楽毅(二) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101444284

感想・レビュー・書評

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  • 「楽毅」の2冊目。
    楽毅の中山国は、大国に囲まれた小国だが、趙に攻められて、国土の大半を失ってしまった。

    今後の展開が楽しみである。

  • 滅亡に向かう中山国の中で、楽毅は何を考え行動したのか?
    葛藤と決断がこの巻のテーマだと感じました。最後の章の郭隗の章も面白いです。

    印象的な文章
    ・孤独をつらぬくには勇気が要る。まったく援助を得られていない立場に身を置いてみて、はじめて自己と他者というものがわかる。自分で考え、自分で決断し、自分で実行する。これほど勇気を必要とすることはない。

    ・こころざしが高い者は、それだけ困難が多く苦悩が深いということだ。人が戦うということは、おのれと戦うということであり、勝つということは、おのれに剋つということにほかならない。

  • ・愚者は成事に闇く、知者は未形に覩る
    ・勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわすからです
    ・勇気とは、人より半歩すすみでることです
    ・朝令暮改に馴らされた国民は不信のかたまりとなり、おのずと国政から離心していゆく

  • いよいよ中山が国として危うくなってきている。王に才覚がないので、楽毅への暗殺が画策されるなどし、楽毅自身は、中山への愛着が薄くなっていく。
    昔陽の守城戦の準備では、寝ていてもどこが危ういなど気づきがあれば、それをすぐさま対応し、戦いに備える姿など重要だと感じた。
    また、『雲従龍、風従虎』という易経の言葉が学びがあった。”相似た性質を持った者どうしが互いに求め合う。 りっぱな君主のもとにはすぐれた臣下が現れるということのたとえ。”らしい。

    有名な”先ず隗より始めよ”のシーンの背景が描かれており、勉強になる。
    そこまで優秀ではない隗を厚遇することで、それよりも優秀な臣下が仕えに来るという助言である。これを郭隗、自分自身が言ったことが面白い。また、これが原因となったかどうかはわからないが、実際に楽毅など有望な臣下が集まってきたのも面白い。

  • 趙との戦いで、軍師としての頭角を表していた楽毅は、ついに、その名が知れることとなる。さまざまな戦いで戦果を得るが、それとは逆に、中山は王の愚策で衰えてくる。

  • 楽毅二
    210615読了。
    今年32冊目今月3冊目。
    #読了
    #楽毅二
    #宮城谷昌光

    上司、自分、部下の関係性について考えさせられる。

    本質の認識不足の上司に対しての進言は理解されないだけでなく不信を買う。

    部下には丁寧であることは正義だが、親切は思考停止を生む。

    →すぐに答えくれくれくんに見えるのは、意欲ではなくて成長の放棄だよね。

  • 中国戦国時代、楽毅の活躍を描いた物語の第2巻。祖国である中山は隣国の侵略でどうにもボロボロな状態になってしまいます。その中で知恵をめぐらせてもがく人々の姿が描かれます。
    第2巻は序盤からハイペースでストーリーが進んでいき、物語に没入しているうちに読み切れました。面白いです。

    楽毅や、楽毅が仕える中山王、敵方の武霊王など、様々な人物の姿が描かれ、同時にその人物の限界までも描かれることで、王やそれを支える宰相がどうあるべきか、という姿が示されます。

    なお、結構大事な局面がサラッと1行で書かれていて、このシーンが読めたら読み応えあるだろうなぁと思ったのですが、本著が書きたいのはあくまで主人公である楽毅なのだということが伝わってくるようです。
    しかし、過去の英雄たちが命を賭して政治に臨んでいたことを感じた第2巻でした。

  • 小国・中山国を幾度も侵攻する大国趙。楽毅もその度、応戦を魅せるも徐々に領土を狭まれて行く。それでも中山を存続させるために東奔西走し、死地を掻い潜る。首都霊寿を攻め落とされたあと、楽毅はわずかな家臣と共に心の師として仰ぐ、孟嘗君に智慧を授かるべく、敵国斉に活路を見出し、進路を西にとる。
    第二巻は文中にはほとんど出てこない孟嘗君への楽毅のオマージュが多数描きだせれている壮年期の物語とも云える。


  • 痛快な脱出劇とアホな上司、vol2 はそんな感じ。

  • 【作品紹介】
    祖国中山は自分にとって小さすぎるのか―。楽毅の憂色は濃く、深い。四度にわたる隣国・趙の侵略。宰相だった楽毅の父は自ら望んで死地へ赴き、祖国は国土の大半を失った。趙の侵略はとどまるところを知らず、戦火が絶えない。が、祖国の君臣は方策を講じず、内外で声望の高まる楽毅を疎んじ続けた。苦難の戦いを強いられた楽毅はどこに活路を見出し、いかに理想の自己を貫いたか。

    ※感想は4巻読了後

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著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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