ヒゲのウヰスキー誕生す (新潮文庫)

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著者 : 川又一英
  • 新潮社 (2014年7月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101428024

ヒゲのウヰスキー誕生す (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 朝ドラ「マッサン」のモデルともなった、
    竹鶴夫妻の生涯を追いかけたノンフィクション。

    “日本で本物のウイスキーを造る”、
    その想いだけでスコットランドに渡った、竹鶴氏。

    時代は大正、慣れない異国の地で、試行錯誤を重ねつつ、
    一つ一つ、ウイスキーの真髄を紐といていきます。

    帰国してからも、決して順風満帆なわけではなく、
    周囲の無理解や資金繰り、立地など、様々な困難にぶつかります。

     “一人前のウイスキー原酒に成長するまで、
      辛抱強くいとおしんでやること。”

    それでも決してあきらめることなく、プリンシプルも見失わずに、
    その夢は寿屋(現・サントリー)と、ニッカにて結実します。

    “酒”とはこんなにも慈しんで造るものなのか、
    なんて、『風のマジム』ともシンクロしながら、、

    あっという間に読んでしまいました、面白かったです。

    ウイスキー、ここ最近ご無沙汰でしたが、
    何かしら試してみようと、そんな風に感じた一冊です。

  • ニッカの創業者の生涯を小説形式で綴った物語。今期の朝ドラ主人公のモデルでもあるけれど、ドラマではさらりと描かれていたスコットランドでのウイスキー修業の描写が綿密で読み応えがありました。
    そして何と言ってもリタさん。この方の日本に骨を埋めた強靭な意志と、余市で沢庵漬けや塩辛造りまで覚えるに至ったど根性に裏打ちされた探求心にひたすら敬服するばかりです。
    マッサンとリタさんの生き方は決して器用とは言えないけれど、実りある生涯。つい楽な方に流れがちな自分をふと反省……。

  • 日本のウイスキー史、サントリーとニッカの因縁、ニッカの由来等、興味深く読みました。
    それに加えて、竹鶴政孝とその妻リタさんの絆を描かれているので、頭の中に鮮やかに竹鶴政孝の動く姿が浮かび上がります。
    ふと気付けば私も父と同じウイスキー党になっていましたが、父にこの本とニッカの“竹鶴”をプレゼントしようかな。

  • NHK朝ドラ「マッサン」を見てなかったので、本書でニッカウヰスキー誕生の経緯を初めて知った。ニッカはこれまでほとんど飲んだことがなかったが、これだけこだわり抜いて造られたウィスキーなら是非飲んでみたいと思う。ニッカっていう会社、商売っ気の塊のようなサントリーとは全く違うんだなぁ。
    竹鶴政孝氏の国産ウィスキー製造にかける執念は凄まじいが、リタ夫人の献身と苦労も並大抵でなかったんだろうなあ。朝ドラではどう描かれていたんだろうか?

  • ニッカウヰスキー創業者である竹鶴政孝の生涯を描いた作品。

  • 相当前に、竹鶴正孝の話を読んだのだが、なんという本だったか思い出せない。「ニッカ」が大日本果汁に由来しているのもその書物で知った。

  • 『ヒゲのウヰスキー誕生す』、いつの間にか復刊してゐましたね。たぶん、テレビドラマの「マッサン」に便乗したのでせう。わたくしは観てゐないけれど。強かな商策に眉を顰める人もゐませうが、何がきつかけであれ、好著が再び陽の目を見るのは良いことであります。

    国産ウィスキーの生みの親、竹鶴政孝の評伝小説であります。竹鶴は広島県竹原の造り酒屋の息子に生まれますが、自身は洋酒の方に興味があつたやうです。それで「摂津酒造」の阿部喜兵衛の門を叩きます。
    阿部社長は竹鶴の才能や情熱を見抜き、スコットランドへウィスキー留学をさせるのです。これが竹鶴の人生を変へたのですねえ。
    スコットランドでは、全く頼るツテもない状況で、自力で実習の交渉をしたりして、大奮闘であります。多くの成果を日本へ持ち帰るのですが、同時に日本に於けるウィスキーが、いかに酷い紛い物であるかを実感するのでした。
    そして、生涯の伴侶となる、エリー、ぢやなくてリタ夫人を伴ひ凱旋帰国いたします。

    ところが摂津酒造では、折からの大不況もあり、本格モルト・ウィスキーの醸造計画は役員の猛反対に遭ひ実現しません。これでは何のために留学したのか......失意の竹鶴は摂津酒造を去ります。
    ここで手を差し伸べたのが、寿屋の鳥居信治郎であります。竹鶴は大阪の山崎に工場を建て、いよいよ国産本格ウィスキーの醸造へと舵を切りますが......その後も困難は次から次へと押し寄せます。何しろ日本で初めての事をしてゐるのですからな。

    ここで関係ない話。山崎と言へば、JR東海道線に「山崎駅」、阪急京都線に「大山崎駅」があり、両線はこの近辺でクロスします。戦前の阪急は韋駄天を誇り、当時国鉄で唯一「超特急」を名乗つた「つばめ(燕)」を追い抜いた場所として語られてゐました。現在の阪急電鉄はJR西にやられて、ちよつと手緩い。当時の矜持といふものはちよつと見当りませんな。

    さて竹鶴は鳥居の下で、国産ウィスキー第一号を作るのですが、結局鳥居の「現実主義」とは相容れず、寿屋も去るのでした。そして、かねてより工場建設には最適の地として目を付けてゐた北海道の余市で「大日本果汁株式会社」、即ちニッカを立ち上げるのであります。
    勿論ここでも苦労の連続。しかし、この頑固者が志を曲げなかつたお陰で、現在わたくしどもは良質の国産ウィスキーを味はふことが出来るのです。
    そして妻・リタの存在が何と言つても大きいですな。彼女がゐなければ、竹鶴はここまで集中して仕事が出来なかつたことでせう。ウィスキー好きのわたくしとしては、この夫妻に感謝するところ大ですなあ。

    本書は読み易過ぎて、頁を捲る手も止まりません。早く読み終へるのが勿体なく、後半はあへてゆつくりと、味はふやうに読んだのであります。恰も美味いウィスキーを賞味するが如くに。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-603.html

  •  読後、とっぷりと飲りたくなる。山崎の成り立ち、余市蒸留所の誕生。さらにニッカとサントリー、そしてアサヒ麦酒との関係性がよくわかる。さらにさらに、蒸留の仕組みと、モルトとグレーンの違いも初めてわかった。
     やっぱりウイスキーはロマンだなー。マッサンの人生に敬意を表して、今宵は、竹鶴のボトルを買って帰宅。また、余市行きたい。

  • 「人生を懸けて何かを成し遂げる」
    ひとつひとつの決断を、エゴであろうとも全力に、前向きに、全ては国産本格ウイスキーの為に。自分の夢の為に。

    初めてのんだウイスキーは、コンビニのグレンウイスキーだった。ただの罰ゲーム用のお酒。そんな学生時代、ゼミの先生に連れていってもらった木屋町サンボアで、山崎18年をショットで飲む先生を見てかっこいいと思った。
    試しに無理してかった山崎12年を家で真似して飲んでみた。衝撃。
    ウイスキーと出会いもう10年。
    この時も今後お世話になるだろう樽がどこかで眠ってるのだろう。
    いまの日々の努力が、10年後、12年後、30年後に活きてくるはず。
    そんな人間同士の日々をヴァッティングしてボトリング、どこかのバーで花ひらく時を夢みて、1日1日を過ごして行きたいと思う。

  • これを読んで飲む、シードルの味はまた格別です。

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ヒゲのウヰスキー誕生す (新潮文庫)の作品紹介

いつの日か、この日本で本物のウイスキーを造る――。大正7年、ひとりの日本人青年が単身スコットランドに渡った。竹鶴政孝、24歳。異国の地で、ウイスキー造りを学ぶ彼は、やがて生涯の伴侶となる女性リタと出会う。周囲の反対を押し切って結婚した二人。竹鶴は度重なる苦難にも負けず夢を追い、リタは夫を支え続けた。“日本のウイスキーの父”の情熱と夫婦の絆を描く。増補新装版。

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