心理療法個人授業 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2004年8月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101410357

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心理療法個人授業 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • ☆2(付箋5枚/P227→割合2.20%)

    ・例えば、患者さんがきて、
    「私、お父さんが憎くてたまらない、あんな人いない方がいい」と言うと、大体カウンセラーは「そう、お父さんの職業はどうなの?」と聞きます。パッと沈黙があって、話がガーッと浅くなってしまいます。
    ところが、そのときに「あんな人、殺したい」というのに「うーん、殺したいね」と返すと、グッと深まるんです。そうして「私、やっぱりお父さんのいいところもあるような…」とか言いだすわけです。それを全部録音でとってる(ロジャーズ、ノン・ディレクティブ・カウンセリング)。

    ・ユングは、それは「やらない」と言っているわけです。ドグマをつくるということはしない。ところが、ユン グはもうひとつ、面白いことを言ったんです。
    「ドグマのほうが迫力がある」と、そうでしょう、実際ノイローゼになられたらわかります。ノイローゼはつらくてたまらんです。そういう時にボクが来て、話を聞いて、
    「そら、しんどいですねえ。…じゃ、また来てください」
    と、そんなにしていたら、もうものすごく悩まないけない。ところが、話の途中に、
    「わかりました!それはご先祖のお墓です」
    と言ったら、アッと思うでしょう。そうか墓か!というんで、墓をつくり変える。墓があっちにあったんを、ぐぅとこっちに回したり、あっち向いて拝んでたのを、こっちにして拝む。そういうことでポンと治ってしまう。
    われわれから言わせると、これは、その人の心の中の変化を、象徴的に やっているわけです。深いところの変化を象徴的に行っているわけなんです。だから、そういうのを馬鹿にはできない。しかし、それが誰にでも適用できるかというと、大間違いだと思っているわけです。

    ・たとえば、ノイローゼの症状に悩んでいる人にとって、その症状は自分の物語に組み込めないものと言っていいのではなかろうか。たとえば不安神経症の人は、その不安が、なぜどこからくるのかわからない故に悩んでいる。その不安を自分の物語のなかにいれて、納得がいくように語ることができない。そこで、それを可能にするためには、いろいろなことを調べねばならない。自分の過去や現在の状況、これまで意識することのなかった心のはたらき、それらを調べているうちに、新しい発見があり 、新しい視点が獲得される。その上で、全体をなるほどと見渡すことができ、自分の人生を「物語る」ことが可能となる。そのときには、その症状は消え去っているはずである。

    ・あるところで、「養護学校にいる子供たちは虚言癖のある子が多い」と言われたことがある。両親と別れて住んでいる子どもが、「僕のお父さんは大金持ちだ」とか「私のお母さん女優なの」と言ったりする。これを虚言癖などというのではなく、そのような「物語」に支えられなかったら生きられない子どもたちだ、と思ってみるとどうだろう。

    ・しかし、臨床心理学や、河合先生のおそるべきところは、そうした「わかること」の上にさらに「わからないこと」をつなげていくところではないかと私は思っている。

  • なんとなく、再読。
    どちらの方も基本的に好きなんです。
    ただ、どちらも一見のらりくらりとしているので結果、この本はのらりくらりとしております。答えはこの本では見つからないです。きっと。

  • なるほどーな事がたくさんありました。
    けどやっぱり分からない。
    人の心って。心理って。
    おもしろかった。

    とりあえず、できるなら、
    ポジティブに笑ってた方が
    いい気がするネ

  • 個人的にもう一度じっくり読み直したい一冊。
    ローレライの話がよかった。

  • イラストレーターでエッセイストの南伸坊が、臨床心理学者の河合隼雄の個人授業を受けるというコンセプトの本です。

    河合隼雄の語る心理学は、何か名人芸のようで茫漠とした印象があったのですが、本書では南伸坊が河合の講義を大胆に敷衍してみせることで、何が心理学でないかというリミットが浮き彫りになっているのが、おもしろく感じました。とくに、箱庭療法についての講義では、悩みの深い人が作った箱庭に芸術的な「アイディア」を見ようとする南を河合が諌め、箱庭の表現に示された自己治癒への可能性を治療者との人間関係の中で見ていくことの大切さを語っているのが、印象的でした。

    ただ、南のツッコミを入れるまでもなく河合自身が十分に柔らかい語り手なので、専門家の話と一般人の受け止め方の落差を楽しむような読み方には向かないと思います。

  • 二人の著者でなんかあまり噛み合ってない、というか二人の書いた部分が識別しにくかった。事実と意見とかも…

  • 南伸坊さんがニッポンの学者の第一人者と対談をしたことをまとめ,それを対談者ご本人が添削するという形式の本です.

    南伸坊さんのフィルターを通すことによって,難しい,取っつきにくいといったことでも柔らかく受け入れることが出来ます.

    河合隼雄さんとの対談のこの本は,心理学の基本で有ろう事を本当にわかりやすく面白く書かれており,すいすい読めます.しかしながら,よくよく考えながら読むと,深いんですよね.

    箱庭療法のことにも触れられていますが,これまたすごく参考になる.心理療法の入口として良い本ではないでしょうか.

  • 海馬の内容と似てるところがあって、おもしろかった。

  • 和図書 146.8/Ka93
    資料ID 2012200411

  • とても読みやすくわかりやすい。「おまけの講義」として「関係性の回復」について語られているが、このことだけで一冊の本にしてほしいと思うほど大切なことが書かれていると思う。

  • 精神薬、心理療法、行動療法どれが当てはまるかわからないが、トライすべき。

    本来人間は自分をよくしようと、問題解決能力を持っている。

    アドバイスを与えてしまうと聞きたくなくなる。

    以上3点は学べましたが、全体的にわかりにくく、同じ主張を繰り返しているような印象を感じました。

  • 「村上春樹 河合準雄に会いにいく」以来、河合先生のおっかけ?です。個人のご著書は高尚すぎて歯が立たないこともありますが、対談形式のものはわかりやすくていいですね。南伸坊さんのお顔しか存じませんでしたが、鋭い観察眼と頭良い方なのですね。特に誰の書いたものという表示がなかったので時々どちらの書いたものなのかわからなくなるほど、鋭い指摘が多々あったのが印象的。中でも「物語がミソだった」の章は目からうろこでした。

  • いやはや、心理とは難しい難しいとは思ってはいたが、改めて分からないことだらけだと痛感。ただ、その「分からない」と言う河合隼雄の言葉には深みが感じられた。
    「発見的に分かる道をともにするためには、”分からない”と自覚する謙虚さが必要だが、これはまったく自身がないのとは異なる。自信がないのはハナからまったく分からない人である。”分かる”に分からないをつなぐ人は分かる自信と分からない謙虚さを持ち合わせている」

    つなぐ。大事なことだと思います。下線引いたり太字にできるならそう表示したいです。

    全てはわからない。分かる部分に分からないをつなげて分かろうとすることが臨床心理士の仕事だと河合隼雄は言う。臨床心理士の仕事とは何か?-100人の臨床心理士に聞けば100通りの答えが返ってきそうである。自分の中で、この答えはその一つ目として心にしまっておくことにします。

    それにしても、この河合隼雄の本をもっとたくさん読みたくなってきた。(この本は河合隼雄だけが書いた訳じゃないですが・・・南しんぼうさんのかいた部分もおもしろかったdす、もちろん。)次は「人の心はどこまでわかるか」に挑戦してその後色々読み込みます。

  • 人の心はわからない。

  • ガロの編集長とユング派心理療法家の対談。

    よく僕が使う言葉で
    ナンバー1は「少女」ですけど、
    ナンバー2は「こころ」です。
    「こころ」ってなんだろう。

    「人の心ってどこまでわかるのですか」
    と質問されたときに、
    心理療法家の河合隼雄先生は
    何と言ったと思いますか?
    人の心理を治療しているしている
    心理屋さんはどのように答えたでしょうか。

    A.「わかってたまるか(笑)」

    あらためて思うとそのとおりですよね。

    それがわかってない人が多いと思いますけど
    僕だけでしょうか。

  • ユング派の第一人者、心理療法士の河合隼雄さんに南伸坊さんが生徒として入門するような本です。南さんの素人ぶりは、ほんとうにまっさらなくらいのものなので、何も知らない読者が読んでもついていけますが、そのぶん、深みにかけるところがあるかもしれません。

  • 最近、はまってる河合隼雄の本。
    この本は入門本とはいえ、
    まるっきり知識がない分野なので
    毎日少しずつ読んだ。
    河合隼雄の本を読んでから
    臨床心理士とかカウンセラーの仕事って
    おもしろそうと勝手に思っていたけど
    この本を読むと、本当に大変そうで、
    ストレスのたまるお仕事。。。
    人間の幅とか経験とかも不可欠だよなあ。
    それにしても、毎回思うことだけど
    河合隼雄は本当にユニークで
    この本もとてもおもしろかった。
    生徒役の南伸坊のつっこみもするどくてよかった。

  • 心理療法…というか、臨床心理学というものに対して抱いていた疑問について、いくつかの解答が得られた。
    心理療法、精神分析、カウンセリング…似て非なるものの違いと共通点や、「心理学は科学なのか?」についての回答、どれも興味深かった。

    南伸坊の質問は実によいところをついている。僕が以前から疑問に思っていたところを聞いてくれている。

    臨床系の友人と会うときに、さーっと読み返したい本だな。

  • 読みやすいし、わかりやすかった。

  • わかりやすくておもしろい。
    河合隼雄の話も、南さんの絵も、味がある。

  • 人の心ほどよくわからないものはないと思うけど、でも、だからこそ何がどうなっているのか知りたい。で、いつものように河合先生の本を読み、結局「わかってきたこともあるけど、わからないこともありますなあ」とか言われてしまうわけなんだが、それがまた心地よいという不思議。

  • 心理療法家の河合隼雄さんが先生役をつとめ、エッセイストの南伸坊さんが生徒役をつとめるという形で「心理療法」や「心理学」の世界に迫っていくという内容。個人授業を通して河合さんから学んだ内容を南さんがレポートとして文章にまとめ、それに先生が一言申し述べるという感じの構成。心理学の歴史から心理療法の話や「物語」など、心理学が扱う広範囲の事柄の要点が分かりやすく書かれている。フロイトの精神分析学やユングの分析心理学、臨床心理学などの入門編として、非常に分かりやすく参考になった。

  • 先日なくなられた河合隼雄さんの授業。
    河合さんの講演は何度か聞きましたが、ほんとおもしろいです。
    そんなおもしろさがぎっしり詰まってます。

  • 人間の心の中は判らなくて当たり前。判らないものを判らないなりに判ろうとする過程が重要なんだな。何でも厳密に要素還元すればいい訳じゃないし、そんなことは出来ない。

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心理療法個人授業 (新潮文庫)の作品紹介

生徒「人の心ってどこまでわかるのですか?」先生「わかってたまるか(笑)。でも、僕らは最大限の努力はします。心理療法は命がけの仕事なのです」生徒「ワカランワカラン言っていて治療できるのですか?箱庭を作ると治るんじゃないんですか?」先生「ハハハ」-人の心は不思議で深遠、謎ばかり。シンボーさんと少し勉強してみませんか?楽しいイラスト満載。「個人授業」シリーズ第4弾。

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