ぼくの還る川 (新潮文庫)

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著者 : 野田知佑
  • 新潮社 (2003年6月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101410135

ぼくの還る川 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 深刻な河川行政に対する告発もあるのですが、全編にユーモアがあって、心が和みます。私は野田さんに私淑していて、
    四男を知右(トモキと読みます)と命名しました。先日読んだ、渡辺一枝(椎名誠夫人)著『チベットを馬で行く』の、
    チベット人ガイドが来鹿し、はじめて海に潜った時の話や、
    厳寒の米代川で目覚め、外気が暖かくなるまで、しかたなく
    ジャック・ロンドンの伝記『馬に乗った水夫』を読むくだりなど、電車の中でもニタニタ笑っているので、周りの人はさぞ変に思ったことでしょう。

  • 「キャッチ・アンド・リリースを口やかましくいいながら、三本フックのルアーを使い、シングルフックにしようなどとは夢にも思っていないバス釣り師は、偽善そのものだ。この人たちは魚とか釣りなんて実は少しでも好きではないのだ。ただ、まわりの人がバス釣りをやるから自分もやっているにすぎない」(P14)
    「ここでは、人はゴロリと横たわる味気ない「現実」を無視して、抽象の世界で生きる。川の音や川岸の樹々を揺する風の音、星の光、月の満ち欠け、流れの中の石に川虫がたくさんついているかどうか、どんな鳥がいるのか等々——が、とても大切な事柄となる」(P32)
    「日本のバイオリン作りの技術は世界でも最高の水準に達しているのだが、舶来品崇拝のこの国では、ほとんどのバイオリン作りの職人が食うや食わずでペンペン草の生えた小屋に住んでいるという」(P78)
    「有明海沿いを車で走るとアサリを袋に入れて売っていますが、あれは韓国から持ってきたアサリを一日か二日地元の海に浸けて売っているのです」(P88)
    「熊本ではぼくの仲間の間で話す話題は、釣った魚や獲った小鳥や潜った川の話などであった。驚いたことに久留米の子供たちは大人のような世間話をするのである。誰それがどうしたという噂話、周囲の大人の事情や秘密などを少年たちが口にするのだ」(P98)
    「日本人はきれいな海を求めて遠い外国に行くけど、本当は日本の海が一番きれいなんですよね」(P122)
    「こういうものだけは頑丈に作るんだな。この次来る時はチェーンソーを持ってきて看板の杭を切りながら下ろう。そして新たに看板を立て、「開発局よ、川につまらないものを立てるな。馬鹿め。納税者一同」と大書しよう」(P146)
    「こいつらは『あやしい探検隊』を、アル中集団でビールを飲ませてさえおけばいいと思ってやがる」(P148)
    「ぼくがよく行く中流の口屋内集落でも毎年水が出て浸水騒ぎになる。しかし、その水が出ないと川は衰え、汚れが残ったままで、水もアユも少ない。そこの人々はいうのだ。○○さんの家が年に一回は浸かってくれんと四万十川はいい川にならん」(P149)
    「もし手作業オリンピックというものがあったら、日本は世界でも最下位だろう」(P250)
    「社会的弱者に対する扱いでその国の民度、成熟度が測られる。日本は下の下だ。弱い者には辛くあたり、強い者にはペコペコするという社会的風土。日本は決して先進国ではない」(P268)

  • 2003年7月9日購入。
    2007年12月13日読了。

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ぼくの還る川 (新潮文庫)の作品紹介

「これがアユだ。きれいだろう」少年は眼を丸くしてアユを見つめ、しっかりと握ってテントの方に駆けていった-。美しさと豊かさを失いつつある日本の川を憂いながら、友とともにキャンプし川を下る。ダム行政による山河の破壊や愛犬ガクとの別れ。そんな鬱屈した日々の中で挑んだ釧路川単独行やユーコン紀行、思い出のフィンランド再訪など、ノダ流ダンディズムの結晶。

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