晏子(三) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.92
  • (76)
  • (56)
  • (91)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 680
感想 : 25
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101444239

作品紹介・あらすじ

晏弱は死んだ。斉は偉大なる英傑を失った。幼少よりその天才を発揮した息子晏嬰は古礼にしたがって三年に及ぶ篤い服喪に入った。斉は周王朝の意志を奉じて魯の攻略を繰り返す。魯は援軍をもとめ、晋傘下の十二か国の大連合軍が魯のために集結した。襲いかかる連合軍の怒濤の駆塵。軍師も軍略もない斉軍は連合軍の猛攻をどう凌ごうというのか…。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ようやく晏嬰の物語が始まった。礼が重んじられた春秋時代において、自分の礼に則った行いがどのように大衆や諸国に支持されるのかを理解しているのだと感じた。決して勇名をはせることを目的としているわけではないが、そのように支持を得られているからこそ、時の宰相や国王を勇めたとしても、無事であったのだろうと思った。礼をつくしているからこそ、さらにおおきな活動ができているのだと物事の連なりを感じる。最終巻も楽しみ。

  • 感想は最終巻に記載したい。

    晏嬰の本格的な動きかと思いきや…

    箸休めではないが、こういう巻があってもいいかも。

    最終巻に期待。

  • 感想は最終巻に。

  • 【概略】
     父・晏弱の急死は、斉の国に大いなる化学変化をもたらした。息子・晏嬰は古いしきたりに則り三年に及ぶ服喪に入った。小さな小屋で霞を食むような形で父・晏弱を悼む晏嬰の姿は、斉の人々どころか当時戦いの相手であった晋の者達をも虜に。
     晏嬰の服喪による間に起きた大きな変化、その変化の渦にある斉の君公と臣下達。服喪を終えた晏嬰を待っていたのは。壮大な歴史小説、第三巻。

    2020年02月17日 読了
    【書評】
     け、決して言い訳じゃないよ!今日はたまたま電車での移動時間が長く(片道1時間の往復2時間)、PCのBIOS設定が勝手に変更された=メールも何も触れなかったから読了できたんだよ!サボってた訳じゃないからね!
     周辺の国々との闘争、国内での政乱といった形でアップテンポに進んだ第一巻第二巻と比べてこの第三巻は少しゆっくりと進んだ感があった・・・とはいうものの、第四巻につながる大いなるうねりを感じつつ、だったね。
     相変わらず至言が多い。「諫言とは?」というくだりなんか、腑に落ちまくって落ちまくって、逆に内臓が菊門から飛び出すのじゃないか?と心配になったぐらい。インターネット黎明期のテキスト文化の時代などは、肩書きや功績とか関係なく正論は正論、なんてあってさ。やたらめったらトラックバックとかうってて。もちろん、正しいことは正しいのだけど、それを真っ向からぶつけられた相手が、その論を受け入れるかどうかは、ちょっと別な話なんだよね。特にその相手にとって耳が痛い話ならなおさら。ここで「諫言とは?」ってところでは、「諫言する側の心得」が説かれててね。なるほど!と思ってしまった。
     車上では才能を発揮する荘公が、政事・・・というか、人心掌握にはてんでダメダメってのも、なんともよくある話過ぎて・・・「こいつといると面白い・ワクワクする」って、どうやったら思ってもらうこと、できるのだろうね。
     ホラー映画大好きな自分だけど、今回は「うへぇ」と思った表現、というか風習(?)を目にしてしまった。それが「醢(かい)せよ」。荘公の言葉なんだよね。醢は、しおから、らしいのだけど、人間の塩漬けのことを指すらしくてね。ここでは(荘公にとっての敵である)夙沙衛という宦官の遺体を切り刻んで、塩にひたしたものを、臣下に食べさせるという・・・殺してもあきたりないときに、そういうことをするそうな。・・・ってか、食べさせられる臣下の気持ちは・・・???踏み絵のような形で、何かを試されているのだろうか・・・。さすがにこれはちょっと「おぉぉ」となって、口の中がしょっぱくなったわ。ちょくちょく使おうかなこの「醢せよ」。エグいわ。
     さて、残るは最終巻である第四巻。手が・・・伸びる!


  • 前巻までピンピンしていたお父さんが、いきなり冒頭で死んでしまうという構成に衝撃!

    しかし、この巻、主役は晏子ではないのでは...

  • 晏嬰は三年にわたる服喪へ。斉の国は内憂外患。引き続き四巻へ。

  • アンジヤクの方が・・・・

  • 何度目かの再読。

    ー荘公にとっての真の臣下は、晏嬰しかいない。かなしいかな、荘公はほんとうに自分を敬愛してくれるものをみぬけない。

    哀しみと感動で読み進める第3巻。
    社稷の臣とはこうあるべきだと語られる一方、崔杼の悲しみが胸を締めつける。

  • 晏弱は死し、晏嬰は喪に服し、斉は迷走する。

  • 晏子の服喪から崔杼の謀反まで。

    慕われた人かもしれないけれど、晏子よりは晏弱の方が魅力的。晏子は、上の人だったらどうも面倒な感じがして。。。

全25件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

宮城谷昌光の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×