- Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101414126
感想・レビュー・書評
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慶次郎縁側日記の原点がここにある。
ここから、シリーズ化してゆくのだが、7つの短編は、どれも叙情深くしっとりとしたいいお話になっている。
決して、明るいハッピーエンドにはなっていないのだが、それでも、その人にしかわからない幸せがそこにある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
良いですね。
しっとりした人情時代小説です。ガチャガチャしてないし、引き込み方の上手さも感じます。何となく女性版・藤沢周平という気がします。
北原さんは2作目。前に読んだ「恋忘れ草」は、さほど良いとは思わなかったのですが、この作品には釣り込まれました。主人公の多くが男性のせいかも知れません。
これからもう少し手を出してみましょう。
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江戸の風情をよく描いている。さりげないストーリーだがぐっとくるものがある。2015.12.4
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20130424 小説として完成度ご高い。というか、どんどん話に入り込める。この人のほんをみんな読みたくなった。
(´-`).。oO( -
再読。 (初読時、不明)
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時代小説続き。しかも江戸情緒物続き。 NHKで少し前にやっていたドラマ「慶次郎縁側日記」の原作者です。ドラマの雰囲気がいいなと思い、以前から名前をよく見る作家さんだったので読んでみました。
練れて無駄のない文章。さりげなく、自然に情景が目の前に描かれていく。やるなあ、と、思った。
ただ、どういうわけだかこちらもやや切ない題材が多く、なんだか読後は淋しい気持ちに…。(2005-01-10)
[うさぎ] 乳飲み子を捨てて家を出た母。残された娘を働きながら必死で育てた父。年頃になった娘が慕うのは…。誰の心情も丁寧に描かれていて、流れは納得できるもののやりきれなさが残る。
[その夜の雪] 慶次郎縁側日記の元となった一作。娘を自害に追い込んだ男を必死で追う同心の父。初めて立つ被害者としての立場。そして加害者の立場。怨念と人情が切なく描かれる。
[吹きだまり] 酒も遊びもやらず日銭を貯めて、年に一度、高級料亭に通うのがただ一つの生きがいの作蔵。その年、作蔵が料亭で見たものは…。
[橋を渡って] 頼りにならない弟とそのきつい嫁。仕事に夢中で浮気を繰り返す亭主。おりきは生活の虚しさに…。
[夜鷹蕎麦十六文] 噺家のかん生は野暮だ粋だが口癖。その女房のおちかは粋とは縁もゆかりもない女。しかし八方塞がりになったかん生が見たものは…。
[侘助] 無銭飲食を繰り返してお情けをもらっては蓄財に励む侘助。昔なじみのおげんと出会い…。
[束の間の話] 嫁のいいなりで自分を蔑ろにする息子に耐えかねて家を飛び出したおしま。腕のいい息子と意見が合わず独り立ちした板前の源七。病に倒れたおしまと行方知れずになった息子を探す源七が出会う。
収録作品 [うさぎ] [その夜の雪] [吹きだまり] [橋を渡って] [夜鷹蕎麦十六文] [侘助] [束の間の話] -
ドラマにもなった『慶次郎縁側日記』の
序説ともいうべき短編『その夜の雪』を含む傑作短編7作。
『短編とはこうしたもの』を言うに値する作品。