯での課題で読んだのがきっかけなのだけれど、
    すごく読みやすいし、情景が浮かびやすい文章で書かれていて好き。

    短編のお話がたくさん入っていて、小さな玉手箱がいっぱいって感じかな。

    特に掌と紫陽花の花が特に好きです。
    紫陽花の花 から抜粋して大会には出て、もちろん好きなのだけれど、
    掌という章はいつ読んでも感情移入して泣いてしまいますね〜。


  • 気持ち悪いくらい自分の気持ちに似た文章がありました。

    学生のとき放送委員会で大会で読んだり致しました。

  • 片意地張らず、やさしく強く生きていきたいと思った。すてきな女性の本。

  • 簡単に言うと、少女時代を主としたエッセイ集。
    でも違う。エッセイと呼ぶには。切なさや懐かしさ、もどかしさ、温かさ、家族ゆえの複雑でぎっちりつまった想いが溢れ出ている。
    自分のこころも揺り起こされます。

全10件中 1 - 10件を表示

実りを待つ季節 (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

実りを待つ季節 (新潮文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

実りを待つ季節 (新潮文庫)はこんな本です

実りを待つ季節 (新潮文庫)の単行本

ツイートする