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- Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101437118
感想・レビュー・書評
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もうずいぶん昔に読んだ本ですが、未だに人に
おすすめ本として紹介する事の多い作品です。
古代中国を舞台とした短編集で、
歴史(書)上の人物・逸話を題材にしていますが、
独自の解釈をふんだんに盛り込んだ、良質のファンタジーです。
有名ではなく、書店ではもう見かけませんが、
自信をもってお勧めできる作品の一つです。
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<お気に入りの話>
●表題作「博浪沙異聞」は、第15回歴史文学賞受賞作品。
秦の始皇帝暗殺に失敗した張良と、彼を助けた赤松子。
幽境で指す不思議な中国象棋に、張良は次第にのめりこんでいき・・。
●傾国の美女、晋の驪姫を題材にした「妖花秘聞」は、
"勝者の語る歴史"の出来上がる様を描いた作品です。
以前、「則天武后とその時代展」という展覧会に行きました。
残虐性ばかりが強調されてきた則天武后の、政治・経済・文化面での
業績を見直そう、というテーマを持っていました。
その時にも感じた事ですが、
善悪というのは、それを見る立場によって変わるもので、
時代によって色々な解釈があるというのは、とても興味深いです。
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