ボクの町 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (516ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101425221

感想・レビュー・書評

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  • 新人、見習いの頃って聖大みたいな事、よくあったなぁ〜と思う。
    若さ故の、根拠のない自信やらプライドやらで聖大がジタバタもがいているところが面白くもなんだか切なかった。

    カッコいい警察ものは違って、いい事ばかりではないお巡りさんの地味でハードな仕事も改めて分かって…身近なお巡りさん、ありがとうございます。という気持ちになった。

  • とても素敵な本でした!!
    乃南アサさんの推理小説(刑事もの)は読んだことありましたが、これはまた一味違った作品でした。
    何度でも読み直して、主人公の聖大くんや同期の三浦くん、上司や小桜さんたちに会いたくなりました。

    新社会人の戸惑いや葛藤、成長がとても丁寧に描かれていて、しみじみと胸に染み渡りました。
    そして、何より聖大くんが魅力的!!確かに『問題児』ではありますが、嫌な奴ではまったくない…むしろ人としての魅力が溢れてる!!と思いました。
    『魅力』というと異性間の感情の言葉としてよく使いますが、小説を楽しむうえでの『魅力』はまた違うものだと思っています。この主人公の魅力は小説をより輝かせてると思います。
    警察官としての物語、聖大くんの成長物語、これからも読んで楽しみたいです。

  • 仕事との向き合い方に悩んでばかり、自分の力量を超えることばかり、大変で苦しい事ばかり。だからこそ存在意義があって、お給料をいただいている。そこに、使命感が生まれるっていうお話しだったけど、自分はとてもそこまでの境地に至っていない。あと定年まで約5年。悩みながら頑張ろう。

  • この本が本当に大好きで何回も読んでいます。
    主人公の心境が鮮やかに描かれていて、心地よいというか、引き込まれてしまいます。
    読み終わった後は登場人物ロスになります。

  • シリーズあるなら読みたい!読んでると途中で「これって坂本司だったっけ?」って思うことしばしばだったけど。良い世界でした!

  • 佐々木譲や、横山秀夫の警察小説とは、違った新米警察官の成長物語。今風で、ドジな主人公が失敗を繰り返しながらも、なんとか頑張っている姿をさわやかに描いて、楽しく読むことができた。こういった地域課の‘お巡りさん’が頑張っているから、日本の治安が守られているのだと、改めて思う。



  • この小説に登場する主人公の高木聖大は、警察官らしからぬ言動。

    面倒くさいことは嫌い。自転車のカギを無くした高校生に暴言を吐かれ、逆ギレしてしまう。

    しかし、まっすぐであり憎めない性格。

    失敗だらけの毎日からも、日々成長しているのがわかるから、周りも彼を見捨てることは無い。

    彼の5年後、10年後が楽しみになってくる。

    (実際、続編である「駆け込み交番」という作品もあるようだが)



    しかし、よく考えてみると実際の警察官が聖大のようだったら・・

    やはり「おいおい、おまわりさん!しっかりやってくれよ!」とクレームの一つも言いたくなるかな(笑)

  • 霞台駅前交番に巡査見習いとして赴任した主人公。今どきの若者でドジで少し生意気。警察官になろうとした動機も不純で目標もない。そんな主人公がある事件をきっかけに職務に目覚め成長していく。軽く読めました。

  • 面白かったけど主人公が最後まで好きになれなかった

  •  高木聖大という警察学校の卒業配置として警察署に配属された人物が主人公の一種の成長物語。
     特に正義感もなく、なんとなくお仕事として警察に入ったという感じで、お調子者でいろいろやらかしてしまうのだが、何となく憎めないヤツ。別の交番に配属された正義感あふれる同期の三浦と手柄を競い合いながら、少しずつ成長していく姿が描かれている。3歩進んで2歩下がる、時には1歩進んで2歩下がることもあったりするのだが、人間臭さが全面に溢れている。
     最後は大きな事件が起こるのだが、それまでは小さな事件はあるものの全体的にほのぼのした感じで話が進んでいく。
     舞台は警察だが、警察小説の緊迫感やスピード感とは無縁とも言える。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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