涙 下巻 新潮文庫 の 9-16

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 99
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  • Amazon.co.jp ・本 (494ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101425269

感想・レビュー・書評

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  • 殺人現場から疾走した婚約者を探し全国を旅。長々と引っ張った割には驚きの真相も特になく、1960年代の日本の情景をただ描きたかっただけなんじゃないかと。上下巻に分ける必要はなかったですね

  • 上巻の前半読んでいるときは、どうも萄子のお嬢様特有のわがままさや自己中さが少し鼻について感情移入しにくかったが、婚約者の謎の闘争を調べていくうちに大人になる彼女にはひきこまれた。
    60年代の日本の描写もよく描かれており、その点でも興味深い。
    警察が追えてないのに素人がたどり着ける違和感はともかく、
    奥田の最後はなんともやるせない。
    切ない話だった。

  • 辻村さんらしい話。
    世間知らず、周りに無興味、だからこそ魅力的な人と、その人の感情的な部分が振り回す周りの人たちの話。
    イライラする可愛らしさと、対照的に、痛いほどわかる愚かな人間らしさ。

  • 2016.5.29

  • 思ったとおりの展開で驚きはなかった。
    それにしてもこの作家は、登場人物に好意を持っているのかな。魅力のある人物が少なすぎる。
    涙一滴も流れず。

  • 結果が見え見えなものを追いかけて読み込む作業はしんどかったかな。
    ひとつの偶然から歯車が狂っていくことはあるかもしれないけれど、
    このお話は
    誰も救われない。
    虚しさだけが去来した。

  • この人の作品は好きじゃないけど、初めて泣けた。
    主人公がついに婚約者を見つけて、真実を知って、本当に別れる時、泣けた。婚約者との過ごした思い出と一緒に、その時の感触やその時のせつなさやその時の空気まで思い出す、あの感覚。この小説の主人公がどうとかいう感情ではなくて、自分の経験のその感覚を思い出して泣けた。あの時の、あの感覚は、もう、二度と手に入らないだろうと知って悲しかった。

  • 追い掛けて、追い掛けて、未練でなく。

    という、最後のおすぎさんによる解説の言葉がグッときた!

    物語の内容はあんまりグッと来なかった。
    「やはりそうであったか・・・に、してもだ」という感じです。あとさ、萄子以外の登場人物の女性がほぼ水商売って、これはいかに?

  • 勝が何故全てを棄てなければならなかったか、正義感が強いが故に起こった出来事。
    現実世界でもここまではなくてもあるんだろうなと思ってしまう。
    しかし、大人しそうな母でも女なのである…ということか。

  • 失踪した婚約者を探す萄子、娘を殺害された元刑事・韮山のうつりゆく心理描写が上巻に引き続いてリアル。後半は心理描写よりも場景描写が強く、ロードムービーを見ているようでもあった。ラストシーンが印象的。名脇役の存在がきらりと光る一瞬。

著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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