恋文・私の叔父さん (新潮文庫)

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著者 : 連城三紀彦
  • 新潮社 (2012年1月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101405209

恋文・私の叔父さん (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ちょっといい話の連続なんだけど、
    どこにでもありそうなんだけど、
    読み終わったあと、ふっと心に沁みるものがあって、
    それは結局、とても良質な話を読んだことなんだろうな、と思った。
    そんな感じ。

  • 年下の夫に寛大すぎる妻とわがままを突き通す夫、一見なんとも後味が悪い関係性だけれど、それを覆す究極の愛が描かれている。難しい、実に難しい判断だけれど妻はよくやった。そして最後の夫への言葉。受け止めろよ夫。2話目、亡くなった妻の母、義母とある男の物語。この話が一番好きだ。集まってみれば全員他人である登場人物が労り合って、気遣い合って人生を歩もうとしている。義母の奥ゆかしい去り方。そして男の新しい妻になろうとしている女のさりげない優しさ。みんなが思いやりを持ち寄れば家庭は築ける。3人笑い合っている絵が浮かぶ。

  • 直木賞受賞時にも読みましたが、ある程度の年齢になって読む方が良い本。登場人物の感情が細やかに書かれています。出てくる登場人物みんな善良。例えば「恋文」 死期が迫った元恋人を看取るため家を出ていく夫。それを許す妻。「ピエロ」では妻の夢を叶えるために会社も辞めて妻の負担にならないように心を配りながら全面的に協力する夫。「私の叔父さん」では姪孫の子供を産みたいという願いを叶えるために、血の繋がらない子供の父親になろうとする中年男性。ちょっと現実離れしているけどジーンとくる短編ばかり。ホロリとしたい時にオススメ。

  • 表題作・恋文・私の叔父さんを含む5編の短編集。





    個人的に「紅き唇」と「私の叔父さん」が好き。
    六十四になるまで働き続けたタヅの死んだ娘婿を借りた1年間だけの結婚生活を描いた「紅き唇」。
    姪から叔父へ5枚の写真に遺されたメッセージが印象的な
    「私の叔父さん」。
    どの作品も自己犠牲の上に成り立つ嘘が印象的。

  • ところどころ・・・各ページに1か所ぐらい、手を止めてしまう描写があり、数ページに1回、本を閉じたくなる。
    いつまでたっても私なんておこちゃま。そんな気がした。

  • 『私の叔父さん』が一番好き。
    「大人ってのは、嘘をつけることだ」
    「本当のことでも言ってはいけないことなら口に出さない人のことだ」
    「十九年前、俺も夕季子も真実の気持ちを全部嘘にしたのなら、今この嘘を全部真実にしてやる」
    5枚の写真が語った言葉を知った瞬間は震えた。
    解説で、この本はミステリーだと言っていたが、確かに、ミステリーだと思う。

  • 表題作の「私の叔父さん」が一番好き。
    最後に全身で訴えていた18年も前の愛の言葉が届くなんてしみじみ。
    でもどの作品も物語上の「いい話だなー」という展開の後にぽっかり満たされない虚しさが残るのは何なのか…。

  • 恋愛の美しい部分だけを切り取ったような短編集。
    恋愛における「嘘」が軸になり、どれも切ない余韻を残す作品となっています。
    自分のためであれ、相手のためであれ、恋愛を取り巻く嘘はどれも哀しすぎる。

    「恋文」
    登場人物の誰もが少しずつ欠落した部分を持っていてそのちょっとずつの見栄とか同情とか強がりとか中途半端な優しさとかが小さな嘘となって、最終的にどうしようもなく切ない気持ちにさせてくれる作品。

    「紅き唇」
    いつもいつも他人を優先にしてきたおばあちゃんの最初で最後のワガママの叶え方が、なんともいとおしい。パチンコの景品を自分へのプレゼントにするおばあちゃんのいじらしさ。

    「十三年目の子守唄」
    これだけ妙にミステリー色が強い。
    テーマも恋愛ではなく父子。

    「ピエロ」
    優しすぎる旦那を試すように裏切ってしまうなんて哀しすぎる。「失敗をもっと大きな失敗で庇う旦那」という設定が最後に生きるあたり、さすが連城さんだと思う。

    「私の叔父さん」
    こんなかっこいい叔父さんいたら好きになるのは当然。でも、お互いに選ばなくてよかったんだと思う。
    好きになるひとと、結婚するひとは別って話をカメラのレンズを通して描くところが巧い。

  • 直木賞を受賞した短編集です。全5編で、どの作品も男と女の人生が描かれています。有名なのは、表題作『恋文』と『私の叔父さん』でしょうか。
    私は恋愛に関する小説というものが苦手で、これまであまり読んでいません。なぜ苦手なのか考えてみると、なんとなく馬鹿馬鹿しいというか、そのような印象を受けるのです。
    しかし今回の作品達はどれも興味深く読むことができました。それはきっとミステリーだからだと思います。特に好きなのは『恋文』と『ピエロ』です。『恋文』は「愛とは相手に一番やりたいことをやらせる勇気」という言葉とラブレターが感動でした。『ピエロ』は男性の生き方が素敵でした。
    ぜひ読んでみてください。

  • 恋愛小説をあまり読まない私には、連城さんは縁がない作家さんだと思っていました。表題作の『恋文』を読んだら「やられたー!まずいなぁ」と思いました。いいじゃないですか、とっても。女心も男心も共感せずにはいられません。いや、本当はダメな男は好きではありません(苦笑)が、ヒロインの女性にしてみれば、そんなところもほっとけなくて愛しいのではないだろうかと思うわけです。
    『紅き唇』も好きです。
    この短編集に登場するのはどちらかというとダメ男さんが多いですが、女性は気が強いタイプが多いですね(笑)
    物語が美しいというか情緒的というか、連城さんの恋愛小説は絶品ですね。(この本しか読んでいないですけど^^; ) 本当に困るのです。とっても素敵な文章で間違いなく好みなのですが、こうオンナオンナしているのは読んでいて気恥ずかしいというか自分の痛さに触れるというか、居心地が悪いというか…。雰囲気は好きだけど、ストーリーは好きじゃないというのが今の私の心境です^^;
    でも好きじゃないけど、きっと連城氏の作品を読んでしまうのだろうなぁと(笑)
    それだけ魅力的でした♪

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恋文・私の叔父さん (新潮文庫)の作品紹介

マニキュアで描いた花吹雪を窓ガラスに残し、部屋を出ていった歳下の夫。それをきっかけに、しっかり者の妻に、初めて心を許せる女友達が出来たが(「恋文」)。二十一の若さで死んだ、姉の娘。幼い子供を抱いた五枚の写真に遺された、姪から叔父へのメッセージとは(「私の叔父さん」)。都会の片隅に暮す、大人の男女の様々な"愛のかたち"を描く五篇。直木賞受賞。

恋文・私の叔父さん (新潮文庫)のKindle版

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