宵待草夜情(よいまちぐさよじょう) (新潮文庫)

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著者 : 連城三紀彦
  • 新潮社 (1987年2月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101405032

宵待草夜情(よいまちぐさよじょう) (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  •  連城三紀彦を手に取った2冊目。ますます感心。もうこれは短編ミステリの名手というべきだろう。舞台はさらに遡って時代小説といってもいいほどの昔話だ。タイトルから容易に予想されるように男女の機微というか情念というかそのからみあいの中にきちんと謎が仕込まれていて、それをきちんと解いてみせる。どろどろした人情物が苦手な人には向かないかもしれないけれど、逆にそれが単なるミステリの枠を越えた大衆小説としての十分な魅力を備えているともいえる。直木賞候補になったというのがうなずける。

  • 最近の連城再ブームに乗ろうと(?)手に取る。
    ミステリーらしくない大変な美文……と言うとミステリーに大変失礼だが、それが素直な感想である。この本で一番最初に収録されている「能師の妻」の導入のなんと美しいこと! 全編にしっとりと溢れる叙情と余韻を楽しむ短編集だった。

    とはいえ、その愛がセンチメンタルに過ぎるなぁ、とも感じてしまう部分もけっこうあった。愛が重いというわけではなく、登場人物が「浸って」いるため、少々ついていけないな~と置いてけぼりな気持ちを感じてしまったのである。
    よくも悪くも一途で不安定であるがゆえに、一時の激情にぐらぐらになってしまったり、運命的なものを感じてそれを信じてしまったり……それが悪いものであるとは言わない。しかし、いくら自分のものとはいえ、感情に頼るのは本当に恐ろしいことである。
    だからこそ、彼らは罪に翻弄されているのかもしれないが、私は自分が感情的な人間であると思うがゆえに、そんな彼らを客観的に見ることができず、もやもやした。

  • 再読。男女の恋愛の機微を軸に様々なミステリ的趣向を凝らした連城らしさが堪能できる短篇集。
    各章の副題が女性の名となっていることからも明らかなように、物語の中心となるのは女の生き様。彼女らの凄まじいまでの心情が明らかになると共に事件の構図が逆転する様は見事としか言いようがない。特に、花葬シリーズの一つともされる「能師の妻」の切断の理由ときたら……。いやあ女って怖いねえw。

    お気に入りは「能師の妻」と「花虐の賦」かな。

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