花盗人 (新潮文庫)

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著者 : 乃南アサ
  • 新潮社 (1998年3月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101425160

花盗人 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 裏表紙の内容紹介によると「乃南アサの幅広い作風が楽しめる」とあるが、どれも似たような話ばかりでまったく幅広くない気がした。ガーッと一気読みしたいという要望には応えてくれる。

    おもしろくなかったわけではない。はるか遠い少女時代に新井素子の『ひとめあなたに…』を通ってきたオバチャンには、今さら感が大きかっただけだ。ただ、『ひとめあなたに…』がファンタジー系だったのに対して(わたしの記憶が確かならば)、こちらが扱うテーマはより現実的で人物の心の動きに主眼が置かれている。感情のほころびを突いて日常に忍び寄る悪夢、とでも言おうか。

    読み方に左右される作品なのかもしれない。要は好みの問題。年齢と世代によっても評価がわかれそう。

  • ゾクゾクするような真相の「愛情弁当」と、過去と現在の自制が交錯するトリッキーな「最後の花束」が好き。「花盗人」のオチは、これでどうしようもない夫と離れるきっかけになったのでは、と思ってしまう。

  • (収録作品)寝言/薬缶/向日葵/愛情弁当/今夜も笑っている/他人の背広/留守番電話/脱出/最後の花束/花盗人

  •  うっ、そうくるか?! な短編集。
     結構好きだ。

  • 名前には見覚えがあって、でも初めて読んだ作家さんの短編集だった。直木賞作家さんでした。テーマと切り口が斬新で、10編それぞれに「えっ」と思わせる意外性があり、面白かった。受賞作も読んでみようと思う。

  • 短編だけれど一話一話がしっかり作られていて読み応えあり(^ω^)

  • いつ読んだか、内容もわすれた・・・

  • 花をモチーフにした短編集。
    救いのない話が多い。

  • 10話が収録された短編集。
    どの話も何気なく始まり、重苦しく暗い展開になり、ラストは恐怖や悲劇で終わる、というパターンの話になっています。
    正直、後味は良くありません。
    でもどの話も登場人物の心情が理解できるし、中にはちょっと意外なラストのものもありました。

    表題作の「花盗人」と最初の話「薬缶」はちょっとストーリーが共通しています。
    どちらも、家事もしなければ自分の事すらちゃんとしない夫に疲弊する妻の話。
    違いはその夫に対する怒りがどこに向かうかの差。
    「花盗人」というタイトルがきいてると思います。
    花盗人って罪に問われないんですよね・・・。
    「あなたが私にくれたものは、あの桜の小枝だけ。あなたが盗っていったのは、私のすべて-」
    とこの話の説明として、本の裏に書かれていますが、結局恋愛も結婚も強制されたものでない限りは自己責任なんだから・・・。
    そう思うと、自分自身、苦い思いになりました。
    それと「薬缶」の方は季節がきいていると思います。
    普段だと許せることも「暑さ」が普通でない気分を誘発させる。
    普段は心の奥底に横たわる凶暴な思い・・・。
    それを誘発させるのに、暑さ、特に疲れきって料理を作っている時の暑さは十分理由になると思います。
    これはほとんど同じ話を他にも見たことがあります。
    あれも作者は女性だった。
    女性だからこそ、描ける話なのかもしれない。

    他に印象的だった話は、
    「愛情弁当」
    ゴミの捨て方も知らないような世間知らずで頼りない男性が東京で一人暮らしをしている。
    彼のもとには毎日、料亭をしている実家から「愛情弁当」が届く。
    その「愛情弁当」の本当の意味は-。

    「脱出」
    女房とその愛人に殴られて、どこか暗い所に閉じ込められている男。
    この話はその男の独白によりなりたっている。
    次第に当時の記憶が戻っていく男に待ち受ける結末は-。

    「最後の花束」
    高校を中退して東京に飛び出した少年。
    そこで同じような境遇の少女と出会い、愛し合うようになるが、少年と同居していた性質の悪い男が少女に懸想し、衝撃的な事件が起きる。
    少年は実家に帰り全てを忘れて出直した。
    それと別に、結婚を目前に控えたフラワーデザイナーの女性の話。
    結婚を目前に、何故か彼女のもとに「素敵な貴男へ」というプレゼントが届くようになる。
    趣味の悪いプレゼントの数々は段々と悪意を感じるような物になって-。
    どちらも結末は思いがけないものでした。

    どうでもいい話ですが、解説によると、この短編集は「短編集の書き方」のテクストとして使われたそうです。
    それだけ本格的でちゃんとした本だという事だと思います。

  • 短いものは10ページ程度で終わってしまう短編集。
    その後どうなったの!? という所で終わっているの多数で
    想像するのが『苦しい』です。

    2番目の話の『寝言』は、一体どうしたかったのか、と。
    その状態で別れたら、それはそれで酷い人、みたいな感じがしますが
    男性側女性側、としたらそうでもないのでしょうか?
    しかし疑いでそうなってるわけですし、いいのか??

    一番怖かったのは『脱出』ですか?
    この後の人生が怖い。
    しかし中に入っていた時の事は忘れていってしまう、とも言います。
    いやでも何かの拍子に…と思うと怖いです。

    そして別の意味で怖いのが、表題。
    子供も夫も妻も、甘やかしすぎたら何もできないただの邪魔物件。
    まだ子供の方が、引き取り手に渡った場合どうにかなりそうですが。

    人間って怖いです。

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