楽毅〈1〉 (新潮文庫)

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著者 : 宮城谷昌光
  • 新潮社 (2002年3月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (418ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101444277

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楽毅〈1〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 中国の楽毅という武将のお話。男らしく賢く生きるエッセンスみたいなものを感じる作品。楽毅の言葉がカッコイイ。

  • 諸葛亮孔明をして、軍略の天才と言わしめた中国春秋戦国時代の名将・楽毅の生涯を描いた大作。1巻から4巻まであるが、若者としての楽毅が苦境を乗り越えて中国史に残る偉業を達成するまでの過程が、個人としての成長とリンクして非常に清々しい。

    戦国時代、趙や斉、魏といった大国に囲まれた中山という小国の宰相の子として生まれた楽毅は若くして斉の首都に留学し、孫子の兵法を学ぶ。だがそれ以上に彼にとって財産となったのは、戦国四君にも数えられる当代一の英雄・孟嘗君との交流であった。

    大望を胸に抱きながらも主君に恵まれず、隣国趙の侵攻から太子を守りながら奮闘する若き楽毅の姿に、ページを捲るのももどかしいほどに感情移入した。それとなく処世術とも言うべきエッセンスが加えられており、とくに若い人にとって読んでもらいたい内容である。

  • 楽毅は趙、斉、燕に囲まれた中山の宰相の子として生まれる。敵国斉に身分を隠して留学、見聞を広める。3年後自国に戻り攻めてくる趙と戦う。中山が生き残るには斉との国交を復活させるしかない?!

    宮城谷氏の作品は、序盤の説明が長いものが多いように感じていたが、これはさらっと始まり、その後のテンポもいい。宮城谷入門書としてオススメの一冊。

  • 祖国中山国を趙国との争いにより追われるも、燕国で仕え連合軍の指揮官となり秦国や斉国と奮戦。中国史のなかでも最も尊敬する人物。

  • どんなに頑張っても、上の人に恵まれなければ
    本当の安心は得られないのだなと思いながらも、こういう状況で逆境だからこそ、信念がしっかりとあって向かっていくのかもしれないと、真面目に考えつつも、文章がしっかり読ませてくれるのでそちらを大いに楽しませてもらいました。

  • 中国の歴史は古い。そして、重厚な文化。今の中国には無い良さを感じる事ができる。仁や義という文字は中国から入ってきたもの。既に中国は失ってしまったけど、それにはそれで理由があるのだろう。
    非常に読んでいて印象的なのは、楽毅の人柄だ。信義にあつく、人よりもちょっとだけ遠くを見ている気がする。自分もしっかりと生きたいものだ。

    「孫氏は必勝の法をさずけてはくれているのだが、楽毅はむしろ、その法にこだわると負けるのではないか、と思った。兵法とは戦いの原則にすぎない。が、実践はその原則の下にあるわけではなく、上において展開される。」
    「目配りは自分にも行わなければならない。」

  • 楽毅という人物は、この作品に出合うまでは全く知らず。そして、中山国という国も知らず。
    楽毅の今後の活躍が楽しみである。

  • 愚昧なる君主の中山国。聡明なる太子に仕へし楽毅は中山国宰相の嫡男にして、孫臏の孫弟子にあたる。斉に留学中、孟嘗君に知己を得るが如く、ありがたき逸材なり。第一巻は趙の武霊王との戦ひに終始したるが、孫臏の孫弟子は若輩ながら、戦上手たり。弱小国の負けざる戦法は、弱小会社の生き残り策を練る我が身に有用たり。第二巻に続く。

  • 漫画キングダムから派生して、一世代前の大将軍楽穀の物語を堪能できました。

    1巻では武霊王の故服騎射がよく分かります。

  • 高潔な武人。すごい生き様だと思った。

  • 楽毅という中山の将の話。キングダム以前なので、キングダムを読んでいると話が結構つながったりと面白い。

  •  宮城谷昌光の歴史物が好きで昔よく読んだ。そのうちさすがに飽きてきてしばらくご無沙汰していたのをまた再開。未読だったものからまず楽毅。名前は聞いたことある気がするが、いつの時代のどこの国の人やらわからない。中国の歴史は時系列の縦軸が明快で理解しやすく、脈絡なく複雑怪奇で苦手だった高校世界史の中で、そこだけは理解できた。が、戦国時代の中山国といわれてもまったくピンと来ない。春秋戦国時代は周王朝が分裂してから秦の始皇帝によって統一されるまでの時代、ああそうか。それにしても漢字一字名称の国がほとんどの中国に中山国なんてあったかな。それはともかく読んでいくと斉、趙、燕、楚となじみの国名があらわれてきて、しかも孟嘗君、なるほど同じ著者の同名書はすでに読んだ。本書では弱小中山国が趙に攻め滅ぼされた後、縁あって燕に移り、宿敵斉を破るまでの楽毅の活躍が描かれる。もともとの才幹のうえに、部下に恵まれ、伴侶に恵まれ、そして師に恵まれて、これで活躍できなかったらどうかしているというハッピーストーリーなので、結構波乱万丈なのに起伏に乏しい印象に感じられてしまう。随所に引用される孫子の名句が読みどころか。

  • ビジネスマンの心構えや上司、部下のありかた

  • 同作者の「孟嘗君」を読み終えたので、次はこれを読み始めました。
    本作は「孟嘗君」と同じ戦国時代の話で、序盤に孟嘗君その人も出てきます。
    孟嘗君は作中において、主人公である青年楽毅の心の支えといえるくらいの重要な人物なので、「孟嘗君」を読んでいると感慨もひとしおと思います。

    「孟嘗君」は戦国時代の話のわりに人間ドラマ的な色合いが濃かったのですが、本作はまさに戦国という感じ。
    「孟嘗君」も優れた作品であることは間違いないですが、個人的にはこっちのほうがわかりやすくて好きですね。

    主人公の楽毅ですが、第1巻ではまだ二十代の青年です。
    にもかかわらず、人格がすでに完成されています。
    昔の人でそれも名家の生まれなので、当然といえば当然なんですが、二十代にしてすでに人望を集めながらも、決して奢らない。
    常に冷静に戦況を見るさまは、とても若者とは思えません。すごいです。

    ならば主人公の成長物語はないんじゃないか?
    そんなふうに思われる方もおられるでしょうが、そんなことはありません。
    実は、楽毅は生まれが中山という弱小国で、さらに君主がとんでもないくそやろうなため、自分の身の振り方に悩んでいたのでした。
    上司に恵まれなかったというわけですね。
    そこで彼は常に自分自身に対して、人が立派に生きるとはどういうことかと問い続けるのです。

    ところで、楽毅のほかに、武霊王という登場人物も出てきます。
    この人は楽毅の祖国を攻め取ろうとする趙という大国の王。
    いわば楽毅の最大の敵なのですが、その強敵っぷりが凄まじい。
    そんな少年漫画のような興奮を味わえるのも、この作品の面白いところだと思います。

  • 見事に生きるとはどのようなことか。キーワードは「臣」と「君」。現代の私たちも、個人事業主でもない限りは、臣か君かのどちらかであると言えるのではないでしょうか。すべての臣へ。すべての君へ。

  • 中山以降の内容をもっと書いて欲しかった。

  • 楽毅の周囲にいる様々な人物の性格や個性、あるいは人間関係を、自分自身の周りにいる人たちに置き換えて想像しながら読んでしまう。この人と仕事したい、と思わせてくれるような人、ダメダメな上司、刺激し合える友人などなど、いつの世も変わらないなと思う。

    私自身、中国史の知識も馴染みも全くない状態で読み始めているので、登場人物や国の名前の多さに時々チンプンカンプンになりながら、それでもがんばって読み進めている。

  • 楽毅は中山国の宰相の子として生まれる。
    国王が暗愚だと、国も滅ぶ。なるほど、確かにそうだ。

  • 心の蒙(くら)い部分が啓(ひら)いた。希望や願望の危うさがここにあるのだ。一身の上であれ、権力の上であれ志向を支えるのは欲望だ。欲と望の字は横に位置するのだろう。
    http://sessendo.blogspot.jp/2014/06/blog-post_13.html

  • 三国志の諸葛孔明や漢の高祖劉邦が尊敬していた人物という理由で手に取りました。
    戦国時代は戦国七雄の国が争い、秦が統一することになるのですが、主人公楽毅のいる中山は趙と燕の間にあり七雄には数えられない小国、彼はその宰相の家柄です。
    前途多難を思わせますね。

  • 中国 戦国時代中期の名将・楽毅の小説。

    生き方自体が哲学であり、その言動が彼の生き方そのものを映している。
    そんな一本筋の通った潔さ・清々しさに胸を打たれる逸品である。

    宮城谷小説には珍しく、物語の冒頭から青年の楽毅が登場する。
    序盤の彼は、孫子の兵法を学び、過去の歴史を学ぶ、小国の宰相の子として登場する。暗愚な君主に率いられた中山国でいかに生きるか、悶々と悩む彼の行動にはまだ迷いが多く、正直この時点ではこの小説の魅力に疑問を感じた。

    しかし、読み進めるほどに楽毅が成長し、いつしか孫濱兵法を戦場だけでなく外交・内政でも発揮する、実践する哲学者とでも言いたくなる楽毅像が出来上がってくる。
    もうこうなると、彼の生き方・進退の鮮やかさ・人間的魅力にただただ魅了されるばかり。
    魅了されるばかりではない。組織の№2としての組織への殉じ方、あるいは前線部隊の長としての部下育成のあり方など、今の世でも活かせるような哲理を言動で表している、実に得るところの多い書物である。

    面従腹背・朝令暮改の世の中を、「人」に視点を据えて清々しく見事に生き切った楽毅の姿を、ここまで鮮やかに想像した宮城谷氏の筆力に、ただただ感嘆。

  • 「孟嘗君」からの続きで読み始めた「楽毅」。

    最初に孟嘗君が出てきたりするあたり、本を読む順番としてはバッチリだった。

    全4巻だけど、どんどん読んでしまいそうだ。

  • 同じ作者の作品を『晏子』、『管仲』、『重耳』と読んで、次はこれを、と思ってずーっと積読になっていたのが本書。
    いままでの私の知識では晏嬰の時代までしか追いついておらず、その後、晋公室の分裂という時代の大地殻変動をはさんで200年も経っている本書の舞台設定は、まず慣れるのに一苦労。理解をたすけるためにも、間に別の作品(とくに『呉越春秋』と『孟嘗君』)を読んでから臨めばよかったと思う。

    さて、本書で楽毅は、
    山の上から敵国の王(趙の武霊王)が行軍するのを望み、楽毅が立って睨みつづけられれば「勝った」と考える賭け(勝負)をする。(pp.135-7)

    なんだか、高校生が電車内の乗客にガン付けて、相手が目を逸らしたら「勝った」と思うのと変わらない気がする。

    もちろん、この部分が本書の主眼ではないにしても、三島由紀夫ばりの青春ロマンである。過去に読んだ宮城谷の別の著作でも、作者の特徴的なこの意境に苦笑した記憶があるが、いまそのような箇所を若い人の耽溺と感じてしまうのは、私が年を取ったせいなのであろうか。

  • 学毅は諸葛亮孔明を思わせる軍事の天才ということで三国志を読むような楽しい本でした。久しぶりに楽しみました。第1巻では没落しつつある中山国と趙の争い、小国中山軍を率いて立てこもる砦。第2巻では天下を目指す趙の英雄・武霊王の活躍と中山国の滅亡へ、戦国4君である孟掌君に続き趙の平原君の登場。第3巻では恐ろしい予言と、その成就へ向けた緊張感。そして新たな楽毅への出発への動き。

  • かれこれ10年ぶりくらいに読む歴史長編~。
    氏の沢山の著作のなかで、どれから読むかとても迷いました。
    楽毅といえば三国志の孔明のアイドルであったということしか知らなかったので
    まずはこれから。
    滅びゆく小国、中山国の宰相の嫡子であった楽毅の人生は
    冒頭から不安に充ちていますが、まれにみる天分の才とひらかれた思考、
    孟嘗君やさまざまの人物との出会いなどから翼を得て、気を穿いていく―

    生き延びることすら難しいような戦国時代のなかでおのれの生きざまを貫いていく登場人物たちがすごく魅力的です。それも孟嘗君といい楽毅といい、信念は貫きながらも仕える国は変わったりしていくので柔剛を併せもち、亡国や愚王に殉じたりはしないのがとても現代的な感覚も感じます。

    最終巻で一気に才覚が飛翔するかのような、さいごまで息をつかせぬ展開なのですが、
    後書きで著者がとても長期連載で、いつ書き始めたのかわすれたと仰っているので意外な気がしました。
    宮城谷作品といえば、漢字の遣いかたが独特で、とても古い字がでてきたりと細部まで心が配られています。白川静先生の辞書をめくったりしながら楽しみました。
    他作品もぜひ読みたいと思います。

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