幸福な朝食 (新潮文庫)

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著者 : 乃南アサ
  • 新潮社 (1996年9月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101425115

幸福な朝食 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 話がだらだらと続いたなあという感じ。一歩進んで二歩下がるような、同じ話を何度もしている印象。別に驚く要素もないし、そこまで怖くもない。解説の通り、家族主義から個人主義への過渡期を上手く書いてるというのには納得。幸せって何だろうと考えるきっかけにはなった。みんなが一生かかってもなれない女優にはなれたが、みんなが簡単に実現している夢(結婚)は手に入らないというのがあり、確かに幸せは人それぞれだと感じた。ドラマ版もあるようなので見てみたい。

  • 元祖こじらせ。

    志穂子に共感はできないけど、広美をみてもわかるように、この類の狂気は自分の中にも確かにあると思った。なるだけ近づかないようにみんな生きてるんだ。30年近くも前の作品だけど、今の社会に十分通じると思いました。

    どうしようもない不幸な内容なのに、最後の数ページで、気持ちが少し立ち直って読後感が悪くなかったのが、すごいなと思いました。

    なるだけこじらせないようにしよう。

  • 暗くて悲しい小説は嫌いではないけど、これは救いようがなくてかわいそすぎる話。最初はまだ良かったのに、だんだんドツボにはまってゆく。
    志穂子は何度でも不幸から逃れる機会があったが、経験から何も学べなかったのが最後まで残念。途中から心の描写にあまりシンクロできないくらい、異常になっていく。

  • 著者が、直木賞受賞の前、日本推理サスペンス大賞優秀賞を受賞した作品が本書。幼い頃か美しかった主人公・志穂子は、女優を夢見て上京するも、その数年前にデビューし、アイドルとして活躍するマリ子の存在より、日陰の存在のまま34歳を迎える。一方は、大女優に。そして志穂子は愛人関係などを繰り返しながら、人形劇の人形使いに。そして常軌を逸していく。
    解説に書かれている「漠然たる焦燥感に駆られながらやみくもに生きる現代都会人の、底知れぬ孤独と哀しみが投影されいるように感じられてならない。」という文章は、何故か現代社会の投影であるようにも感じられる。

  • 思い通りにいかない現実に魂がすり潰されていく様子が細やかに描かれている。
    自分の心の調子が良いときでないと読めない程だった。
    後半の、いろいろな人のさまざまな思惑の絶妙な絡み合いが面白い。

    ブクログのカテゴリをジャンルごとにしていて分類に迷い、
    解説を読むと確かにミステリ的な要素もあったように思うので、ミステリ・サスペンスに入れた。
    だが、この作品の面白み自体は、謎解きよりも心情面だと思う。

  • タイトルとは裏腹の恐い物語だった。志穂子がおかしくなってからが長い気がしたが、それにしてもラストに向かって収束する恐怖。これがホラーでなくてなにがホラーだろうか。幽霊が出てくる話よりよほど恐ろしい。

  • 図書館で。直木賞作家だし聞いたことあるけど読んだことないなあと借りてみました。

    取りあえず最後までは目を通したのですがよくわからない話でした。他人となれ合う事に興味が無いヒロインだけどアイドルにはなりたいとか…変な子だな。挫折して人形使いになったのはわかるんだけど彼女の人形遣いとしての仕事に対するプライドとかそういうのも今一つよくわからない。う~ん…難しい女性だ。簡単にいうと自己顕示欲が強くて権威主義って事なのかなあ?チヤホヤされたい女の子、なのか。その割に子供に異様に固執するのはなんだろう。こんな私が負け犬のはずないという遠吠えなのか。

    という訳で後味の悪いお話でした。これ、ミステリーなのか?な。あまり好きではなかったです。

  • 乃南さんの作品にしては深みが足りないような気がするが、デビュー作でこのできは流石。
    単なる狂気ではない、深い孤独が感じられる、女性だからこそ描ける作品では。読んだ感想も男性と女性では違う気がする。

  • <幸福な朝食>
    不気味な話だった。みんなそれぞれ勝手に生きて、無理してそれを認め合ってる新しい仮面家族という感じだった。梅雨のある事件が、この家族にシコリを残すのだが、消化しきれずに付き合っていくとはこのことなのかと思った。文体が淡々と事実を述べていく感じで、登場人物感情がちっとも書かれなくて推理小説みたいな感覚。あんましだった。

    短編かと思ったら違った。

    正月の移動の時にズバーッと読んだ訳だが、あまり文体が合わず飛ばし飛ばし読んでしまった。が!最後は意外と泣ける場面もあり。でした。

  • 全体的に暗いトーン。過去が時々フラッシュバック。女優の夢。同年代で未婚で子もいませんが、ここまで病的に子ども欲しいってならないし、母という生き物がそうでない同性に対して優越感を持っているとも思えない。志穂子はどこからどう見ても自業自得で、なるべくしてこうなった、という感じがする。そもそも学生のころから友人もいなくて性格悪いよね(笑)。

  • 陰鬱で救いがなくて、嫌になってしまう。こういうのは読める時と読めない時があると思う。

  • 狂気。怖かった。
    プロローグから幸せな結末は望めないのじゃないかなぁと思いつつ、引き込まれるように読みました。
    主人公のこんなはずではなかったのに、という思い、なかなかあきらめられない自分への自信、凡人はどこかでそれに折り合いをつけて生きていくのでしょうが、あまりにもその思いが強いと思い切ることが出来ないのでしょう。その不器用な生き方が哀しいと思いました。
    若い時ではなく“今”読んだから余計に身につまされたのかもしれません。

  • 女は怖い。
    普通でも怖いのに、狂うともっと怖い。
    女性の思考回路は、女性相手でも理解に苦しむところがあるので、男性にはまるで理解できないものだろうと思う。
    今現在、真実だと信じたい事柄があったとしたら、過去を遡って事実を捏造することが当然のようにできてしまう女性という存在は、扱いにくいだろうと思う。
    女性の中では、過去と現在が直結していないことなんてザラにある。
    その時、その時に信じたいことが現実であり、真実なので、事実がどうであるかなんて関係ないのだ。
    こうと決めたら、第三者が簡単に口出しできるものじゃない。
    これがまた、賢そうに見えて、理性を失いそうにないように見える女性に多いから始末が悪い。
    男性の皆様、簡単に女性を手玉に取れると思ったら大間違い。
    理論的な思考で女性を言いくるめるなんて不可能と思った方がいいですよ。

  • 女優になれなかった
    嫉妬
    逆恨み
    想像妊娠

  • 壊れていくところがコワイ・・・

  • 乃南アサさんの デビュー作ということで。

    悲しい。
    ただ悲しい。

    なんだろ、
    人間の欲というか、何よりも優先させた夢とか
    誰がどうしようと変えられない現実とか、、、
    読んでる最中、泣くことはなかった。
    なのに、読み終わって頭の中でこの話を思い浮かべると、
    どうしようもなく涙が流れてくる。


    人間の怖さ
    バランスを失ってからの狂気

    心理描写が秀逸で
    物語の内容とは逆に、
    血が通っている気がした。


    読んでる時は、
    精神異常になった志穂子を冷静に見れたし
    良助、広美、マリ子のやり方も
    ああ、そっか。と疑問もなかった。

    でも、最後に伊吹を出されたらさ
    すべてが悲しくなった。

    自分たちの欲望のために、
    人を陥れたり、利用したり、
    何も知らない伊吹の希望が、
    ただただ悲しくさせた。

  • 学生の時から女優を目指していた志穂子。たが、その夢は先にデビューを果たしたマリ子という女優によって打ち砕かれる。
    そんな日々や昔の友人との出来事等から、いつしか志穂子の心は病んでいく。
    途中から、とてつもない恐怖に包まれ始めた。

    2013.2.9

  • このジャケットは印象に残ってる。寂しい感じだったかな?

  • まぁまぁ…かな?乃南さんということで期待しすぎたかも(>_<)

  • 主人公・志穂子は華やかな芸能界を夢見て上京したが、大人気美人女優マリコと瓜二つな顔のせいで、女優としては全く芽が出ず、地味な人形使いになった。
    とても寂しく不幸な生活を送っているが、孤独と嫉妬の中で、段々と狂気の世界に入っていき…。
    徐々に狂っていく描写が怖かった。読後感が暗すぎてスッキリしなかった。

  • 読後がすっきりしない。

  • 乃南アサの、背筋がゾクリとするこの感じはデビュー作からも色濃く出ていた。
    ミステリー調なのがあまり肌にあわないが、人間の孤独と嫉妬心。挫折感、狂気を人形という媒介を経て映し出している。

    幸福そうなのと 幸福 孤独
    どれがいいものかなんてわかりっこない

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