家族依存症 (新潮文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101442211

作品紹介・あらすじ

いわゆる「良い子」、いわゆる「理想的な家庭」ほど、現代社会の深刻な病理である"家族依存症"に蝕まれている。登校拒否、過食・拒食症、仕事中毒、アルコール依存症、不幸な結婚生活…。依存症潜伏期を見過ごしたためにこれらの悲劇は引き起こされた。旧来の家父長制と新しい家族像との間で蠢く活断層に、私たちはいかに対処すべきか?著者の処女作を大幅改稿した文庫決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 10数年前に斎藤先生の講演をたまたま聞いたことがあった。冷徹な観察者という印象をもったのだけど、受けたメッセージは、”行動には意味がある” ”回復を信じて待つ” ”自分を幸せを一番に”だったように思う。この頃がはしりではあったと思うけどアダルトチルドレンという言葉も知って自分自身に対してやその他に対して考えるのに手がかりになったように思う。
    早期母子関係が濃密な特殊な関係というのや、日本のサラリーマンの大部分は、学童期社会に過剰適応し、自分を職場と一体化させ、職場の論理を自己の論理を自己の論理とし、滅私奉公しているなどなるほどと感じることが多々あった。
    ねばならないに囚われず、自分の感じに正直に自分が何をしたいかに耳を傾けていきたいと改めて思えた

  • とても勉強になった。家族に問題ありと思う人はもちろん、今困ったことになっていなくても、興味があるとか、なんとなく生きにくさを感じている方は読んでみるといいと思います。登校拒否、摂食障害、ワーカホリック、アル中、DV、ギャンブル中毒、あらゆる問題は家庭に起因するらしい。著者の書く「不幸な母親」は子どもに依存し、子どもの健やかな成長を歪ませ自立を妨げてしまう。その子どもは同じような親になってしまう。この辺は母親としての私の課題でもあるのかなと思った。母親、妻であり、娘である前に、私は私なんだ。

  • 判例見てるとありがちなことばかりで怖い。
    身内とは良好でありたいし向上心と好奇心を持ち続けながら仕事をしたい。
    健康・家族・日々の生活・自己実現のための人生

  • 家族メインというよりは依存症メインでした。

    きちんと大人になるステップ踏んで大人になっている人なんてほとんどいないんじゃないでしょうか?
    そしてそういう人でも親にはなれるので…
    発生してから改善することはできるんだとはわかりましたが、これは予防ってできるんでしょうか?
    そして日本では現在でも家庭内で問題を抱えててそういうカウンセリングや病院に行くのってハードル高いですよね。

  • 依存症の心理

  • この本はとても興味深い内容であり、ぜひ皆さんにご一読をお勧めしたい。
    各種の問題行動について、例えば「アルコール、ギャンブル、虐待、被虐待、過食、拒食、登校拒否、そして、怒り…」そしてその親もまた同様の緊張感のある家庭環境であったケースが多いこと。
    その原因と仕組みについて筆者の臨床体験からイラストを交えて読みやすくまとめられている良書。
    程度差こそあれ、誰しも抱える精神的な不安定さは、その問題行動がたまたま表に出ていないだけであり、内に抱えてる声を発信出来る力をつけることが重要だと認識させられる。

  • ひとりで生きていけるを読んで面白かったので興味を持ち読んだ本。
    今後家族をつくる上でとても参考になった。特に例にでてきた、母を大事にしてる暴力夫の話で、幼少期の子供は母の不幸は自分のせいだと思い、その後の性格に根強く残っていく話が、母が子に与える影響の深さを知った。

  • 私は家族依存なのではないかと不安になり読んでみたが、どうやら違うというか、問題になるレベルではなさそうだと思い、安心した。両親への感謝と尊敬の気持ちが強まった。父も母も私もはるかさんも、人間だもの。

  • この手の本ではとてもわかりやすい!
    状況理解をしてもらいたい時、ご家族か当事者に渡し読んでもらうと話が通じやすくなるアイテム。

  • わかりやすい文章でとっても読みやすかった。
    症状を心の成長の時系列に沿って例を挙げて解説されている。
    様々な事象があるが、どのお話も救いがあることが素晴らしいです。

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著者プロフィール

精神科医、家族機能研究所代表。
1941年東京都生まれ。1967年慶應義塾大学医学部卒。同大助手、WHOサイエンティフィック・アドバイザー(1995年まで)、フランス政府給費留学生、国立療養所久里浜病院精神科医長、東京都精神医学総合研究所副参事研究員(社会病理研究部門主任)などを経て、医療法人社団學風会さいとうクリニック理事長、家族機能研究所代表。
医学部卒業後、母校の神経科学教室で精神分析のトレーニングに入る。同時期より、国立アルコール症センターとして発足した久里浜療養所(当時)で臨床にあたりつつ、アルコール依存症など「依存症」という用語を提唱し定着させ、依存症の家族に代表される、温かさや安心感などが提供できない機能不全家族で育った「アダルト・チルドレン」という概念を日本に広めた。著書に『すべての罪悪感は無用です』『「愛」という名のやさしい暴力』(ともに小社刊)など多数。

「2022年 『毒親って言うな!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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