パラダイス・サーティー〈上〉 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101425283

感想・レビュー・書評

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  • 下巻にまとめ。

  • 久しぶりの乃南アサ。以前読んでいたものの印象と違うイメージの表紙絵が気になり読んで見るとやっぱりと言う感じでした。少し暗いイメージのものが多いのかなと思っていましたが今回は恋愛サスペンス的な要素が強く読み始めたら辞められない、先が気になってしょうがないストーリーです。すかさず後編に行って来ます!

  • 30歳を目前にしたOL栗子は、ゲイで幼馴染の菜摘の経営するバーで、古窪という男性に惹かれ、結婚を夢見ながら深い付き合いになっていく。が、この古窪には秘められた何かが。一方、菜摘が求める意中の女性もバーの常連客ヤクザの女という一筋縄ではいかない相手。そして、下巻へと続く。

  • たまたま開いたら主人公が同い年だったから、かなり久々の乃南さん。
    不発弾を読んでぞくっとして以来。

    このギャップがおもしろい。
    乃南さんてこういうのも書くんだなと新発見。

  • とりあえず、上巻は最後に彼の秘密らしきものが発覚するけど、サスペンスっぽくはなく、普通の恋愛ものみたいな感じ。
    栗子が痛い……痛いから、29歳まで浮いた話もないということなのかもしれないけど。

  • 手作りのセーターって…
    若干の古さを感じつつ話は斬新というかオナベの菜摘の孤独さや、栗子のアラサーの焦りが今風でよい。
    上は出会い編という感じなのかな?
    下を読み終わるまでどういう展開になるかはわからないけどある程度見える感じはする。

  • 上下巻読了。感想は下巻で。

  • 30を前にした二人の同級生の話。
    1人は女らしさがかけている?恋と縁遠い生活を送ってきた栗子。
    もう一人は、おなべ。
    二人とも辛い恋をして、そして、立ち上がろうとするまでの話。

    栗子はとにかく、うっとうしい。上巻の139ページからのくだりは、かわいいと言えなくもないが、同じ女としてちょっとした鬱陶しさを感じてしまう。

    それにたいして、菜摘は、男であることを選んだだけあって、気性もさっぱりしており、菜摘の口から今は時間を、とかほっといてあげてと言われると、納得してしまう不思議な魅力がある。

    だから、自分の気持ちに精一杯で、周囲の人が、当時はね。。。と気持ちを伝えると、それに気付けなかった器の小さい自分を恥ずかしく思う栗子。
    嫌いだが、実に鏡のように、自己反省を促す存在。

  • 古窪さんが悪い人に思えてしかたない。

  • 清水美砂と石田ひかりのドラマあった

  • ヒロインの自己中っぷりに若干いらつくも、この素直さが
    魅力的な気もする。。オナベなのにゲイっていう菜摘の立ち位置が
    いまいちつかめないけど、友達ならヒロインももっと相手の心情を考えてほしいような。。

    ヒロインの恋はあやしい雲行き。

  • おもしろかった

  • 乃南アサは人の心情を書くのが上手いと思う。

  • 淡々と続く栗子の恋愛と、自分には縁のないオナベの人生を送る夏摘のアンバランスさが妙に合致している上巻でした。

  • 幼なじみの栗子とオナベの菜摘。栗子が29になる誕生日に家を飛び出し、菜摘の家で同居が始まった。
    そんな中、バーを経営する菜摘の常連客の小窪に、栗子は一目惚れ。そしてトントン拍子に付き合うことになる。
    だが、最初は何も言わなかった菜摘が小窪との中を反対し始める。その理由とは…

  • 30歳過ぎてから読んだけど、すっごーく共感!普通の女の子の心の揺らぎを、ちょっとしたスリル(事件に巻き込まれるとか)をからめながら書くのが、本当にうまいなあ、この人。

  • 10年前、10代で出会った本を読み返してみた。タイトルには『サーティ』とつくがその一歩手前の29歳のお話。10年前には考えもしなかったアラサーならではの悩みを抱えながら読んでみると違った味わいがありやはり面白かった。

    この小説で一番心地よいのはやはり主人公・栗子とその居候先の菜摘の不思議な関係性だ。29歳だというのに子供っぽく、どこまでも不器用な栗子と、オナベで格好よくて、でもちょっと格好つけな菜摘のキャラクターは素晴らしいし、2人の友情は何だかうらやましくなるほど。

  • 上・下巻

    30代を目前にしたOLとレズビアンがそれぞれの理想の恋人を求めて物語を展開させる。
    苦い恋を重ねることで更にいい女と男?に成長していく二人。
    やっぱり、こういう話はこの年代に読むべきなのかな?
    40代のおばさんにはちょっと物足りない?

  • 展開が面白くて、一気に読んでしまった。

  • 29歳女性に焦点を当てた、すごく等身大の小説だと思ったが、主人公に魅力は感じなかった。
    でも一つの恋愛と通じ主人公がすごく強く魅力的な女性になっていく姿はすごく良かった。やっぱり依存しすぎてはなんでもいけないし、すがるものを一つにするのは危険な事かもしれない。
    自分の気持ちに正直に、本能で行動し、後悔しない生き方をしたいな、と思った。

  • 【あらすじ】
    30を前にして家を出て新しい恋にのぼせ上がる栗子と、性同一障害である菜摘の奇妙な共同生活と友情を描く。


    それにしても乃南アサは性格に難がある女性を書くのがうまい。それも物語上「嫌なヤツ」という役割が与えられ、そのことがアピールされているキャラではなくて、素で依存心が強かったり、責任感が薄かったり、自分勝手なところがあったり、男にとって都合の良い女を受け入れてしまったり、自己評価が過剰に低かったりする女性だ。『パラダイス・サーティー』の栗子も一人称で書かれている部分を読むとそうでもないのだが、冷静に客観視するとその言動は結構イタいし。



    作者のこうしたある意味ではリアルな女性描写は、『女のとなり』に見られる やけに恵まれた友人関係と、作者の女性に対する粘っこい視線から生まれているのだろうと納得させられる。

  • 中学の同級生だった栗子と菜摘。
    栗子は、ごくごく普通のOL、30才目前の結婚予定なしの
    ちょっとふてくされた感じの、どちらかというと、「女女した女」

    菜摘は、幼い頃から自分の中の性同一障害に気がついていて
    20歳のときに、家族に打ち明け、カミングアウトとともに
    家から追い出され。
    わりと裕福な家庭に育った菜摘だったけれど、それからは
    「一人」で生きていくことに・・
    世間からは「オナベ」と呼ばれる世界
    レズビアンの世界、水商売で成功していく菜摘。
    それとは別に私生活では複雑な恋愛を繰り返し
    傷つくことの多かった菜摘。

    栗子だけは、女どうしでもなく、恋愛関係でもなく
    「友人」として、「幼馴染」として、自然に接することのできる
    唯一の人だった。
    その栗子は、菜摘の店の常連客だった通販会社の青年実業家社長
    古窪に出会い一目ぼれ。
    日増しに強くなっていく恋心。
    そして偶然の再会からデートに発展。
    みるみるうちに恋人に・・・・
    ところが、まるで結婚の話は出てこずに焦る栗子。
    菜摘も菜摘で、店の常連客だった酒癖の悪いオトコの妻に一目ぼれ。
    これが、ヤクザの妻だったりする。
    そんな二人の恋愛模様を描きながら、
    2つのストーリーが書かれているんだけど。
    私は、この菜摘の世界がとても面白かった。

  • 30歳を間近に控えた栗子と菜摘。
    中学時代からの友人のこの二人をとりまく愛憎事件の数々。読みやすい。
                 2007.8

  • 【2004.01】
    結婚願望の強い栗子、レズの菜摘2人を取り巻く世界。30歳を前にしたふたりのそれぞれの生き方を描く。まだ30歳には遠いけれど、歳を経ることは嫌なことばかりではないと思った。とても前向きになれる作品。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    薬品会社のOL栗子は、30歳を目前にして落ち込んでいた。職場はお局扱い、結婚見合いも断られ、家族も勝手気まま。とうとう家を出る。落ち着いた先は、幼なじみでレズビアン(オナベ)の菜摘の部屋。そんな栗子はある日、菜摘が経営するバーの常連客、古窪伸を紹介され、彼に一目惚れ。二人はやがて深い仲に。プロポーズを待ち望む栗子だが、どうも伸の態度が煮え切らない…。

  • 女も30近くなるといろいろ考えるのだね(しみじみ)。
    「もっと軽はずみになりたいなあ」に共感(笑)。

  • 栗子は幼すぎだろう…実際29歳でこんなに精神的に子供な人がいたら引きますね^^;最後に問題が起きましたが、どうなるのでしょう…。ところで栗子は、カバーの絵みたいにかわいいのだろうか?私のイメージとちょっと違う。

  • 30代楽しもうぜい

  • 小説をドカ読みするきっかけとなった一冊。微妙に感情移入しながら読めました。やっぱりアタシ、ゲイとかのお友達が欲しい。

  • 本当に精神的大人になる為の30歳前の女の心理を書いた恋愛成長小説。心のモヤモヤが吹き飛びます!

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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