香乱記〈1〉 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101444314

感想・レビュー・書評

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  • 感想などは全巻読了後に。

  • 楚漢戦争を、劉邦でも項羽でもなく、田横の視点から描く歴史長編。
    第1巻は秦の始皇帝の死まで。長編『劉邦』においては有徳の人として書かれた劉邦が、田横視点ではどのように描かれるのか、今から気になる。

  •  これは秦から漢への過渡期に斉王となった田横の物語。田氏というのが斉の王族でありその傍流やら係累やらで田?だの田栄だのやたら田ナントカばかり登場して混乱する。しかも同族の味方ばかりではなく敵対する悪者も田氏だったりするのでよけいややこしい。それはともかく、この著者の選んだ主人公なので人間的に魅力があり、周囲の信望も厚く、楚漢戦争の狭間で亡国の危機の折とはいえ予言者の言葉通り曲がりなりにも王位につくのだから、波乱万丈の歴史人物伝としてはよくできている。ただし時代が秦の始皇帝の終末の乱世での秦軍と陳勝呉広の蜂起軍との戦いから引き続く項羽と劉邦の覇権争いという大きな歴史の転換点であり、その流れが大きすぎていかな名将田横とはいえ片隅のエピソードのひとつくらいにしか見えないのが惜しいところ。田氏の思想には老子の影響が色濃く表れ、各所に名言が引用・吐露されているのも魅力。「玉のような生きかたをすると、わずかな瑕にもおびえねばならない。石のようにごろごろと生きるのがよい」、まるで荘子を思わせる。

  • 1巻の最後で始皇帝が没して、いよいよ動き始める。

  • 楚漢戦争の話だと聞いていましたが、一巻では項羽も劉邦も出ず。斉の王族の末裔・田横を中心とした物語。これはこれで面白いです。続いて二巻へ。

  • 占いは未来への展望である。「未(いま)だ来たらざる」時間を、「将(まさ)に来たる」時間に引き込む営みなのだ。そして占いは「使うもの」であって「縛られるもの」ではない。許氏はそう語ったのだろう。
    http://sessendo.blogspot.jp/2016/01/blog-post.html

  • 秦の始皇帝の時代。秦の悪政下において各地で反乱の火ぶたが切られていき、楚漢戦争が勃発、帝国秦が終焉していくまでの話。各国の将軍たちが登場するなか、主人公は斉の田横。前半は田横の様子がよく描かれていたが、後半は楚の項羽と劉邦や秦の章邯が多く登場し、田横の話というより猛将たちの話という感じだった。立場は違えどどの人物も志高く、熱いなと感じた。

  • この時代の主役は田氏を入れた三人だったのね。いや〜面白い!
    また、 司馬遼太郎の「項羽と劉邦」とは違う劉邦のとらえ方でイイね。
    タイムマシンでどっちが近いか見てみたい!と思うのは私だけでしょうか?
    ま、そこが歴史物の良い点かもね…

  • 終わり頃になって急に面白くなった。

  • 楚漢戦争を斉の国を通して見る宮城谷氏らしい作品。
    主役は斉王の末裔・田横。

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著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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