脇役―慶次郎覚書 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.42
  • (4)
  • (9)
  • (18)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 97
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101414201

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 各登場人物の過去

  • 「慶次郎縁側日記」シリーズは、随分と数多くありそうなのだが、なぜか、この本が「出会い」となった。

    主人公の森口慶次郎は元定町周り同心。仏と名前がつくほど人格も優れた同心だった。その森口に惹かれる主人公の周りの人間たちを濃く深く描いたのがこの「脇役」

    一つ間違えば、悪の道をさまよい、落ちぶれてボロ屑のような人生を歩くはずだった者。
    心深く思いを持ち続けた相手の女房が、悪人に殺されるように亡くなり、思いを伏せて、嫁ぐ娘。
    上役でもないのに、なぜかいつもきになる慶次郎の眼差しに、いつもヤサグレた心に一つ、真白きものを養う男。

    短編のような小節を組み合わせて紡がれるこのシリーズは、急流を流されるように読むシリーズではなく、一つ一つ時に外の景色を見るように、読む本なのかもしれない。

  • シリーズに登場する主な脇役が主役として登場。過去の生い立ち、現在の生活、そして心情。彼らを含めて、市井の人々も様々に悩み、自分を洞察し、どう生きようかと考える。読者が共感できた時、同じく自らを省みるだろう。2016.9.25

著者プロフィール

作家

「2017年 『化土記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

北原亞以子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×