欲望 (新潮文庫)

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著者 : 小池真理子
  • 新潮社 (2000年3月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (493ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101440149

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欲望 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 古典的な香りが色濃く感じられる究極の恋愛小説。

    三島由紀夫に興味がなくても読める。

    主人公は図書館司書の類子。かつての同級生で、建築家の正巳。もう一人の同級生、阿佐緒。
    物語は三人を中心に進んで行く。

    それぞれが抱える心の闇は深くて重い。特に、建築家の正巳は事故により性的不能者である。

    色々な事件を織り交ぜながら、確実に死へ向かって行く者達。そこに行き着くまでの心理描写が細密。

    愛する者達を失っても、生き続けていかなければならない人間の静かな強さを感じさせるラスト。
    余韻が切ない。

  • 深い、時間の流れと因縁のようなものを感じた。
    三島由紀夫の作品を読んでみようと思った。

  • 恋愛小説は苦手なので、基本的には読まないのだけど、この小説は『この文庫が、すごい!』というムック本に紹介されており、「面白そうだな」と思い購入した。

    現実には体験出来ない恋愛が書かれていたのが、良かったのかもしれない。いっきに読めた。

    しかし、この登場人物みたいな男子とは恋愛したいとは、思わないな~(⌒-⌒; ) 色んな意味で…\(//∇//)\

    初めての恋愛小説がレベルの高いもので、良かった! これがきっかけになり、小池真理子の小説を読むようになった。早く、読めば良かった。
    次は直木賞受賞作の『恋』を読むぞ~!

  • 引用になりますが解説にて池上冬樹氏がこう綴っています。「とにかく本書は女性の官能の世界を激しくきらびやかに描いた作品である。<中略>三島文学を継承した、比類なき美しさをもつ現代文学の古典といっていいだろう。」
    私の感想を自分の言葉より端的に表現していますので感想として引用させていただきました。実に美しい物語だと思います。

  • 人を愛するときに、その人を形作っている要素が一つでも違っていたら、
    その人を愛したかどうかわからない。
    漠然とそんなことを感じた。
    主人公は、彼が性的不能でなければ、こんなに彼を愛したのだろうか。

    終盤の海でのシーンが印象的で、具体的に情景が浮かんできた。
    静かに訪れる、愛する人を失う悲しみ。

    読んだ後はしばらく余韻が消えず、ぼうっとしてしまった。

  • いつものことながら破滅的

    美しい人の脆さ

  • 恋、無伴奏に続き、欲望を読み終えて三部作を読破。
    最後の解説にもあったけど、文章がすぅっと入ってきて、ついついゆっくりと読みふけってしまうー、そんな作品でした。
    読み始めてからラストまで、とても濃密な時間を過ごした感じ。
    三部作のなかでは本作が一番好きかな。

  • どこまで純粋になれるか。次は三島に挑戦。

  • 感想を書くのが難しい。
    EDである男性をどう愛するのか、また自分がEDなら女性をどう愛せるのか。なんとかその壁を乗り越えられそうな、でもやっぱり乗り越えられなさそうなもどかしい感じがしました。

  • 小池真理子らしい、濃密な物語。
    阿佐緒の奔放さが切ない。能勢と主人公との交わりも、正己の秘密も。ぐいぐいと読ませるけれど、なんだか読後感はどっとくる感じ。

  • 三島由紀夫のオマージュ作品。
    図書館司書として働く類子は、かつて
    性的不能の青年、正巳に強く惹かれたいた。
    正巳が、幻想の様に美しい阿佐緒を求めていることを知っていて…

    因果の様に中学時代同級生だった三人は、
    互いの想いが複雑に絡まり合う。
    どんなに思っていても、体が結びつくことは
    無い正巳と類子。
    もしも、正巳が健康な青年であったら
    正巳は、阿佐緒を現実としての一人の女性として
    受け入れるだろうし、類子との関係ももっと
    あっさりしていただろうな~。

    阿佐緒は、袴田を父親の様に思い、妻として大事にされることを強く望んでいたのに
    美術品の様に美しさを鑑賞されるだけって悲しすぎる。

    自ら死を選んだ二人と残された人間は
    生きていかなきゃならないってことか。

  • 機能不全、肉欲、プラトニックラブ、三島由紀夫

  • 静かに引き込まれていった。なんというかこういう性的描写もあるのか。と思うような精神のエロスでした。

    インポになってしまったイケメンと繰り広げるなんとも複雑な恋愛小説なんだけど、特にどうってことないっちゃ、ない。ものすごい事件もないのに気がつくと周りの音が聞こえなくなるほどに本に取り込まれるような感覚。

    なんか、なんかわからないけど、不幸でも幸せでも懐かしくもないのに、なぜか目が離せない展開を繰り広げる主人公たち。

    なんだろう。なんだか性的な精神的な不思議な国のアリス感漂う、夢の中のの出来事のようなそんな一冊です。

    この人の小説。なんか気になる。

  • 決して叶えられることのない欲望を持つというのが、こんなにも切なく悲しいものだとは。
    それなのに正巳に恋焦がれる類子の想いが、中学生の初恋みたいで初々しいとすら思う。
    文章が美しく、きめ細やかで、たっぷりと作品の世界に浸ることができた。

  • 感想を書くのが難しい。この読後のぐったりとした疲れは、死による終焉と言う眈美主義の極みから取り残された、生き続けるしかない平凡な人間の倦怠感だろうか?類子の回想という形を取ることで、阿佐緒や正巳の人物像の歪みが緩和され、それが本来の姿の様に描かれているが、読み終わって考えると、全てが類子の妄想によって美化された姿に過ぎなかったのでは無いかとも思える。妄執であるからこそこんなにも身を切られるような凄絶な想いを持ち続けられるのでは?自分の中で消化するのに時間がかかりそうな作品でした。

  • 美しい男性の苦しみが、こんなにも甘美で、心惹かれるものだなんて。

  • 三島作品は中学のときに何作か読んだのですが、その当時のあたしのできそこないの頭では理解できなかったので、この作品を読んで、もうそろそろ私 ちゃんと三島作品読んでみたいなって思いました。
    主人公が過去を思い出しながら 物語を進んでいくのですが、どんな悲しみも時がたてば 思い出になっていくんですよね。
    悲しみはずっと悲しみのまま、心に保存していたら 心がパンクしてしまうから、思い出になるように人間はなってるのかな。

  • 読みきったので一応感想。紳士・エキセントリックな美女・若くガテン系のいい男・語り手女性・そして起こる悲劇、という筋書きと設定で、同著者の『恋』の焼き直しという感じが最後まで拭えず。三島由紀夫を読んでたらもう少し楽しめたのかな?

  • どちらかといえば展開はゆるやかで。設定もキャラクターの性格も地味な恋愛小説。

    なんか、すごい。

    面白いか否かの判断をくだすでもなく、ただ漠然と「すごい」と思う。

    好きかどうか聞かれたらまたそれは別問題であって、なんていうか、言葉の使い回し、表現、考え方、などなど…すごいなって。

    構成は綺麗で読者を惹きつける。

    あとのことは何も具体的に言えません。

    ただ、「すごい」と。

    抽象的だけど、そんな感じ。

  • 小池さんワールド。
    心から愛した人が性的不能。
    なんとなく、死が近づいていることがわかりながらも、2人の心の繋がりを信じたかったなあ。
    なんでこんなに、世界に浸れるのか不思議。それくらい引き込まれた。

  • 再読。

    大人の恋愛小説。男と女が一緒にいるには体だけではないってこと。相手が性的不能であっても、精神のエクスタシーが得られればそれでいい。ハッピーエンドであったらもっと嬉しかったけど。そこが小池真理子らしいところなのだけど。

    昔、初めて本作を読み深く感銘したのを覚えてる。が、こんなの読んでるの?と官能小説扱いされ、私のことをいやらしい目つきで見た友人。まだまだこいつは稚拙だなと思った。精神的にも肉体的にも。

  • 美形で知的な性的不能者の熱い恋。その彼に恋する女性。ともに満たされないがゆえにとめどない欲望。そういう葛藤を味わわせてくれる小説。
    突拍子もない展開もなく、比較的淡々としてるがしっかり読ませてくれる文章だと思う。

  • 初めて読んだ恋愛小説。
    良かった。冒頭の主人公が書店で本を買う場面から、のめり込んで読んだ。回想録ぽい進め方が、良かったのだと思う。
    ミステリー小説以外で、貪るように読んだ本は初めてだった。
    また三島由紀夫との絡みもよく、ラストの余韻の残しかたなど最高だった。
    初めて読んだ恋愛小説が、あまりにも良すぎた為に、なかなかこの作品を越える小説がなく、今はすっかり以前のように恋愛小説を読まなくなってしまった。
    三島由紀夫の作品は、読んでみたくはなったが。

  • 旅先で泊まった宿にあったから、という理由で手に取った。そういうきっかけがなければ読むことはなかったであろう。ということで、こういう出会いはおもしろい。
    しかしまあ~読んだ感想は、1997年って、こんな昔だったけか!?
    三島を根底においてるせいもあるのかもだけど、とりあえず出てくるキャラがみんな昭和~。そしてキャラクターが平気で作中未成年飲酒やら、飲酒運転やらしまくる描写が出てくるんだけど、こういうのって今でもあるのかな・・・?
    そして話の結末は、やっぱちょっと「ええー」と思った。なんていうのか、自分が道徳的過ぎるだろうが、実際にインポで悩んでる人だって世の中にはたくさんいるだろうに、こういう結末でいいの・・・?て思っちゃう。
    まあ、基本的には美意識とか価値観が私とは大幅にずれてる、ということだと思う。うむ、三島もマッチョもあんま趣味じゃねーんだ(笑)

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