夕方らせん (新潮文庫 き 19-2)

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  • 新潮社
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感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101434223

感想・レビュー・書評

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  • 16の物語がつまった短編集。

    不思議なお話、ぞっとする話、きれいなお話・・・といろいろ楽しめる短編集でした。

    「夕方らせんに住む人々」が一番好きです。
    銀色さんの物語は静かな気持ちにさせてくれます。



  • 「若草のつむじ」「ウエタミ」が好きです。
    現実と幻想的な世界を違和感なく合わせて描いているので、短編集だけれど、すぐに一つ一つの物語の世界に入り込めます
    全ての物語が詩をうたっているかのような素敵な一冊です。

  • ものがたりのような詩が集まった本。
    最後の「夕方らせん」を読んだ最初の感想が
    良い匂いのしそうな文だなあ!というもの。
    落ち着きます。

  • 著者が詩集を出しブームになった頃、私はチラっと立ち読みしたけど手を出してはいけない世界だと思った。「ポエム」なんていらん。ペンネーム、「ぼく」という一人称、いちいち少女趣味。あーイヤだ、イヤだ。嫌悪。だからあの頃から一切読んでいなかった。
    そして月日は20年以上。私も変わっちまった。恥ずかしさに耐えられない時私は「僕」と書くようになった。そして著者の本を手に取った。さすがに詩集は気が引けたので短編小説。
    私が妄想する話と根底が同じような気がした。わたしに会った様な気がした。

  • 一人旅のような、自分だけのゆっくりとした時の流れを味わえる短編集。
    先のストーリーが気になる、といった作品ではなく、散文詩のような一つひとつのエピソードを、じっくり噛み締める読み方ができる。
    一番最後の「青い冬の空の旅」の一節が気に入った。


    「別れというのは、種から芽が出て、最初はくっついていた葉っぱが、二つの方向へのびていくようなもので、何も悲しくはないし、よく考えてみると下の方でつながってるんだから、自分が先の方だけにいるというふうに思わなければ、結局、最初からひとつだったんだってわかる。」

  • 小学生の頃親戚がくれた段ボールいっぱいの本の中に銀色夏生さんの詩集が入っててかなり影響を受けたものの、時と共に忘れていってウン十年ぶりに手にしたのがこの本でした。

    詩的でゆったりとしたお話がたくさん。
    特に「若草のつむじ」が大好きで、それだけ何度か読み返しました。全然悲しい話じゃないのにツンとくるくらい。
    生き方のヒントさえもらった気がします。

    またすぐ他の作品も読んでみるつもりです。

  • 小説と詩集の中間のような短編集。やわらかくて無味無臭のものを食べた気分。水ゼリーってこんな感じかな。
    「若草のつむじ」が好きかも。

  • 不思議な世界観。「ミタカくんと私」が好きなので手に取ってみた。たとえていうなら、銀色夏生さんの作品は午後の陽だまりのような雰囲気を持っていると思う。ぽかぽかとして、安心する。心の癒しになる文体だ。

  • 銀色夏生さんの本は初めて読みました。
    独特の世界観があって、好きな人は好きなんだろうな。
    短編がたくさん詰まっていて、詩集のような、不思議な話しが多いです。『ハーバービュー』と『若草のつむじ』が好きでした。



    森をぬけたところで
    道はいくつもに分かれた

    いつもこうだ
    いつも目の前には
    いくつもの分かれ道がある

    僕は君の手をつかみ
    どれを選んでも同じだねと言う
    君は小さくうなずいて
    道は関係ないよねと言う

  • とっても大事に書かれたんだなって伝わる一冊。読むと夕方らせんから帰ってこれなくなります。まあそれでもいいかなぁ。夏生さんの小説全部読んでみようと思いました。

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著者プロフィール

詩人・エッセイスト。作詞家としてデビュー。その後、詩人として数々のロングセラー詩集を発表。エッセイ・シリーズ「つれづれノート」が好評を得る。

「2023年 『退屈ピカリ つれづれノート43』 で使われていた紹介文から引用しています。」

銀色夏生の作品

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