女刑事音道貴子 花散る頃の殺人 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101425214

感想・レビュー・書評

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  • 『凍える牙』の音道貴子のシリーズ化。

    巻末に収録された作家と登場人物の架空対談が要らない。
    でも収録作品は面白かったです。

    乃南アサの作品で良いなーと思うところは、
    人間が簡単に善悪で分かれていないところかな。
    まあ悪人は悪人なわけだけど。

    私が一番いいなあと思ったのはタイトル作品の『花散る頃の殺人』。
    静かに切ない。
    乃南アサは救いのない世界をさりげなく描くことが多い(気がする)けど、
    この一編は切なさの中にまだなにか温かいものを感じる。

    ・あなたの匂い
    ・冬の軋み
    ・花散る頃の殺人
    ・長屋
    ・茶碗酒
    ・雛の夜

  • ”音道の日常”的刑事小説。
    表題作に加え、「あなたの匂い」「冬の軋み」「長夜」「茶碗酒」「雛の夜」が収録されている。

    短編の面白さというより、音道シリーズ2作目ということで、『凍える牙』で見せた音道とは違った彼女の一面を紹介するような小説になっていると思った。
    もし順番(発表順)に読んでいたら、次の長編の見方、楽しみ方がちょっと違ったろうな〜、とちょっと悔しかった(笑)
    短編は楽しみ方が不慣れでほとんど読まない私だが、こちらは難解な部分もなく、文章も読みやすく、音道シリーズ好きの自分には非常に楽しめた。
    一番気に入った話は最後の「雛の夜」。
    多くの小説でネタにされてきた”援交”がとても新鮮に描かれており、締め方が今作で唯一気に入った作品だった。

    巻末には乃南氏と滝沢の架空対談なんかも集録されていて、遊び心に富んでいる。
    収録されている「茶碗酒」では滝沢目線で書かれているのだが、滝沢好きにはたまらない、彼の相変わらずさ(ほめ言葉である)を堪能できて、それもまた楽しい。

    この一冊で随分音道貴子という人間に歩み寄れた気がする。
    ただやっぱり物足りないかなあ、などと思ってしまう。
    音道シリーズはやっぱり長編が好きなおれでした。

  • すらすら読めて面白かった♪短編集は好きなので嬉しかったです。

  • 凍える牙の音道刑事のスピンオフ短編集。
    表題の話は泣けた。おじいちゃんおばあちゃんネタに弱いです。

  • 警察官だけど、やっぱり女性だなと思わせる部分も持っている音道刑事。今回はさまざまな種類の事件が題材となっていて、楽しめました。

  • <span style="color:rgb(255,102,51);">【『凍える牙』で、読者に熱い共感を与えた女性刑事・音道貴子。彼女を主人公にした初の短編集。貴子自身がゴミ漁りストーカーに狙われて、気味悪い日々を過ごす「あなたの匂い」。ビジネスホテルで無理心中した老夫婦の、つらい過去を辿る表題作など6編。家族や自分の将来に不安を抱きつつも、捜査に追われる貴子の日常が細やかに描かれる。特別付録に「滝沢刑事と著者の架空対談」。】
    </span>

  • 2007.08.凍える牙の主人公である女刑事の音道貴子の物語り.6部の短編集.全然、凍える牙の方が良かった.

  • 「凍える牙」で活躍した刑事、音道を主人公とする短編連作集。凄いヒーローと言う訳でもなく、女性だから悩んでいる事もあるし、かなり等身大の30代のワーキングウーマンと言う感じ。私は好きです。最後の特別付録、「滝沢刑事と著者の架空対談」が良かった。読んでいない方は「凍える牙」から読んで下さい。

  • 凍える牙読んでさらに感情移入できます。

  • 音道貴子が活躍するシリーズの短編集。

    この作品は、犯罪や謎解きよりも、短編の特性をうまく活かして、主人公の日常を描いた作品だと言えるのではないでしょうか。

    「凍える牙」のような緊迫感はないのですが、音道ファンには、好感を持って迎えられるでしょう。
    また、これからこのシリーズを読もうと思っている方にも、お薦めできます。

    特別付録の架空対談も、笑えます!

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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