香乱記〈1〉 (新潮文庫)

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著者 : 宮城谷昌光
  • 新潮社 (2006年3月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101444314

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香乱記〈1〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  •  これは秦から漢への過渡期に斉王となった田横の物語。田氏というのが斉の王族でありその傍流やら係累やらで田?だの田栄だのやたら田ナントカばかり登場して混乱する。しかも同族の味方ばかりではなく敵対する悪者も田氏だったりするのでよけいややこしい。それはともかく、この著者の選んだ主人公なので人間的に魅力があり、周囲の信望も厚く、楚漢戦争の狭間で亡国の危機の折とはいえ予言者の言葉通り曲がりなりにも王位につくのだから、波乱万丈の歴史人物伝としてはよくできている。ただし時代が秦の始皇帝の終末の乱世での秦軍と陳勝呉広の蜂起軍との戦いから引き続く項羽と劉邦の覇権争いという大きな歴史の転換点であり、その流れが大きすぎていかな名将田横とはいえ片隅のエピソードのひとつくらいにしか見えないのが惜しいところ。田氏の思想には老子の影響が色濃く表れ、各所に名言が引用・吐露されているのも魅力。「玉のような生きかたをすると、わずかな瑕にもおびえねばならない。石のようにごろごろと生きるのがよい」、まるで荘子を思わせる。

  • 時は秦王朝。太公望の斉国は田一族に簒奪され、その田氏の湣王も燕の楽毅軍に滅せられ、生き延びし者の末裔が狄の田氏三兄弟の祖父なり。三兄弟は棟梁の田儋、従兄の田栄・田横兄弟たり。三兄弟はいずれも王になるとの予言ありしも、命を狙はれ、田横は王にはなれず、秦の太子・扶蘇が王女・蘭の護衛兵になりにけり。田横は未だ主役に当たらず、時代の主役たる始皇帝・嬴政は客死せり。宦官・趙高と丞相・李斯、始皇帝が末子・胡亥の腐敗臭漂う密約は司馬遼太郎の『項羽と劉邦』に似て、玄徳多き田横と対極にあり。徳と腐敗臭は中国史に不可欠なり。

  • 1巻の最後で始皇帝が没して、いよいよ動き始める。

  • 楚漢戦争の話だと聞いていましたが、一巻では項羽も劉邦も出ず。斉の王族の末裔・田横を中心とした物語。これはこれで面白いです。続いて二巻へ。

  • 占いは未来への展望である。「未(いま)だ来たらざる」時間を、「将(まさ)に来たる」時間に引き込む営みなのだ。そして占いは「使うもの」であって「縛られるもの」ではない。許氏はそう語ったのだろう。
    http://sessendo.blogspot.jp/2016/01/blog-post.html

  • 秦の始皇帝の時代。秦の悪政下において各地で反乱の火ぶたが切られていき、楚漢戦争が勃発、帝国秦が終焉していくまでの話。各国の将軍たちが登場するなか、主人公は斉の田横。前半は田横の様子がよく描かれていたが、後半は楚の項羽と劉邦や秦の章邯が多く登場し、田横の話というより猛将たちの話という感じだった。立場は違えどどの人物も志高く、熱いなと感じた。

  • この時代の主役は田氏を入れた三人だったのね。いや〜面白い!
    また、 司馬遼太郎の「項羽と劉邦」とは違う劉邦のとらえ方でイイね。
    タイムマシンでどっちが近いか見てみたい!と思うのは私だけでしょうか?
    ま、そこが歴史物の良い点かもね…

  • 終わり頃になって急に面白くなった。

  • 楚漢戦争を斉の国を通して見る宮城谷氏らしい作品。
    主役は斉王の末裔・田横。

  • 「項羽と劉邦」を読んだので、やっと手に取った。積読3年目の春である。今は、サクサク読める。

  • 4101444315 261p 2006・6・20 5刷

  • でんでんででんでん


    田氏ヽ(^。^)丿

  • 田横の生き様はすごい。同志がほとんど後を追ったというエピソードもすごい。

  • 三国志がよかったので他の作品も...という事で、楚漢戦争を題材にした本書を。田横という人物は知りませんでしたが、この兄弟が王になるという占いがどう実現するのか楽しみで、すらすらと読めました。

  • 宮城谷昌光の得意な中国は春秋戦国時代でも、戦国末期~秦の時代を表した一冊です。
    秦は中国を統一したとはいえ、現実的には一代限りの王朝ですから、残念ですね。

     香乱記は春秋から続く大国、斉の国の田王子たちの生涯を書いた作品ですが、宮城谷さんの作品とは思えないくらいこの話からは後味の悪さが漂います。

     劉邦という人物の開祖にしてはあまりにも血なまぐさい政略が、宮城谷節を用いても清浄化出来なかったのかも知れません。

     第一巻では話はまだそれほど暗くもなく、この評価です。

  • ★2010年43冊目読了『香乱記1』宮城谷昌光著 評価B+
    中国古代、秦の始皇帝圧政下に斉王の末裔である田横が、秦の皇太子扶蘇(ふそ)に知遇を得て、悪役人のわなから逃れ、次第に力を得て、のし上がっていく。わなにはめられ、殺されたと勘違いした婚約者を失ったり、さまざまな苦労をしながら、厳しい法治国家を生き抜くうち、とうとう始皇帝がこの世を去る。皇太子扶蘇の運命や如何に。さすが、宮城谷さん、導入の第一巻の引き込み方は見事です。

  • 秦の初代が没して、再び各地で国と王が興る時代。
    主人公の人柄が素敵で、爽やか。
    先へ先へと読み進めたくなる小説です。

  • 雨の日に読みたい本!

  • 宮城谷先生の中国歴史ものははずさないな…!! 止まんなくて一気に最終巻までよみました〜。秦の始皇帝圧政下の、斉王の末裔・田氏三兄弟のお話。とにかく人物が魅力的です。項羽と劉邦なんていう有名人も別の角度から見ていたり、いろいろおもしろい…。大団円で終わる物語ではありませんが納得して終われる完結作です。

  • 活劇系。一巻は勢いもあってぐんぐん読める。主役兄弟の青春の熱が愛おしい。いつも正義で描かれる人々が、裏側の視点で立ち上がってくる。勝者の語る歴史以外を探る視点が、歴史を眺めるうえでは大切なんだなと分かる。英雄たちに残る苛烈なエピソード、一見清冽な意志から生まれているようで、よくよく眺めてみれば打算や計算が見え隠れするような判断や行動。自分が史実を眺めるときも、常に考えたい部分だ。時代の趨勢は大局的で、誠実に生きる人々に残酷な選択しか迫らない。こまやかな配慮も大きな力の前では無力で、すごく切ない。そんな中でも、信念を貫くこと、貫けなかったことに気づくこと、生き方を考えることを、捨ててはいけないんだなと、読後に何かが残る物語。4巻で完結。

  • 前205年頃。戦国時代の斉王(田氏)の末裔の田儋(でんたん),田栄,田横の話。中心は田横の話で,楚漢戦争で項羽と劉邦が争う中,どちらにも与せず,信義を貫いた人でした。劉邦は嘘ばかりの人で項羽は残虐な人で,どちらについても民衆は幸せになれない。田横が勝っていたら中国はどんな歴史になっていたのだろうと考えさせられました。本の最後は悲しい結末ではありますが,弱者でありながら信念を曲げてまでも強者に屈しない田横に惚れ込んだ一冊でした。
    『人を喪失すれば,城が残っても,国にとって何の意味もない。』この言葉が好きだ。

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