涙 下巻 新潮文庫 の 9-16

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著者 : 乃南アサ
  • 新潮社 (2003年1月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (494ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101425269

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涙 下巻 新潮文庫 の 9-16の感想・レビュー・書評

  • 泣きました。
    上巻では見えなかった、登場人物の側面が見えてきて、萄子の奥田探しの旅も大スペクタクルとなり、一気に読んでしまいました。
    なんで、現代から始まったのかな?と思いましたが、現代で締めくくられ、実は、昭和の事件だけでもかなりの小説だったのに、そこにある現代がまた涙をさそう。
    今まで読んだ、乃南作品で一番良かった。

  • R様オススメ本下巻
    まあこんなひどい悪党がいたものだと、今更ながらにひどい事件だったと思わされる。

    まだ沖縄へ行くのにパスポートがいる時代のお話。
    下巻は一気に読ませる内容でした。
    すごく悲しいお話なのに、最後はじんわりときました。

  • 沖縄返還前の宮古島にて、再会した二人は・・・。

  • うちにあった本を再読。でも内容をすっかり忘れていたので、引き込まれて読みました。上下巻のけっこうなボリュームの長編。
    東京オリンピックの年、結婚を控えていた萄子の前から「もう会えない」という電話一本で突然姿を消した刑事の奥田。
    何があったのか、奥田はどこにいったのか、失意の中で奥田を追う萄子。川崎、熱海、焼津、田川。あちこちであと少しというところで会えない。
    そして最後にたどり着くのが宮古島。驚愕の真実が明かされる。
    萄子の気持ちが丁寧に描かれていて、引き込まれる。
    結末はつらい。どうしようもなかったのか、奥田の正義感が招いたことなのか、萄子も奥田も悪くないのに。刑事の韮山も印象的。萄子も奥田も韮山も被害者で犠牲者だ。やるせない。

  • 萄子よ、いや勝よ、日本中いろんなとこ行くなあと思いましたが、きっと乃南さんは、この当時の色んな日本を描きたかった、見せたかったのかな。
    まさに萄子と同世代の人なら懐かしさを感じるだろうし、知らない人なら賑わっていた熱海とか、パスポートが必要だった沖縄に旅行するとこんな感じだったんだということがわかるし。
    この当時の沖縄のことが書かれた本とか読みたくなりました。

    勝の話でなぜ姿を消したのかはわかったど、やっぱり誠意がなかったよなあ、という気持ちは拭えません。
    でも別れのシーンは切なくなりました。

    ここに出てくる中で誰の役をやりたいかといえば、断然淳です。性別違うけど。一番おいしい。

  •  年の瀬、萄子(とうこ)の家に、結婚して家を出た娘の真希がひょっこり帰って来ます。軽い調子で話していますが、夫に浮気され、実は相当傷ついているようです。結局、真希は3ヶ月後に離婚しますが、友達に誘われていった沖縄から、立ち直りを示唆する明るい便りが届き、萄子はほっとします。
     ただ、安堵する一方で、萄子は昔のことを思い出してしまいます。人との別れ、沖縄、これらは萄子には、できれば封印しておきたい凄絶な経験と結びついていました。

     「ごめん、もう、会えない」

     東京オリンピックの前日、婚約者であり、刑事の奥田勝は電話でそう告げて失踪。その後、奥田の先輩刑事の娘が惨殺死体で発見されます。萄子はわけがわからないまま、こんな状況に納得できず、彼を探す決心をします。
     世間知らずのお嬢さんだった萄子は、周囲の反対に耳を貸さず、わずかな手掛かりを頼りに、川崎、熱海、焼津、大阪等を探しまわり、最後に、当時まだアメリカ領の沖縄、宮古島にたどり着きます。
     東京オリンピックの頃の日本の空気がよくわかりますが、圧巻は、宮古島の台風の描写です。当時の記録を丹念に調べたのでしょう、まるでそこにいたかのように嵐の凶暴さを描く作者の筆力には脱帽です。こうした描写が、話しの進行に重みを与えているのだと思います。
     この本について、「私は泣けなかった」と書いている感想を見かけましたが、私はそもそも「泣きたい」と思って本を読むつもりはないので、そんなことはどうでもいいんです。面白かったです。いい時間が過ごせました。

     「一度、言い出したら聞かないじゃないか。本当に、お前によく似てる」
     「あなたって、本当に辛抱強い」

     プロローグに出てくる、萄子と、夫の淳とのやりとりですが、最後まで読むと、何気ないこの会話の深さがわかります。

  • ある日、突然愛する人と会えなくなる切なさ  恋人・親子 そんな事はあるはずがないと思っているから、唐突な別れに誰もが戸惑うのだろう。だからこそ、今の日常をだいじにせねば、と思う。次回東京オリンピックが騒がれている中、半世紀前の東京オリンピックを背景に事件は進むが、どちらの時代にも思いがある私が感慨深いものがあった

  • ハイスピードで読み終えました。
    辛い辛い毎日。ずーっと辛いばっかりで苦しいストーリーです。
    昔、まだ成人していない頃、好きだった人の住んでいるところにはるばる訪ねていったらすでに婚約者と一緒に暮らしてたという場面を思い出して本格的に息苦しくなりました。
    また、石垣で本格的な台風にあい、1日延泊してコテージに隔離された事、翌朝に軽トラックが仰向けになっていた事など思い出しました。
    この物語は結局、想像できないほど辛くても生きるという事を訴えたいのでしょうか。
    でも最初から最後まで辛いばっかりなんて、それじゃああんまりなので、なんとか楽しくなる様に頑張ろうと思います。

  • 思ったとおりの展開で驚きはなかった。
    それにしてもこの作家は、登場人物に好意を持っているのかな。魅力のある人物が少なすぎる。
    涙一滴も流れず。

  • 一本筋の通った主人公と婚約者。
    昭和の時代を感じます。
    人生ハプニングがあっても、自分の芯をきちんと持っていれば、ふと気がづいたとき助けてくれる人がそばにいてくれて、それなりに幸せに暮らしていいける。
    切ないけれど、希望も感じるお話でした。
    奥田の最後は悲しかったけど、それまでは幸せだったと思いたい。

  • 陶子は婚約者を追う。婚約者の刑事奥田勝は殺人現場から逃走した。

  • 結果が見え見えなものを追いかけて読み込む作業はしんどかったかな。
    ひとつの偶然から歯車が狂っていくことはあるかもしれないけれど、
    このお話は
    誰も救われない。
    虚しさだけが去来した。

  • 自分のことを愛してくれるが人いるのに、消えた男を親の金で長々とあちこち探す、いいご身分な主人公に感情移入が全く出来なかった…。
    知りたくても叶わないことを、受け入れなくてはいけない時もある。

  • この人の作品は好きじゃないけど、初めて泣けた。
    主人公がついに婚約者を見つけて、真実を知って、本当に別れる時、泣けた。婚約者との過ごした思い出と一緒に、その時の感触やその時のせつなさやその時の空気まで思い出す、あの感覚。この小説の主人公がどうとかいう感情ではなくて、自分の経験のその感覚を思い出して泣けた。あの時の、あの感覚は、もう、二度と手に入らないだろうと知って悲しかった。

  • 下巻になって面白くなってきた。
    萄子に終始共感、強くたくましい女性だと思う。
    親も知らなかった殺された刑事の娘の真の姿、婚約者の失踪した本当の理由など、人間を描いた作品。
    (図書館)

  • 萄子がこれだけ世間知らずで、頑固で、甘ったれたお嬢さんなのは、これはやはり乃南アサの作戦なのであって…。こんな娘さんだからこそ、川崎や熱海や九州の炭鉱町や、そして宮古島までも勝を追いかけて行くし、そこですっかり浮いてしまって自己嫌悪にも陥る。いく先々で出会う女性たちや、のぶ子とも、そして再会した勝とも違う人生を生きていくしかないことを、はっきり分からせる人物設定なのだと思った。読者である私は「こんなにまでして勝を追いかけて。周りに迷惑をかけて。淳を傷つけて。私ならこんなことはしない。」と思いながらも、結局はこの世界に引き込まれていくのだ。

  • 面白かった!婚約者の失踪、舞台が国内の様々な場所に飛ぶあたり、松本清張の作品を彷彿とさせるものがある。久々に大満足できた乃南作品。

  • 追い掛けて、追い掛けて、未練でなく。

    という、最後のおすぎさんによる解説の言葉がグッときた!

    物語の内容はあんまりグッと来なかった。
    「やはりそうであったか・・・に、してもだ」という感じです。あとさ、萄子以外の登場人物の女性がほぼ水商売って、これはいかに?

  • 先が気になって仕方なく、一気に読み終えました。
    ある事件をきっかけに失踪した婚約者を追い続ける萄子、時代背景は高度成長期、絵に描いたようなお嬢様暮らしの中では知りえなかったことを勝を追いながら経験していきます。戦後20年近くたっても、まだまだ日本には貧しさから脱却できていない部分があったことをあらためて感じました。
    それにしても勝には失望してしまいました。現実とは思えない事件に巻き込まれたとはいえ、自分も被害者といえるでしょう。そして、警察官であったからこそ、逃げずに正面から事件に向き合うべきだったのでは? まだ、もどかしさが抜けません。
    その後、萄子の夫となる淳もいい人ではありますが、勝の死を20年以上たってから告げるというのも、どうなのかとか、なんかすっきりしませんでした。
    読後感は晴れませんが、読み応えのある小説でした。当時の風景や、米国占領下の沖縄の描写も魅力的です。

  • 勝が何故全てを棄てなければならなかったか、正義感が強いが故に起こった出来事。
    現実世界でもここまではなくてもあるんだろうなと思ってしまう。
    しかし、大人しそうな母でも女なのである…ということか。

  • 救いがないけどぐいぐい引き込まれました。

  • ガッカリした…。

    最後までグイグイと引っ張られて目が離せないままだった文体は、さすが!と思えるが…。


    あまりに救いの無さすぎる、かつ、韮山の語りによって予想されていた通りの(マイナス要素のみ+αされた)結末と、追い討ちをかけるような後日談…。

    何か期待を裏切る新事実が出るかも?と思いつつ、遅々として明かされずに引っ張られてまくった真相が、“やっぱりね”な中身では…。

    淳の、全てを包み込む愛情と…
    老刑事によって救われた少女…“しか”得るものが無かった。

    乃南アサ作品でこんなにガッカリすることになろうとは…残念。

    決して、ハッピーエンド以外を認めないというわけではないが、これはあまりに非道すぎる…。

    ★2つ、4ポイント半。
    2012.12.25.書。



    ………てか、主人公、お嬢様(家が金持ち)過ぎ!!!

    仕事を辞めて2年超…。西へ東へ北へ南へ…、当時は今より高額だったであろう新幹線や飛行機まで使っての移動。その都度、宿舎で○週間単位の長逗留。短大出て数年働いただけの貯金で賄える出費じゃないよね…。

  • 東京オリンピックの警備をおこなう警察官の行方を、その婚約者がわずかな手がかりをもとに追いかけていく。苦しい、切ない、信じたい、そうした思いが伝わってくるストーリー展開。沖縄で嵐に見舞われたラストシーンは悲しくも美しい。

  • 何故彼は姿を消したのか?真実が知りたくて、次へ次へ。
    別れる時の空港の場面は、スクリーンに画が浮かぶ感じ。
    最後に勝の幸せな時が少しでも描かれれば良かったのに。
    なんだか悲しいなぁ・・・

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涙 下巻 新潮文庫 の 9-16の作品紹介

川崎、熱海、焼津、田川…わずかな手がかりをもとに、萄子は必死に婚約者の跡を追った。やがて捜査から、ある男が重要人物として浮上するが、勝が逃亡する理由は不明のまま。勝への思いが消え入りそうな萄子だったが、当時米領の沖縄・宮古島に彼がいる可能性を大阪で知る。島でわかった慟哭の真実とは?'60年代の出来事・風俗をちりばめ、男女の一途な愛を描いた傑作ミステリー。

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