アンテナ (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2007年10月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101412382

アンテナ (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • ファン、と言うわけではないけど・・・
    時々読むと妙に心を引っ張られる田口ランディ。

    「コンセント」もなかなか壮絶な話だったけど、
    こっちの方が好きかもなぁ。
    彼女の作品にはものすごく濃厚なエロがよく登場する。
    けど、グチャグチャでドロドロなくせして・・・
    何だか泣きながら抱き合っているような切なさが、ある。
    そういうところが、時々うんざりするけど時間が経つと
    妙に会いたくなる友達みたいな感じ。

    あとがきに
    「もっとキテレツなことを、大まじめに書かなければいかん」
    と執筆についての想いを述べていたけど・・・
    本当にそうですよ。
    あなたの作品はとっても奇天烈で、呆れるほど勢いがある。

    嫌いじゃない。

  •  田口ランディ氏を知ったのは、田代まさし氏が出演していた、薬物依存症から脱却を目指す人たちのミーティングの映像を見たときだった。そこで田口氏が父親の暴力、兄の自殺など、衝撃的な家族関係を語っていたのが印象的で、どんな小説を書くのか知りたかった。内容はおもしろかった。
     カウンセリングを受けるシーンがカウンセリングを勉強したことのある私には興味深かった。コンセントを抜いたとき(社会との関わりを経ったとき)世界と自分が一体化しトランス状態になるというのは、たしかに理屈としては納得できるが著者はどうやってこの境地に達したのだろう。薬物などの力を借りなければたどり着けない世界ではないかと思った。ラストは著者も言ってるとおり賛否両論あるようだが、ちょっとガッカリのラストであった。

  • 日常にかまけていると私たちは、ともすると目の前のものだけに翻弄されて行き詰ってしまう。

    幼い妹真利江が忽然と姿を消してから十五年もの間、主人公の家族は真利江の亡霊に翻弄され続けてきた。
    それは、マスコミによって騒がれたり、物見好きな人々が類似した事件の発覚によって新たな注目をしたりすることによってその都度強められてもいるのだろう。

    忘れたくても忘れられないし、忘れてはならない、との強迫観念にも似た感覚もあったことだろうとの推測もできる。

    しかし私たちは間違いなくこうして生きていて、その生を全うしなければならない、という現実がある。

    この物語では、真利江の消息、という意味での「真実」が解明されることはないにしろ、行方不明の家族を抱えた一家が前を向いて生きていく、という生を全うするという意味での「真実」を主人公が得るまでの心の旅が、リアルに、そして繊細に描かれている。

    SM穣やオカルトが重要な役割を果たしているところは、田口ランディらしくていい。そしてフロイト的なところも。

    人はきっと、必要なイニシエーションを通るべき時にきちんと通らないと、どこかで行き詰ってしまうのだろうと思う。

    その役割を担ったのは、妄想の力で他人を救済するという、まるでシャーマンのような不思議なSM嬢、ナオミ。
    彼女の力を借りて、主人公は必要なイニシエーションへと向かっていく。

    読みながら私は、個人的にこのナオミのことが心配でならずにいた。
    多くのファンを持つSM嬢ということで、きっと他にも多くの人たちを癒しているのだろうと想像するが、
    彼女自身のカラダや精神に、何か悪影響が出ることはないのだろうか?と。

    そんな私の心配を、ちゃんと最後に和らげてくれる仕掛けも見事。
    田口ランディ、恐るべし!です。

  • 妹が消えて15年。
    あの朝起きると横にいたはずの真利奈が消えていた。
    あれからずっと妹を探してる。

    突然消えた妹
    壊れていく家族
    妹の失踪後生まれた
    弟は母に『お前は真利奈なんだ』と育てられる。
    弟は言う『もうすぐ真利奈が帰ってくるよ』

    壊れた日常の中で主人公は
    SMの女王ナオミに出会い
    彼女の不思議な能力により解き放たれていく。
    性と死と生と
    愛と悲しみと憎しみ
    いろんなものがごっちゃになっているのに
    不思議と夢中になった。

    アンテナ
    人はみな見えないアンテナで
    何かを感じているのかもしれない。
    自分の顔は見えないだから
    今見えている相手の表情こそ今の自分の顔なんだ。

  • 『コンセント』とは違う話だけど
    ほぼ同じ色の世界。
    妄想と幻想。生と性と死。

    読んだ。面白かった。みたいな感想がもてない。。

  • 読了後、暫し呆然としてしまう。胸に受けた衝撃は大きい。目を見張る出来事の連続。全く平凡な家庭が家族の一員の突然の消失という受け入れがたい現実に直面。家族が発狂しながらバランスをとっている。他人事とは思えず何とも言いようのない怖さを覚えた。

  • 人の悩みは、結論が出ない事から起きるのかもしれない。自分自信について考えてみても、結論が出ないが故に悩むのだと思える。きちんと悩みに向き合い、結論を出すことが大事なのだろう。

  • 人の悩みは、結論が出ない事から起きるのかもしれない。自分自信について考えてみても、結論が出ないが故に悩むのだと思える。きちんと悩みに向き合い、結論を出すことが大事なのだろう。

  • 現実って夢なのか妄想なのか、ひとつづきのものが人生かな、と。<br />
    十字の描写のところに、うああとなりましたがなんとか読了。

  • なんか不思議な話。
    家族を突然なくしてしまうとああなってしまうのかな??
    解をもとめるのはわかるがSMになるのがわからん
    やっぱ、田口ランディさんの作品というか視点は独特やわ。

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アンテナ (新潮文庫)の作品紹介

僕の妹・真利江は、十五年前に忽然と消えた。家族は妹を探し続け、弟が生まれても、その喪失感は埋められない。父が死に、母は宗教に身を投じ、幼い男も入院してしまう。僕は妹の失踪後、自傷するようになっていたが、SMの女王ナオミと出会い、「痛み」だけでなく、封印していた性の欲望を解き放つことから、生きる力を回復していく-。性と生を繋ぐ力を描く問題作、新装決定版。

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