家族趣味 (新潮文庫)

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著者 : 乃南アサ
  • 新潮社 (1997年4月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101425139

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家族趣味 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 短篇集。

    これもすべてが、シャープでスマートで面白かった。乃南さんの書く短編は、最後の落とし方が鋭くて、ユニークで。あっけなくて、面白い。
    「彫刻する人」なんかは特に、そう感じた。

    乃南さんの話に出てくる、女の人も男の人も女子も男子も、老女も老翁も、みんなすべてが「本物」みたい。気持ち、というか視点がそれに近い。

    表題作の「家族趣味」は、怖かった。そして悲しかった。哀しかった。
    「家族」――理想の家族像――をつくることが、趣味。そこには人の温もりがまったくない、ということに、まったく考えを及ばせなかったことで、なにもかも失ってしまう。これも展開が隙なく、意外で最初から最後まで楽しめる本です。

  • なんでもない日常が、ラスト数ページであっという間に色を変えていく様子が見事。短編ならではのテンポの良さで、あっという間に読み進められる。

  • ダメでも、すごくおもしろい、でもない。
    普通に楽しめた。

    短編集になっていて、
    どの話も、「ボーダーラインを超えすぎた人」の話。

    収集癖のある女
    筋力トレーニングにハマる男
    恋愛で精神を病んだ人
    感情がない少年
    結婚も恋も仕事も楽しみたい女

    なんでもほどほどに…

  • うっ、そうくるか?! な短編集。
    結構好きだ。

  • デジ・ボウイの結末に一番驚いた。さわやかだろうか?この生き方を間違っていると言ってしまうことはできないが、何かが違うと思う。

    直樹はこれからどうやって生きていくんだろう。
    妹も。

    家族趣味は趣味が悪すぎる。

    でも、どの話ものめりこんで読めた。濃い~短編ばかりで満足。

  • 「忘れ物」という短編はほんとうにゾッとした。読んだ後も少し読み返してしまうくらいに最後はどんでん返しが待っている。これは小説でしか表現できないのではないかと思う。
    普通の人たちの狂気や恐ろしさというものがこの短編集のテーマにあって、久しぶりに夢中になって読んだ。
    「デジ・ボウイ」の読後感がいい。救いようがないけれど。

  • 暗い話は苦手だけどこれは嫌いじゃなかった。
    なんだか、世にも奇妙な物語にありそうな話。

  • 気持ち悪い。但し最近はこういった後味の悪いサスペンスやミステリーを読む率が多くなっている。
    ドロドロとした暗い人間関係。いやまあ根がそういうものだって知らしめるには良い作品のようだ。
    女性作家の作品はこういうところが恐ろしい。
    ミステリーとサスペンスの違いってなんだろうな。

  • ■魅惑の輝き
    切り詰めた生活でみすぼらしい恰好をして、サラ金から借金を繰り返してでも宝石を買い続ける買い物依存症の女性の話。ラストであんなことになっても宝石に陶酔する様子が恐ろしかった。

    ■彫刻する人
    彼女から冗談交じりに「富士山みたいな体型」と言われたのをきっかけにダイエットを決意し、いつの間にか肉体改造に夢中になってしまった男の話。見た目が変わると性格も変わることはあると思うが、悪い方に変わってしまうとこうなるのか。悪夢のようなオチ。

    ■忘れ物
    本書の中で最も面白かった。ミスリードによるどんでん返しがあるわけだが、私はかなり序盤で「読めたぞ、この課長はホモなんだな」となぜか思い込んでしまい、だいぶ先まで真相に気づかなかった。ミーティングの最中で包丁を研ぎ始めるとか怖すぎて、むしろホモであってほしかった。

    ■デジ・ボウイ
    成績優秀だが、血が通っていないのかと思うほどに淡白な従兄弟。この結末で良かったのだろうか……。取り返しがつかない。

    ■家族趣味
    大学を出てすぐに結婚し出産、若いうちに子育てを終え人生を謳歌する女の話。何も、浮気するだけが女の人生の輝きじゃなかろうに、アホすぎて同情する気にもならない。しかも、仕事が充実しているそうだけど、学校を出てから社会経験のない人をいきなり雇う会社なんてあるか?

  • 日常に潜む、こわい話。
    おもしろかったけど、団欒の方が好きかな。

  • 私には合いませんでした。

  • 『魅惑の輝き』とり付かれるのかなぁ
    『彫刻する人』タイトルがユニーク、そしてどこまでいっても彫刻
    『忘れ物』解説にあったように映画や漫画では無理ですね
    『デジ・ボウイ』解説の柴門ふみさんと同じく私も涙
    『家族趣味』家族のかかわり方を考えます

  • 彫刻する人>忘れ物>デジ・ボウイのつながりが秀逸。


    肉体トレーニングに潜む罠(ありそう)、
    出来る上司と優秀なリーダーに憧れる女子社員、
    クールというよりやる気のない友人のプレゼント。

    すべてがきちっと展開するのが、気持ちよい。
    この短編集も、なかなかの粒ぞろいです。

  • 「忘れ物」「デジ・ボウイ」の2編は恐ろしいながらもおもしろい。あとの3編はただただ恐ろしいと思いながら読みました。

  • たしかゾッとした話だった。

  • 短編集。初めての乃南作品。
    何かの事象を捉えるときに、ヒトの先入観が如何に強いものかと思い知らされる作品ばかりだった。

  • デジ・ボウイは、ラスト泣けます。

     喜怒哀楽という人間にとって大切な感情をあまり持たなかったのに、主人公によって少しは感情に変化が出てくるのかな?と思ったけど、あんな形でのラストは、辛すぎる・・。

  • ひょんな事から乃南著書ゲット~♪

    タイトル作含む5話を収録した短編集です↓
    1)魅惑の輝き
    2)彫刻する人
    3)忘れ物
    4)デジ・ボウイ
    5)家族趣味

    各話を通してのテーマは「没頭するあまり一線を越えた人々」でしょうか。「誰しもが犯罪者になれる、通常・異常のFine line」って感じでしょうか。(Fine Lineの上手い言い回しってなんだ?)
    前者のほうがいいな。やっぱりアイデアは一番最初に出た奴がベストだな。

    1)魅惑の輝き:宝石に魅入られて借金を重ねる、ちょっと頭のネジの飛んだ(言うならばさっこみたいな?)女の話。返済できなくても宝石のためにサラ金の自転車操業を繰り返して、いざピンチって言うときにたまたま襲われてたまたま殺してたまたま大金を見つけてまた宝石・・・って本当にネジ飛んでるな。
    2)彫刻する人:肉体改造に精を出す男の話。これは・・・わかる・・・気がする。楽しいよね、肉体改造。あー、人生一度でいいから腹を割りたい。トレーニング中って一つでもルーティーン落とすとかなり焦る。あれ、他人から見ると異常なんかな。部活人なら誰でも経験あると思うんだけどな。
    3)忘れ物:これは!!ま、言っちゃえば「救急病院に運ばれた子供を見て医者が一言:これは私の息子です!」の小説版なんですが、いやー、短編だからこその情報の欠如をうまく使っている!まいった!
    4)デジ・ボウイ:最後の手紙はマジで泣ける。やらしい話をしちゃえば、この後の家族関係とか、慰謝料とか、この男の子たちが築いたピュアな友情だの尊重だのを吹き飛ばす大人のいやらしい世界が待ってるんですが、そういうとこ省いてくれて感謝!男子同士の友情のみ描いてくれて感謝!こういう素直な感情とか、「世間一般」て言う物差しをあてられていない独特の意見とか、やっぱいいよね、子供って。
    5)家族趣味:主人公の最初のほうの一言、「女はいずれ出産するのだから、健康の内に出産し、早く子育てを終え自由の身になりたい」、はちょっと衝撃でした。かと言って彼女のように30後半でもバリバリ浮気できる自信は皆無ですが。それから読んでる途中で旦那と息子が入れ替わって「えっ!?」っと思ったけど、結局それに関するトリックなし。がっかり。自分の読み間違いかー。

    本当に話が良かったのか、自分の青春中男子大好きパワー炸裂なのか、「デジ・ボウイ」が一番好きです。
    ただね~、短編集の上手さとしては「忘れ物」がダントツベストですね!
    それから「彫刻する人」に感化されて昨日から起きがけに腹筋腕立て始めました。いつまで続くのやら・・・

    そういう意味ではかなりいい部類の短編集に入るのかと。
    そういえば「うまいっ!」って短編集はなかなか出会えないから本当幸運だったな。ありがとうっ!いちろー!!

  • 再読。短編集
    やはり宝石に魅せられた女性を描いた「魅惑の輝き」が一番面白かった。
    どの話も破滅に向かっていくのだが、それほど後味が悪くないのが不思議だ。

    2011.03.02 
    再読。
    どの作品も面白い。
    「魅惑の輝き」を読むと宝石が欲しくなる、宝石に取り憑かれた気持ちってわかるなあ。

  • ◆魅惑の輝き・・・借金を重ねてでも、みすぼらしい格好をしていても、高価な宝石だけは買わずにはいられない有理子。そしてついに彼女は決して使ってはいけないお金で・・・。
    ◆彫刻する人・・・恋人のある一言から肉体改造に目覚めた恒春は、やがて鏡の前で自分の身体に見惚れるようになり、もっともっと筋肉をつけなければと思うようになっていった。
    ◆忘れ物・・・憧れの本橋課長はなんだか最近一段と輝いて見えるが、それは有能な部下がやってきたからなのか?
    ◆デジ・ボウイ・・・いとこの彰文はまるで人間らしい感情がないらしく、全てにおいて冷めている。直樹はそんな彰文が全く理解できず、身内の危険にすら動じない彰文についにキレた。
    ◆家族趣味・・・お互いを名前で呼び合い、それぞれの意志を尊重し、同じ家に住んではいるが全く別々の生活をしている亮(夫)、私、浩嗣(息子)。この家族の形は大成功だ、自慢だと思っていたのに・・・。

    以上5編の短編集。どれも日常生活で少しいきすぎてしまった人々の話。

    ◆デジ・ボウイ・・・まさかこんな結末だとは。途中までは直樹の考えや怒りはもっともで、彰文に向けての発言も、それくらい言ってやってもいいのではぐらいに思っていた。しかしながら、やっぱり言葉はナイフで、直樹の一言は確実に彰文を貫いていたのだ。ラストの手紙がまた、心に突き刺さる。

  • デジ・ボウイのラストで泣けた。

  • 途中ぐらいから
    「これ昔読んだな」と気づきました(汗)
    でも最後までまた引きずられるように読み進めてしまいました。

    すべて怖い短編集なのですが
    【魅惑の輝き】は
    自分の収入とは見合わない値段の宝石に見せられて
    借金を重ねていく女の破滅話。

    特にこれは怖かったなぁ。

  • 及南アサさんの作品はオオカミ犬の「白い牙」が好きで、いいな~と思っていたのですが、他の作品は読んだことがありませんでした。
    今回読んだ短編集はどれもぞっとするほど、人間の内面が抉り出されていて、ちょっと林真理子さんと通ずるものを感じてしまいました。
    他の作品も読んでみようと、ふと思いました。

  • そこそこ出世した旦那に健康な息子を持ち、
    仕事も順調にこなす奔放な女性。
    すべては趣味と言い切りながら、
    次々に年下の男性との不倫関係を重ねてゆく表題作。

    すべてが思い通りにうまくいっていると感じ、
    自分は自分で楽しく過ごして誰にも迷惑かけてないじゃない、
    それぞれが自立した家族でいいじゃない、
    というスタンスが少々自分の価値観と通ずるところがあり、
    衝撃の結末に恐ろしくなってしまった。
    実は家族には心のつながりがなかったことを突きつけられショックを受けたとき
    結局年下の男に走って気を紛らわすなんて。
    端から見ているとその情けなさが分かるのに、
    自分にもそういった要素が潜んでいるのは間違いなく。
    振り返ると恥ずかしい自分がいる。自分を律することって大切だ。

    ほか、宝石にとり憑かれた女の破滅的生活を追う「魅惑の輝き」、
    少年の底知れぬ不可解さを描いた「デジ・ボウイ」など、短編が5作。
    日常を過ごすなかで、いつ道を外れるかわからない裏表の恐怖がにじみ出ていた作品だった。

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