行きつ戻りつ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101425245

感想・レビュー・書評

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  • 短編は苦手なんですが、これはなんだか良かった。

    なんだろか?
    別に何があるってわけでもないのだが。

    それぞれ抱えながら旅に出る女性達の物語です。
    義母、旦那、愛人、子供、友人…
    日常どこにでも落ちているような単純なストーリーですが…
    読んだ後少し前向きになれる話ばかりでした。

    旅はいいな。
    私も早く旅がしたいです。

  • 日本全国各地を舞台にした家族の物語。短編なのに色んな感情それぞれ湧いて読後は自分が旅に行ったような気持ちにさえなった。それぞれの感想はあとがきとまるで一致していたことにも驚いた。

  • 旅の情景と主婦の心模様を描いた短編12作。

    ・姑の写真(秋田・男鹿)
    ・一粒の真珠(熊本・天草)
    ・微笑む女(北海道・斜里町)
    ・最後の嘘(大阪・富田林)
    ・青年のお礼(新潟・佐渡)
    ・母の家出(山梨・上九一色村)
    ・湯飲み茶椀(岡山・備前)
    ・姉と妹(福島・三春)
    ・Eメール(山口・柳井)
    ・越前海岸(福井・越前町)
    ・泣き虫(三重・熊野)
    ・春の便り(高知・高知市)
    ・解説 立松和平

    全て主婦が主人公で、妬み、嫉み、後悔、悲壮、喜び、怒りと様々な感情を抱え、その地を訪れ、情景に癒され、あるいは改心し、情を深くする。

    旅の一面を切り取った作品。

  • 読む前にざっと内容を見たところ、観光地を紹介しながらの三十ページくらいの短編だった。
    読み始めは、それぞれドラマがあるものの、特別面白い感じはしなくてもしょうがないから、さっさと終えようと思っていた。
    「姉と妹(福島・三春)」を読み終え、印象ががらりと変わった。これだけのページ数で各地を紹介しながら、ここまで書けるなんて、やっぱすごい。

  • 家庭に問題を抱えた12人の妻たちが旅に出る短編集。
    それぞれが、旅先で出会う人や風景に癒されていく。
    そこには温かさがある。
    読んでいる側にも温かさや旅に出る良さが伝わってくるよう。

    2017.10.14

  •  全体に日常の香りがして、ミセス雑誌に載せるに相応しい内容だった。
     全然完璧じゃない主人公たち。雑誌に出てくるような、美しく快活でお洒落で中身まで出来上がっているかのような人物じゃない。
     不器用で欠点があって少なからず自分が大切でしかたがない、読者と変わらない人たち。
     しかし、主人公たちは、しっかりと、その土地土地の自然から、何かを学ぼうとし、得ようとする。それがストレートにプラスなものでなくとも、回り回って主人公たちに学びや気付きを与える。
     この12の物語から、自然やその土地に根付く風土や空気の尊さ、大切さを知る。

     この方の本を初めて読んだけれど、風景描写が穏やかで、サスペンスなども書いている方だなんて意外だな。

  • 思いがけず後味の良い話が多かった。陶芸家の話と、家出する息子の話が好み。

  • いろいろな事情を抱えた女性たちの旅をテーマにした12の短編集。短編集はとても読みやすいけれど、ひとつひとつの話が面白いので、もう少し続きを読みたかった。読後感もすっきり。

  • 読み終わったあと、自分が結婚して30代40代になった時、どんな人生を送っているんだろうと考えてしまった。

  • 旅にいきたーーーい。

    山口の話がすき。

  • 日本各地を舞台とした短編集として、出版編集された文庫本。

    が、読み始めて気づいたのですが、乃南アサの他の短編集にも所収されている作品ばかりでした・・・。
    再度、全作品、読み通しましたが。

  • 日本各地を舞台にした短編集。

    風景描写が素晴らしい。
    どれも読んでいるうちに何となく風景が目に浮かんできた。
    12話の内、「一粒の真珠」という話が心に残った。

    秋田の男鹿を舞台にした、突然亡くなった姑の故郷の地を訪れる嫁の話。
    北海道の斜里町を舞台にした夫の不倫相手を訪ねる妻の話。
    佐渡を舞台にした子供を亡くした主人公とヒッチハイクの青年のお話。
    など、どれもその土地のことを主題に書いてないけど、その土地がぴったり合うというお話になっている。

  • 読む年齢によって感じかたが違ってくるかも。

  • あとがきの
    「人は漫然と旅行しているのではない。さまざま事情を抱え、一生懸命に旅をつづけているのである。」
    という一文がこの本の全てだと思う。

  • 旅をテーマにした短編が12。
    ずっと前に読んだ時には、当時ドキッとするお話や、じんわりするものもあったのですが、何年かたって読み返すとまったくちがう感想を持ちました。
    若い人より・・・私くらい・・・もう、冒険とか恋愛とか、遠くなってしまった世代が共感する本かも、です。

    家族を大事にしよう、と思いました。

  • 家庭の中の様々な悩みや葛藤を抱えた主婦たちが何かを変えるために旅に出る。
    12の短編集。

    私にしては非常に珍しく、乃南さんの本なのに退屈でした。

  • 10/08/31 主婦が旅をする。女になって、少女になって・・・。

  • 旅先の景色を眺めながら、悩みと向き合う女性たちの短編集。
    ひとり旅したら気持ちに整理がついたわって感じで、現実には大きな変化もなく淡々と悩みが解決する。主婦の諦め?
    乃南さんの他の作品に比べると少し雰囲気がジメっとしている気がする。

  • 12人の主人公『彼女』の旅を描いた短編集。
    何らかの苦悩を抱えた彼女らは、旅先で何かを得たり捨てたりする。

    過去を振り返り
    立ち止まって
    現在を見つめ
    行きつ戻りつ。


    あたし自身の旅行の一冊になりました。

  • 誰にも言えない妻の悩み
    そんな悩みを抱えた妻が旅をするとき・・・

    「旅」をテーマにした短編集
    悩み、苦しみながら旅に出、心が前を向いていく。
    紀行小説ともいえるような各地の描写も素敵です

  • ◆あらすじ◆
    どこの家庭でもありそうな、でも他人には言えない妻の悩み───夫との冷え切った関係、姑との対立、病死した一人息子への想い、受験生を抱えるつらさ、あるいは生活費の工面や、男友達との密会だったり……。
    それぞれに事情を抱えた妻たちは、何かを変えたくて旅に出た。
    新鮮な風景と語らいが、少しずつ彼女の強張った心を解きほぐす。
    切ないけど温かい、家族を見つめた物語集。

  • 内海隆一郎を読んでるかと勘違いしてしまいました。
    旅にまつわるちょとええ話。

  • やっぱり乃南アサはミステリーがいい。というよりはテーマが「中年女性」だったのがまったく物語りに入っていけなかった理由だろう。

  • 読んだあとすがすがしい気持ちになります

  • 少しずつ歪んでしまった人と人との関係を、優しく修復していく、修復されていく短編集。舞台となる街の描写も見事で、登場人物と一緒に旅をしている気分にもなれる。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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