生物学個人授業 (新潮文庫 み 29-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101410319

感想・レビュー・書評

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  • 105円購入2011-03-02

  • 生物の授業って結構好きだったな。でも「生物学」になるとなにやら難しそうに聞こえる。バイオテクノロジーとか、遺伝子治療とか…?一般人には近寄りがたい、学問というカーテンがそこに降ろされてしまうように感じるわけです。そんな生物学について、岡田先生がとっつきやすく教え、南伸坊さんが生徒役となって、取ったノートからレポートを書いた。それをまとめたのがこの本です。結論から言うと、こんなわかりやすい教科書は無い!というくらい、かみ砕いて、オモロく(面白いという言葉は陳腐化しているという話もあったので、あくまで「オモロ」く)書かれています。ジュラシック・パークを見て、ここまでは本当でここまでは嘘、その一般人にはわからないごまかし方を、きちんと評価する学者の先生。普通に考えたら、批判で終わりそうなのに。とても広い視点を持っているわけで、それって素敵です。特に面白かったのは、遺伝子組み替え技術が発達していくと、整形美人ならぬ「遺伝子組み替え美人」なんていうのが登場したりして、と南さんが発想していくところ。先生が教えた知識から、生徒が発想を転換させていくというのは、はたから見るより難しいはずで、南さんの発想力はすごい!と感心させられました。遺伝子組み替え美人のイラストも面白い!ガン細胞のこと、DNAの塩基配列のこと、遺伝子のこと……。わかったようでまだわかっていないとは思うけれど、確かに興味がわく一冊です。

  • 1996年に出された本。内容はやや古い。また、専門的な事柄を面白く分かりやすく、というコンセプトなのだろうけど、中途半端でかえって分かりにくくなっている。読んで失敗でした。

  • 岡田節人さんが亡くなったというので追悼読書用に発掘せねばと思う。南伸坊さんの個人授業シリーズはどれもおもしろくよんだ。いまはシリーズまとめて河出文庫に引越ししているらしい。

  • 友だちにもらった一冊。遺伝子についてわかりやすく解説されていて、なるほどなぁと思うところもある一冊でした。ジュラシックパークのサイエンス的な欠陥なんて、読むまで気づきもしませんでした。それと、勉強について「わかろうとしていないことを教えられて、わかったことになってもちっともおもしろくない」というのはすごく納得。自分が知りたいと思ったことを、自分で調べて解決・納得していく勉強の一番おもしろい部分を大人の都合で取り上げてしまうのはどうなのかな、と思いました。

  • イモリのように再生できない方が種の生存に有利なのだろうか。これが肉体の可塑性ですか。

  • ある程度高校で習ったような内容がさらっと入る。岡田さん特有の噛み砕き方が基礎的な内容をわかりやすく、しかし同時に深みも加えている。生物倫理なんかも一見、動物のことを考えてるように見えるが、それは本当のところは人間本意の考え方でしかない。というような視点も自分の中に根付いた。

  • “先生”岡田節人さんの講義を“生徒”南伸坊さんが受けて、南さんがその「ノート」にあたる、その理解を示した面白い文章を提出し、岡田さんが最後に「一言」という形で南さんの文章の感想を書くという方式の本です。南さんは「本人」モノで知る人ぞ知る、おもろい人です。織田信長になったり、二宮金次郎になったり松田聖子になったり。それも、扮装をするのではなく、「私がその人本人です」とその人になってしまうのがすごく楽しい。そんな南さんが、学問のずぶの素人として、真っさらなアタマで生物学に望み、まっすぐに理解し、それだけじゃなくて、自分の言葉でアウトプットしてくれています。

  • 凄く読みやすく薄い本なのに、生殖細胞からホメオボックスまで何となく分かる!

    生物学ってもともと、好きな科目上位3位に入ってたけど、こういう授業だったらもっと良かったのに。

  • ノアの方舟(生物多様性)からホメオボックス(体節形成遺伝子)まで、わかりやすく解説。岡田先生も昆虫が好きなようで、「神様はよほど甲虫が好きだったようですな by ホールデン」の引用が印象的。高校生から大学院生までオススメ。

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著者プロフィール

1927年兵庫県生れ。生物学者。京都大学、総合研究大学院大学名誉教授、JT生命誌研究館名誉顧問。89年国際発生生物学会からハリソン賞を日本で初めて受賞。著書に『細胞の社会』『生命科学の現場から』他。

「2014年 『生物学個人授業』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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