楽毅(一) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.05
  • (175)
  • (135)
  • (144)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 1207
感想 : 96
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (418ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101444277

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 名前だけ、キングダムに出てきて知っていたが燕の大将軍、楽毅の生涯を書いた作品。
    幼少のころ、斉の臨淄に留学をしていたことから大局的なものの見方ができているように感じた。また、その際に会った孟嘗君の影が1巻を通じて見られる。
    同作者の孟嘗君では、孟嘗君となるまでの話に主軸が置かれているように感じていたので、別の作品からこのように光が当たるとそれも面白い。
    内容的には、戦いのシーンが多い。

  • 楽毅一
    210430読了
    今年28冊目今月7冊目。
    #読了
    #楽毅一
    #宮城谷昌光

    #コテンラジオ から興味を持ち手に取る。

    さくさく読める。
    理詰めもそうだが、観念的な戦い方をするな、という印象。

    人を見る目、人から良くも悪くも学ぶ姿勢、想定外を極力無くす合理的考え方。

    凛としていてかっこいいが、国の君臣に評価されないのは嫉妬なのか。

  • <文庫全4巻を通してのレビュー>

    古代中国の戦国期、「戦国七雄」にも数えられぬ小国、中山国宰相の嫡子として生まれた楽毅は、栄華を誇る大国・斉の都で己に問う。
    人が見事に生きるとは、どういうことかと。
    諸子百家の気風に魅せられ、斉の都に学んだ青年を祖国で待ち受けていたのは、国家存立を脅かす愚昧な君主による危うい舵取りと、隣国・趙の執拗な侵略だった。
    才知と矜持をかけ、若き楽毅は祖国の救済を模索する。


    楽毅は戦国時代の小国:中山国の宰相の嫡子であり有能な武将。
    若い頃は斉の臨淄で孫子の兵法などを学び、人が溢れている雑踏の中で「人が見事に生きるのはなんと難しいことか」と考える。
    孟嘗君を尊敬し、傾倒していったのも自然な流れだろう。

    故郷の中山国に戻った楽毅を待ち受けていたのは、暗愚な君主のためにまさに崩壊寸前の母国と、希望の光でもある太子。
    太子は全面的に楽毅を信頼しており楽毅はきたるべき太子の時代を思い、国のために忠誠を尽くしますが、虚しくも中山国は趙の武霊王によって滅ぼされる運命となる。

    ここまでの展開でも楽毅の才能と魅力はいかんなく発揮されているが、母国が滅んでからの楽毅がまた素晴らしい!

    孟嘗君からの陰の支えもあり、燕の昭王に仕えることになった楽毅。
    その楽毅をしたって続々と燕にやってきた、かつての盟友や臣下たち。
    昭王の最大に目標ともいえる斉攻略をとうとう実現させる。

    有能で魅力的な人物は引き際も素晴らしい。
    -人が見事に生きるとはどういうことなのか-
    それをじっくりと考えさせてくれる一作。

  • 弱小国の中山に楽毅はいた。斉に憧れて、斉へ行き、田氏に会い、兵法を勉強する。楽毅は、斉でもう一つ運命的な出会いがある。中山に帰った後、趙との戦いに中山内部で活躍するが、まだ、世の中に知られた存在ではない。

  • キングダムで興味を持ち読み始めました。文献の解説が丁寧で、すんなり読めました。地味に人名のルビが定期的に表記されるのはありがたい。


  • むしろ孟嘗君の大きさが際立っている。

  • 【作品紹介】
    内容紹介
    古代中国の戦国期、「戦国七雄」にも数えられぬ小国、中山国宰相の嫡子として生まれた楽毅は栄華を誇る大国・斉の都で己に問う。人が見事に生きるとは、どういうことかと。諸子百家の気風に魅せられ、斉の都に学んだ青年を祖国で待ち受けていたのは、国家存立を脅かす愚昧な君主による危うい舵取りと、隣国・趙の執拗な侵略だった。才知と矜持をかけ、若き楽毅は祖国の救済を模索する。

    【感想】
    読み始めてほっと一安心。これまでの宮城谷作品「三国志」「三河物語」と初っ端から人物紹介のオンパレードで、人とその背景を認識するのに一苦労。
    だが、この作品はそれまでの作品と比較して登場人物はそこまで多くはなく、物語が進行していくので読みやすい。
    今後の展開が楽しみなシリーズ。

  • 古代中国の戦国期、「戦国七雄」にも数えられぬ小国、中山(ちゅうざん)国宰相の嫡子として生まれた楽毅は栄華を誇る大国・斉の都で己に問う。「人が見事に生きる」とは、どういうことかと。諸子百家の気風に魅せられ、斉の都に学んだ青年を祖国で待ち受けていたのは、国家存立を脅かす愚昧な君主による危うい舵取りと、隣国・趙の執拗な侵略だった。才知と矜持をかけ、若き楽毅は祖国の救済を模索する。

    [more]

    中山はわかるんですが、趙の人物がごっちゃになってしまいがち。次巻からさらに人物も増えるので、趙の人物覚え書きメモ。

    ★武霊王……趙王。胡服騎射を実行し、多くの国を支配下におく。めちゃ強い。

    ・趙与……手堅い戦い方をする良将

    ★公子章(安陽君)…主父の長子。覇気はあるが徳はなさそうな人。「強壮志驕」

    ・田不礼 …公子章と似た気分をもつ

  • 漫画キングダムから興味をもち、購入しました。

    戦国七雄の趙と燕に隣した小国「中山国」で名将楽毅が目覚め始めます。1巻では楽毅と戦国四君の一人である「孟嘗君」の出会いが印象的に描かれています。彼との出会いが楽毅の将器を大きくし、趙との戦争の中にその片鱗が見え始めます。愚君に仕えざるを得ない楽毅の葛藤ややりきれない心理描写も読みごたえありです。

    印象的だった文章
    ・成功する者は、平穏なときに、危機を予想してそなえをはじめるものである。
    ・ー真の名君は、臣下に聴き、臣下を信じ、臣下をうやまう人である。

  • 以前読んだ『孟嘗君』にチラッと登場した楽毅。どんな人物だったのか興味を持ったので読んでみた。中国の戦国時代はごちゃごちゃしてわかりにくいが読みやすく面白い。

全96件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

宮城谷昌光の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×