行きつ戻りつ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101425245

感想・レビュー・書評

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  • 短編は苦手なんですが、これはなんだか良かった。

    なんだろか?
    別に何があるってわけでもないのだが。

    それぞれ抱えながら旅に出る女性達の物語です。
    義母、旦那、愛人、子供、友人…
    日常どこにでも落ちているような単純なストーリーですが…
    読んだ後少し前向きになれる話ばかりでした。

    旅はいいな。
    私も早く旅がしたいです。

  • 日本全国各地を舞台にした家族の物語。短編なのに色んな感情それぞれ湧いて読後は自分が旅に行ったような気持ちにさえなった。それぞれの感想はあとがきとまるで一致していたことにも驚いた。

  • 旅の情景と主婦の心模様を描いた短編12作。

    ・姑の写真(秋田・男鹿)
    ・一粒の真珠(熊本・天草)
    ・微笑む女(北海道・斜里町)
    ・最後の嘘(大阪・富田林)
    ・青年のお礼(新潟・佐渡)
    ・母の家出(山梨・上九一色村)
    ・湯飲み茶椀(岡山・備前)
    ・姉と妹(福島・三春)
    ・Eメール(山口・柳井)
    ・越前海岸(福井・越前町)
    ・泣き虫(三重・熊野)
    ・春の便り(高知・高知市)
    ・解説 立松和平

    全て主婦が主人公で、妬み、嫉み、後悔、悲壮、喜び、怒りと様々な感情を抱え、その地を訪れ、情景に癒され、あるいは改心し、情を深くする。

    旅の一面を切り取った作品。

  • 読む前にざっと内容を見たところ、観光地を紹介しながらの三十ページくらいの短編だった。
    読み始めは、それぞれドラマがあるものの、特別面白い感じはしなくてもしょうがないから、さっさと終えようと思っていた。
    「姉と妹(福島・三春)」を読み終え、印象ががらりと変わった。これだけのページ数で各地を紹介しながら、ここまで書けるなんて、やっぱすごい。

  • 家庭に問題を抱えた12人の妻たちが旅に出る短編集。
    それぞれが、旅先で出会う人や風景に癒されていく。
    そこには温かさがある。
    読んでいる側にも温かさや旅に出る良さが伝わってくるよう。

    2017.10.14

  •  全体に日常の香りがして、ミセス雑誌に載せるに相応しい内容だった。
     全然完璧じゃない主人公たち。雑誌に出てくるような、美しく快活でお洒落で中身まで出来上がっているかのような人物じゃない。
     不器用で欠点があって少なからず自分が大切でしかたがない、読者と変わらない人たち。
     しかし、主人公たちは、しっかりと、その土地土地の自然から、何かを学ぼうとし、得ようとする。それがストレートにプラスなものでなくとも、回り回って主人公たちに学びや気付きを与える。
     この12の物語から、自然やその土地に根付く風土や空気の尊さ、大切さを知る。

     この方の本を初めて読んだけれど、風景描写が穏やかで、サスペンスなども書いている方だなんて意外だな。

  • 思いがけず後味の良い話が多かった。陶芸家の話と、家出する息子の話が好み。

  • いろいろな事情を抱えた女性たちの旅をテーマにした12の短編集。短編集はとても読みやすいけれど、ひとつひとつの話が面白いので、もう少し続きを読みたかった。読後感もすっきり。

  • 読み終わったあと、自分が結婚して30代40代になった時、どんな人生を送っているんだろうと考えてしまった。

  • 旅にいきたーーーい。

    山口の話がすき。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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