イラハイ (新潮文庫)

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著者 : 佐藤哲也
  • 新潮社 (1996年9月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101403212

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イラハイ (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 聖書に似ている。と言うと語弊があるけれど、夢の話みたいに荒唐無稽で適当な話を真面目に書き上げた冗談みたいな本。

    伊坂さんがオススメしていなかったら手に取っていなかったと思う。ドン・キホーテとか好きなら好きなのかも。

  • 日本ファンタジーノベル大賞、第五回の大賞受賞作品。同賞の他の受賞作同様、ファンタジーとしてというより、エンターテイメント文芸小説として非常に非常に非常に面白い。ただしこの面白さは、読み手によっては腹立たしいだけということもありえ、作品に対する評価も賛否両論分かれると思う。
    最近読んだ同賞受賞者の森見登美彦氏と比較すると、佐藤哲也氏のこの作品は、森見氏の文体を更に硬質かつ回りくどくし、森見氏の作品世界を更にくだらなく無意味にしたような感じ。読み手にかなりの集中力を要求しておきながら、読み応えたっぷりの文章を読んだ先に広がる物語世界の展開は脱力せざるを得ないほど徹底的に無意味で、その、解説の福田和也氏言うところの「豊穣」な無意味さが、私個人の好みとしては、ものすごくツボに入った。他の作品もこれほど強く個性が発露されているのか、ぜひ読んでみたい。

  • 非常に回りくどくて、途中でほぼ読むことを放棄してしまった。
    一応最後まで目を通してみたものの、全く頭には入っていない。

    シニカルな神話というべきか。

  • イラハイという架空の国の建国から滅亡までのお話・・・なのだけど、設定だけはやけに細かいものの一般的にイメージされるファンタジー世界とは全く別物。やたらと教訓めいた言い回しや、ことごとく詭弁としか思えない会話、珍妙な生き物や、珍妙な王様たち、流されるだけで何もしない主人公(あまり出番なし)、など、とにかくシニカル。一種のブラックユーモアなのだろうけど、惜しいかな、いま一歩のところで笑えない。なんだろう、北杜夫あたりがこういうジャンルのものを書いてた気がするけど、もっと普通にニヤッとできたし、わかりやすかったと思う。

    佐藤哲也は随分前に「ぬかるんでから」という短編集を読んだことがあるのだけど、そちらもなんかこうヌルヌルした感じの気持ち悪い生き物や昆虫が多く登場して、ストーリーよりもその生き物のインパクトが大きかったのだけど、本作も、人間を男女問わず攫って水中にぶちこみ精子をぶっかける気持ち悪いカエルや、寄生する巻貝を隙あらば人間の耳に入れてやろうとする邪悪なイルカなど、奇妙な生き物のインパクトが強烈だった。

    人間は悉く愚かで、そうでない人間は主人公ウーサンのように毒にも薬にもならない凡人。むしろ突然モヒカンにして秘密結社作っちゃうアホ王子のほうが面白かった。一応ハッピーエンドといえるのかもしれないけど、教訓めいた導入部のわりに、ラストのオチになんの教訓もなかったのがちょっとモヤモヤ。

  • 皮肉に笑った。
    最後の双子の兄弟の比喩は何だったか分からなかった。
    カストルとポルックス?

  • 屁理屈と狂王とカエルの物語。区切りのない長文に消耗したけれど、面白いと感じる場合もあるだろうというのはわかった。各エピソードの終わらせ方が「八つ裂き」とか「袋叩き」とか、わりと子どもの残酷さに満ちていて、シンプルに「しょうもないなあ」と笑って楽しむ本なんだろうと思う。しかし真顔でおかしみを狙う文章のストライクゾーンが自分は狭いらしく、どうもぴんと来なかった。イルカの邪悪さは結構気に入ったけれども。

  • こんな小説を書けるのは、佐藤氏だけです。
    素直に尊敬!!

  • 崖の上と下に位置する二つの国の興亡に、婚礼の日にさらわれた花嫁を追う青年の冒険をからめて物語り、「笑い転げ、驚嘆した」と選考委員を絶賛させた斬新な天地創造譚。

    婚礼の日にさらわれた花嫁を追って、波瀾をのりこえて駆ける青年の冒険の物語…。「贅沢な遊び、これこそがファンタジー」と絶賛された新古典。第五回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

  • なんだか子供の頃頭に思い描いていたような情景が小説の中で繰り広げられている。
    もとい、ファンタジーなどではなく、残虐さや醜さをすべて併せ持ったような想像の世界。
    でも、必死になって読み進めてしまう…

  • 独特の語り口調に入り込めず、読むのが苦痛だった。
    読み終えた後にも、「面白かったような気がする」というあいまいな感覚が残る。

  • 読者に「ふざけんなボケ!」と思わせるのも作者の手の内なのでしょう。たぶん。
    いつとも知れぬ時代、辺境の王国イラハイの末期の様相を描く、壮大といえば壮大なファンタジー小説。

    妻となるべき女性を婚礼の日に攫われた主人公が彼女を取り戻すべく冒険の旅に出るというストーリーが一応設定されているものの、そこに至るまでの前置きで全ページの半分ぐらいが費やされるというすごい構成。確かにその前置き部分がなければ物語が始まらないのだけど、読んでいるうちにいったい何がメインストーリーだったのかわからなくなる。で、わからなくなってきたところで、意地悪くそのことを思い出させるような仕掛けになってます。
    読後感が異様に爽やかなのも「してやられた」という感じ。
    無駄だらけのようでいて、何かを省くとそこから物語全体がガラガラと崩れ落ちそう。何も無駄がないとするか、この小説そのものが無駄ということにするしかないのかもしれないです。

  • 第5回日本ファンタジーノベル大賞。
    イラハイという架空の国を舞台にした「分別と愚かしさ」の物語。序盤では、この国の不思議な風習、不思議な国王、不思議な職業が描かれるが、どれもファンタジックにナンセンス。
    後半からいよいよ物語の主人公・ウーサンの冒険がスタート。暴漢や兵士、殺人カエルや殺人イルカの荒波を越え、無事に花嫁を助け出せるか…。
    文体のところどころに「論理的な屁理屈」がちりばめられ、クスクス笑える面白さ。

  • 伊坂幸太郎の特集本で紹介されていたことがこの本を知ったきっかけです。

    大いに笑わせてもらいました。

    真面目な文体で綴られる至高の冗談の物語です。

    そのへんに落ちている何の変哲もないただの石ころを拾って、それを最先端の設備と高度な科学者が揃った豪華な分析センターで、その成分や落ちていた周辺の状況、歴史的背景などあらゆる情報を分析し、その分析結果を有識者の集う場でなんども入念な議論を重ねた末、「これは間違いなくただの石ころであると思われる。」と結論づけるかのような、勿体無いほどの筆力の無駄遣いを感じました。

    なかなか始まらない物語にやきもきして、もう作者の好きにしてくださいと思いながら読み進めていたのに、ついに物語が始まったときの躍動感がとてつもなかったです。
    そして物語が続いたときの続き方にこれまた衝撃を受けました。

    人によっては好みが別れると思いますが、私はこの本大好きです。
    著者の他作品もこれから読んでみようと思います。

  • イラハイ、という架空の国の中の、よくわからないお話。
    花嫁をさらわれた青年の話なのか、国ができてから壊れるまでの建国話なのか、分別と愚かしさを図るための言葉遊びなのか。

    イラハイという国で、花嫁をさらわれた青年の話を、大体中心に、たくみな言葉遊びというか、よくわからない理論展開で、国のさまざまな決まりごとが変わっていったり、変な生き物が現れたり、青年が冒険で巻き込まれた事件のせいで、国が終焉を迎えるという、ほんとによくわからない話。

    よくわからない論理、テンポ、なんだか化かされてるみたいな気もするが、なんでか読んでしまう、不思議な話でした。

  • 伊坂幸太郎がものすごく好きな小説だそうなので読んでみた。
    なんというか・・・
    何度か読むのを止めそうになったけど、結局止められないどころか、途中からはどうなるんだ!と夢中になってしまった。
    読んでいてものすごく森見登美彦と同じにおいがしたら、森見登美彦のあとがきを書いていて、妙に納得。

  • 第五回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

    くどい(-.- とにかく文章がくどい(-.-;
    いや、もちろんこれはわざとなのですが(^ ^;

    一応のストーリー運びとしては、
    架空の国「イラハイ」に住む青年の
    愛と冒険の物語...ということになるのでしょうが...

    設定は荒唐無稽だし、話の筋は不自然だし、
    登場人物は皆「魅力的でない」人ばかりだし、
    聖書っぽい口ぶり...と言うか、
    「外国語直訳文体」パロディみたいで、
    決して読みやすくない。
    いや、むしろ「積極的に読みにくい」(^ ^;

    でも面白い、という不思議な作品(^ ^;

    発表当時...というか審査員の間でも
    ものすごく賛否両論が分かれたのもうなずける。
    実は1993年に初版を手に入れて、
    その時は途中で読むのを諦めたという過去が(^ ^;
    Book Offで百円で売ってたので、再挑戦(^ ^

    短気な人には絶対読了できない逸品(^ ^;

  • 子供の頃、北杜夫のさびしい王様やドクトルジバゴ、または井上ひさしの吉里吉里人などが好きだった私からすれば
    何とも懐かしい、でも緻密に構成された感のある小説。最近、こういうものを書く人がいなくなったというか、
    ライトノベルに流れたような感じもしないでもないので、嬉しかった。ただ決して、指輪物語みたいなものを想像してはいけない。
    読むのがすごく大変なのは同じだが。。
    ファンタジーノベル大賞受賞作ではあるが、むかしはこういうのユーモア小説って言ってたんじゃん。

  •  イラハイという国に住む屋根穴職人ウーサンの物語。独特な文章、登場人物たちが魅力的に描かれており、歴史書のような感じでもある。風俗や風習、行為などが現実離れしていることもあって、不思議な話だというのが最初から感じる。「物語が始まったので、ウーサンは走った」という一文は秀逸。繰り返し繰り返しの連続だが、それがまた面白い。

  • 婚礼の日にさらわれた花嫁を追って、波瀾をのりこえて駆ける青年の冒険の物語…。「贅沢な遊び、これこそがファンタジー」と絶賛された新古典。第五回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

  • 第5回大賞受賞作品。第3回と5回、夫婦で大賞受賞。

  • 婚礼の日にさらわれた花嫁を追って、波瀾をのりこえて駆ける青年の
    冒険の物語…。「贅沢な遊び、これこそがファンタジー」と絶賛された
    新古典。第五回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

  • 屋根穴開け職人、王様に唾を吐く民衆、大洪水

  • 言葉を弄して読者を煙に巻く冗長な(“冗長”が貶し言葉に見えるって人には“饒舌”と言っておきましょうか)ファンタジー。分別と愚かさについての考証を延々と続けるせいで、物語は一向に始まりません。小説に何らかの教訓を求める人には徹底的に不向きでありますので、取り扱いには十分に注意してください。これも放置プレイ型奇想小説と分類しておきましょうか。

  • 第五回日本ファンタジーノベル大賞受賞作です。
    これを手にした経緯はすでに憶えていませんが、最初からその奇妙な文体に惚れこんで、一気に読みました。
    ありもしない国の歴史を夢想したままに書き連ねた様な物語で、でも読み手は、読み進むうちについどこか現実にある国の似たような歴史を連想してしまいます。
    虚構世界にどっぷり漬かることのできる物語。
    ただしこれも読み手を選ぶ本ではあります。

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