しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101445038

感想・レビュー・書評

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  • 本と言えばビジネス本・ハウツー本しか読まない夫が、雑誌の切り抜きを持って
    「この本が読みたい」っと珍しくも言った本。

    泡坂妻夫氏の本は若い頃に何冊か読んだ事があるが、この本はまったく知らんかった。
    夫が読み終わった後に読もうと思えば、何日かかるか解らんので、先に読ませて頂いた(3時間で読めた…笑)

    が、泡坂氏の作品にしては…文章的に不可思議な部分が多くスラスラと言葉が流れない。
    新潮文庫から出版されているのに、担当者は何も言わなかったのか?
    「なんでじゃろう?」「おかしいぞ」っと思いつつも最後まで読むと…

    アッと驚く結末があった!

    久しぶりに鳥肌が立った(笑)

    とはいえ、内容で鳥肌が立った訳ではない。
    昔私は、雑誌の編集作業していたことがあるので、その方面で驚いたのである。
    アマチュアマジシャンとして名をはせている泡坂氏らしいトリックであった。

    いや~。泡坂先生。お疲れさまでした。

    思わずそんな言葉が出てしもうた(アハハハハハハ)

    夫がこの本を読み出してから2週間。やっと半分まで読んだようだ。
    スラスラと流れない言葉が収録されているので、手間取っているのか?
    果たして、このトリックに気が付く事が…彼は出来るであろうか?
    (ネット上でこのトリックが解らないっと書いている人も居たからの~)
    とても楽しみである(笑)


    ■ストーリー
    とっても胡散臭い心霊師、及びトリック暴露師のヨギガンジーは…
    ある日ひょんな事から新興宗教2代目選びのお家騒動に巻き込まれる。
    次々と消える信者たち。その行方を探るうちに
    なんと教祖に見込まれ2代目を決める大事な儀式を取り仕切ることになる。
    布教のために作られた本、「しあわせの書」に隠された謎は!?

    内容的にはミステリーの中でも、そんなに特筆する部分はないと思う。
    登場人物もあまり魅力的とは言えんしの~(笑)

    早く読める人なら1時間程度で読破出来る作品なので
    ちょっと別な意味で感動してみたい人にはおススメ。
    特に出張へ行く時なのどに買い
    新幹線の中で読破し
    夜にお姉ちゃんの居る場所で飲む時などに重宝すると思う(アハハハハ)

    マジック商品として買うとこの値段では買えないのでお得です(笑)

  • 「透明な~」からこっちに来たんだけど、こっちの方がトリックに気づけなかった。これも制作過程が見たくなる凄さ。

  • 作者の超絶技巧に感服

  • 内容もまあそれなりに面白いけれど、それよりこのトリックは見た事ない。読み終わったらケラケラ笑えるくらい!!でも一生この本のトリックは忘れないだろうなあ……。
    これを試すと、この本を未読の人の楽しみを奪ってしまうし、難しい。けど、紙の本良いなあって久しぶりに思った。電子化している時代にこんな旧世代の遺物を掘り出せたのは良いなあ。図書館の本じゃなかったら、間違いなく少しは食べてた。本を身体に取り込みたい。

  • シリーズ2冊目らしいが、本作からでも問題はなかった。
    冒頭に「読者の幸せのために 未読の人に「しあわせの書」の秘密を明かさないでください」という一文があり「そんな大袈裟な…」と思ってしまったが、大袈裟でもなんでもなかった。ラストで「うわぁ…」となった。

  • レビューで散々警告され、冒頭部分でも警戒を新たにしたのに、その詳細は最後までわからなかったなー。不自然には気付いていたのだけれど。
    全く警戒無く読んだら読後「マジか!」って言ってしまうと思う。面白い仕掛けの本だった。

  • 某中古本販売大手のオンラインストアに掲載されている文庫本特集の、極上ミステリー部門から選んだ1冊。
    “この本に隠された秘密”に大いに期待して、読んでみました♪

    全体的に、登場人物の人となりが分かる描写がちょっと少ないかなぁという印象。( ̄ヘ ̄)ゞ
    真相が明かされる場面でも、台詞はおろか、そのときの様子すら書かれてない人もいるし…。
    そういう部分が少し違和感だったんだけど、今になって思えば、それは作者の「ある企み」のための苦労の跡だったのかなと。

    お恥ずかしながら鈍感な私は、この本にかけられた「もう一つのトリック」が、読み終えても分からないままで…。
    むしろ、あの人の正体が!?のところで最大に驚いてしまったもので。笑
    作中で明かされているトリック(『しあわせの書』の素材について)は、ミステリー初心者にはとても推理出来たもんじゃないな、と素直に驚きましたけどね。(^-^;)
    でも肝心の、作品それ自体にかけられたトリックが、どうしても分からない。
    もちろん、本編でちゃんと種明かししてあるんです。でも、「何のこっちゃ?」と思ってて。笑

    ……ようやく分かりました。
    なんだこれ!すごい!!(←遅いよw)
    感動だ!!ヽ(゚∀゚*)ノ
    本ならではのトリックって感じ!
    なるほど、これがこの作品最大のどんでん返しなのかー!!

    …というわけで、分からなかった方のために私からも分かりやすいヒントを一つ☆
    酔狂な作家、いるじゃん!笑

  • この本の感想は難しい〜 「奇術とはまたちがったトリックを仕掛ける」その為に、ここまでやるのか(笑)ビックリ仰天です。ただただ、作者に感心するばかり。
    でも、ガッツリ推理したい人には、すすめられないかな。遊び心を持って読んで欲しい。

  •  新興宗教の後継者問題に関わってしまったヨギガンジー一同が、宗教内部の企みを暴くミステリー小説。

    『東西ミステリーベスト100』である意味とても意味深な紹介をされていた作品で気になっていたのですが、今回ようやく読了しました。

     ミステリーとしては作中にでてくる「しあわせの書」をキーワードに殺人の起こらないミステリーが展開されます。前半は説明的な部分が多く、すこし面白味に欠けるかな、と思いましたが、終盤以降ガンジーが実際に後継者問題に関わって来きたあたりからするする読めました。トリックのアイディアも面白かったです。

     そして最後に明かされる大仕掛け……。これはすごい、というか何というか、確かに驚きでした。作者である泡坂さんにお疲れ様です、と言ってあげたくなること請け合いの作品だと思います(笑)

     どうやらシリーズものの作品みたいなので、前作と次作もまたそのうち手にとってみたいと思います。

  • お話自体は、何だかな〜だけど、本の仕掛けにはビックリ。

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著者プロフィール

泡坂妻夫(あわさか つまお)
1933~2009年。小説家・奇術師。代表作に「亜愛一郎シリーズ」など。『乱れからくり』で第31回日本推理作家協会賞。『折鶴』で第16回泉鏡花文学賞。『蔭桔梗』で第103回直木賞。

「2020年 『秘文字』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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