生者と死者―酩探偵ヨギガンジーの透視術 (新潮文庫)

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著者 : 泡坂妻夫
  • 新潮社 (1994年10月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101445069

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生者と死者―酩探偵ヨギガンジーの透視術 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 袋とじは男のロマンらしいです。週刊ジョージアアプリにも袋とじがあるし、男性にとっての袋とじとは思い入れの対象なのかも。

    この本に関しては、袋とじでないとこの「消える短編」トリックが使えないので、電子書籍で再現するとなるとジョージアアプリのように、開封に必要なモノが必要かな。

    図書館ではどうやって管理するのかと気になっていましたが、消える短編のページを最初に記載してくれていたので、まずクリップで留めてそこだけ読み、クリップを外して全編を読みました。

    読み物としてというより、こんな仕掛けを実現したことを評価したい。
    著者はマジシャンとしても活躍された方のようですから、本にも奇術を仕掛けられたのね。

    消える短編ページは、16.17.32.33.48.49.64.65.80.81.96.97.112.113.128.129.144.145.160.161.176.177.192.193.208

  • 嵐にしやがれで又吉さんが紹介していた小説。とても気になったので購入。

    この本の読み方「はじめに、袋とじ製本のまま、この本をお読み下さい。短編小説を読むことができます。次に、各ページを切り開いて、長編ミステリーをお楽しみください。元の短編小説は消失してしまいます。」
    どういう事だろう?と思いながら短編を読んでチョキチョキしながら長編を読んだ。なるほど〜これはとても大変な執筆だったと思う。

    酩探偵ヨギガンジーが今回も大活躍⁉︎ 超能力はあるのかないのか。これは超能力なのか、犯罪なのか。千秋の自動書記した言葉の深さは凄いです。

    派手さはないけど凄さのある仕掛けミステリー小説。内容やミステリーを期待しすぎると物足りないかも。私は長編よりも短編小説の素朴さが心に残りました。

    113〜114ページの繋ぎ目はちょっと笑ってしまったけど、そこがまたこの小説の大変さを表していると思った。

  • もしもあなたが、まったく見知らぬ人から、あからさまに大切にしているものを壊してくれと頼まれたら?
    ためらうでしょう?

    いや、フツウ、そうですよね?

    この本、明らかに本好きに訴えるくせに、本好きなら躊躇う必定の造りをしてる。それが最高にすてき。

    この本、ものすごくかわってるんです。
    よっ、製本屋泣かせ!
    って言いたくなる、16ページごとの袋とじ構成なんですよ。
    読めるのは16-17, 32-33, 48-49ページ・・と、決まって16ページごとに閉じられている。
    なのにページの書き終わりとつながったページの書き出しがもちろん、ばっちりあっている。
    そのうえストーリーになっているんだから。
    解答編だけ袋とじして見えないようにする、じゃない。袋とじを開くとまったく別の物語になるの。

    袋とじ?はあはあ・・そういうのではなく、こほん、そこにもう、作者のおもてなし精神がさあどうだ!とばかりにつまってるから御用心。

    まずは王道、消える短編。
    袋とじは別に、章立てでなされてるというわけでもなくて、なんとなんと!
    (かなり合いの手うるさいですね・・笑)
    とじられていない部分がきっちりつながってよめるのですよ。独立した味わいある短編に。
    短編は単に消えるのでもなく、別立てでもなく、それどころか推理小説にたまに使われる、とあるトリックも隠されていて、叙述部分もトリッキー。
    ふたつの話はまったく別の話として成立して、しかも短編のエンディングは、
    本編のXX部分を利用するため、あ、ホントに!という技も成立しちゃうんですねこれが。

    他にも、表現をつまむことで人物の関係性の濃度がまるで変わったり、
    主要人物を完全に袋とじすることで短編の登場人物を絞り込んだり、
    ある人の行動が袋とじを挟むことで別の人の行動になっていて、展開にまったく別の位相が持ち込まれたり、
    同じ単語を前からの文脈で、まったく別のものにしてしまったり・・


    これがもし、閉じられてないとこが独立した物語内物語だったりしたらあたしもここまで興奮しません。
    でもでもでも!


    ジェットコースターどころじゃない。毎回別の場所に連れて行かれるカラフルな冒険。飽きないなあ。
    百万人が言うとおもうけどあたしも言う。これ、これこそが泡坂妻夫のトリックそのもの!

    いやすごかった。
    色んな意味で楽しめました。
    本当のこと言うと、読了の人向けにもうひとつ感想文書きたいくらいです。
    全部ネタバレして、ね、あそこ!ですよねあたしもー。お、あ、ナルホド、そうも読めますかあ、ふむふむ。なんて。



    もーーー!
    言えない・言いたい部分が多すぎる。

    ということでここはぜひ、ご一読を。読み終わってこんなに、終わったことが寂しかった本は久々です。
    ちなみにこの、短編消失があまりに素晴らしくて、この小説の本編のテーマが透視なんだけど、
    絶対消失にしてほしかったのに!って、ワガママにも思ったり。

    いや~ご馳走様でした、本当に堪能しました。
    極上の、これはまさに本当の、御褒美読書。

  •  故泡坂妻夫氏の作品を読むのは初めてである。書店で平積みされているのをたまたま見つけ、仕掛けに興味を持ち、手に取った。

     その仕掛けとは。この本、16pずつが完全に裁断されずに袋とじになっている。最初は袋とじのまま読む。すると、短編小説として読める。次に、袋とじを切り離して、長編として読む。すると、元の短編小説は消失する…。

     つまり、袋とじの外側の部分は、短編として読めるように繋がっている。袋とじを切り離すと、袋とじの外側だった部分も、長編に繋がっているという、大変凝った本なのである。よく作ったものだと、感心半分、呆れ半分に読み終えた。

     袋とじがあるミステリは他にもあるが、それはあくまで真相部分を隠すため。ここまで大々的に、袋とじを仕掛けとして用いた本は、他に例がないだろう。文章ではなく、本そのものに仕掛けを施そうなんて、普通は考えない。

     泡坂妻夫氏は、奇術の愛好家としても名高い。それ故に、こんな発想が生まれたのだろうか。あとがきによると、やはり執筆は難航したそうで、担当編集者の定年直前にやっと完成したとか。待ち続けた編集者の度量の深さと、こんなやっかいな製本を引き受けた出版社、印刷会社、製本会社に拍手を送りたい。

     さて、肝心なミステリとしての中身だが…失礼ながら、大した話ではなかった。何より、読みにくいったらありゃしない。電車の中で袋とじを切り離しながら読むのは骨が折れる。絶対変な奴と思われたな。手で切り離した部分はボロボロだし…。

     本書は、袋とじの仕掛けこそがメインであり、ミステリとしての出来は二の次なのだろう。この茶目っ気に、読者が価値を見出せるかどうか。電子書籍では決してできない本には違いない。さっぱり内容の感想になっていないな…。

  • トリック本。
    そのまま読むと短編小説、ページをすべて切り開くと推理小説。
    すべてはこの仕掛けにかかっていると思います。

    こういう本を作られたことが遊び心に溢れていて素晴らしいと思います。

    内容に通常の小説どおりの評価をするならば。
    短編は★★
    長編(というほど長くはない)は★★★
    はじめに趣向が説明されているので短編を読む時にすごく勘ぐりながら読んでしまって、これはもう自分の癖なので作家様には何の落ち度もないのですが、この無駄な勘ぐりが長編を楽しむのを阻害した。
    いや、悪いのは素直に楽しまない自分なんですけど。

    「読むだけではない」楽しい趣向の本でした。
    通勤電車で読んでいたので、車内で文庫本をベリベリ破るとかなり注目されます。
    それもまた楽しかったです。

  • ふくろとじ!すごい!
    内容もそこそこ楽しめた。展開はひきこまれるけど、ほりさげとかきりこみが弱い印象。
    でもまあ、ふくろとじだから。
    登場人物もだれがだれやらわからなくなってきたけどまあ、ふくろとじだから。
    こういうしかけ本また読みたい。

  • マジシャンVS超能力者。

    ミステリとしては普通です。
    しかし多くの方が語っている通り、この本に施された仕掛けが凄い。
    16ページ毎に袋とじになっていて、表に出ている部分だけを読むと短編小説になっています。そして袋とじを開くと本編の長編小説が現れ、さきほどの短編小説の文章は本編にとけ込んでしまいます。

    この仕掛けだけでも凄いのですが、短編と長編では登場人物のキャラクターや小道具の状態、比喩表現の意味合いなどががらりと変わってしまうのが面白いです。特に短編でのとあるセクシーなシーンが長編では全く違った様相を呈しているのには笑ってしまいます。
    まさに泡坂マジック。人間の先入観とは恐ろしいものです。

    古本で入手したので袋とじ部分は開封済みだったのですが、16−17ページの見開きから読み始めて、32−33、48−49...と読んでいき、最後に208ページを読めばよいと教えてもらったので楽しめました。
    全て読み終わった後に、短編部分がどう長編につながっているのかを確認すると本当に感心します。

  • 袋とじになっていて、袋とじを破かなければ短編として成り立ち、袋とじを破ると長編になるという2度美味しい摩訶不思議な作品になってます。
    作者の創作性には脱帽ですが、内容的には超能力を扱った内容で、そこそこ短編も長編も面白い仕上がりにはなってますが、特に長編は、やや間延びしている展開であるような気がしました。

  • 袋とじ!? 短編が袋とじを開けると長編に!?とのことで期待を込めたのだけど、うーん短編も意味わかんないし(袋とじという特質上読みづらいとしても)、長編も読みにくかったな。
    アイディアのみで星が3つってとこかな。
    袋とじなんて紙の本ならではだし

  • 企画の奇抜さにそそられて、シリーズ作品であることを承知の上で、いきなり本作に臨む。
    短編は、なんだかふわ~としたつかみ所のない話。
    長編も、シリーズ前作品を未読のせいもあるのか、少々面食らうようなところがあった。
    とはいえ、この仕掛けをやり遂げたこと自体に敬意を表したい。
    気が向いたら、前作品も読んでみるかも。

  • もう帯を見て即買いなのですよヽ(*´∀`*)ノ.+゜♪.+こんな面白そうだったら絶対買ってしまうのです!ただ、一度袋とじを開けてしまうと、もうお友達には貸せないのですね……(´Д`;)
    最初の短編純文学?は???ととにかくただ登場人物とあらすじを追うだけだったのですけど、袋とじを開けて最初のページでもうカタストロフィーヽ(〃Д〃)ノ

  • こんなに袋とじされた本は知らない!
    このほんのコンセプトが、まず面白い。
    袋とじされている部分が多く、初めは僅か数十ページの短編小説である。それがだ、袋とじをあけていくと、200ページにわたる小説に変わってしまう。
    更に、短編小説と、小説とは、重なるようで、別の小説なのだ。
    これは、読んでみないと分からない。一度読むともう元には戻せない。

  • 上質な手品を目の当たりにすると騙される快感でニンマリとしてしまいます。
    二度楽しめる、のではなく私は三度楽しみました。
    一回目はもちろん短編として。それも世界観をつかむために二度読み。短編だから時間もそうかからなかったし。
    二回目はもちろんナイフを手にして。切り開くとき、もともとのページのところに栞を挟んで、字の違いによってストーリーが展開してゆく様を楽しむ。
    三度以上の楽しみですね。
    短編として二度読みしたから、結局は消えてしまった雰囲気もちゃんと覚えてるし。
    仕掛け好き、だまされ好きな人に教えてあげたい!
    でも、本は貸してあげられないな・・・
    自分で購入してくださいね。

  • 2012/2/8
    Amazonのマーケットプレイスで注文していた古書が届いた。小口開封済みだと思っていたら何と未開封のものだった!思わぬ掘り出し物と喜んだが、まさかこれ切るわけにいかないし、開封済みのものをもう一度注文しなくちゃ……

    2013/12/23読了。
    小口開封済みのものを調達して読了。確かに、開封前の短編小説のときに目を通したはずのページが、開封後の長編小説の1ページとして読むときには、まったく違った意味や情景になっていて、噂に違わぬ奇術本だと感心した。
    驚いたのは、短編小説が「なんとか意味の通る苦しまぎれの文章」ではなく、長編のテーマと呼応する役割を果たすようきちんと計算された内容を持っているということだ。長編小説を最後まで読むと、短編小説の印象がいわばプロローグか伏線として機能しており、さらに、前に読んだはずのページをまったく違う場面として読み直すという眩惑の体験自体が、本書のテーマを表していることに気づく。
    つまり作者は、同じテーマにつながる2つの作品を、1冊の本の中で、同じページを使い回して書いており、その書き方(読ませ方)そのものがまたテーマの印象を強めている。これはもう奇術を超えて文芸技法になっていると言っていい。小説を入れる器としての「本」の物理的な構造を、テーマを表現するために有機的に利用するという、小説のことも器のことも知り尽くした作家による職人芸だろう。
    ミステリとしての筋立ては決して鮮やかなものではなかったかもしれないが、この職人芸が味わえただけでも僕は大満足だ。

  • 袋とじのまま読めば短編。切り開くと長編ミステリーという強引な作品。
    けっこう、切り開くのが、難しかった。
    全く違う世界になるのが面白い。
    しかし、これ、書いたこと自体がすごいなあ。
    バベルの牢獄を書いた法月 綸太郎さんなら、こういうのの、新しいのを書いてくれないかな。

  • これまでにないユニークな挑戦には凄いの一言。一方で、本の内容としては比較的ありきたりな展開やトリックであった。

  • 第2の泡坂にも挑戦求む
     袋綴じを開くことで、短編が長編に変化する摩訶不思議な作品。まず短編ですが、話の筋は一応通ってはいるものの、違和感が色濃く残るので微妙です。そして、この段階で作者のやりたいことの一部が見えやすいのも難点。「消える短編小説」を切ると、超能力者を取り巻く長編ミステリが姿を現しますが、メイントリックが使い古されたものなのは残念です。企画自体は面白いですが、あまり上手くいっている感じはしませんでした。
     作者の苦労の跡が伺えます。編集長とのお酒の場では迂闊な発言はできませんね。

  • 本の作りにトリック(というより仕掛けという言葉の方がしっくり来る気がします)が組み込まれています。
    全体が、20個強の袋とじで区分けされており、最初は袋とじの外側部分に書かれている短編小説を読み、短編小説を読み終えたら袋とじを破り長編小説を読むと、最初に読んだ短編小説が長編小説に組み込まれ消えてしまうといったものでした。

    発想は凄いと感じましたが、正直短編小説としての極端な短さと、長編小説での流れに合わせたため、やや文章やセリフにちぐはぐさを感じ、話自体はあまり面白さを感じませんでした。
    本の仕掛けとしては、「しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術」の方が衝撃を受けました。

  • このしかけを作る手間は素直に凄いと感じつつも、読み難いことこの上なかったのだが、あとがきを読むとまた違った感想がある。トリックよりは動機とそれに絡むある人物の心理状態が興味深かった

  • 噂通りとにかく凄い本です。大人向けの仕掛け本…という感じ。
    最初の短編を読み、袋とじを1つずつ開いていきながら全く姿の異なる長編を読み進める、とても楽しい本でした。
    性質上短編の方は違和感のあるシーンや読み取りづらい文面になることが多いのですが、長編に入るとガラリと印象が変わるのでそれはそれで楽しい。
    ただ、この『袋とじを開いていく』という行為自体がこの本の最大のポイントなので、最初に読んだ1回目が一番楽しめるのかも…。
    できれば記憶を消してもう一度短編から読み直したいです笑。

  • 今まで読んだことのある本の中で、もっともトリッキーで労力を感じる仕掛けの入った一冊。ただ、その仕掛けの強烈さに比べると本文、特に「消える短編」の面白さが分かりづらい。それでもこの仕掛けを楽しむのに読む価値ある一冊。

  • 噂の消える短編集の発想は面白かったのですが、短編集の内容が若干お粗末というか、読んでて違和感ありありでしたね。
    とくにキャラクターの性別にすごい困惑しました。え?男、だよね???みたいな感じで、長編の兼ね合いもあるとしてもちょっと無理があるように思います。

    長編はちゃんとしてるんですけど、短編がいまひとつパッとしないので、2冊買って短編と長編もう一回楽しむかといったらそんなことはしないなぁ。

  • かーなーり無理がある感じの短編小説ですが…
    でも確かにすごい。ペーパーナイフで切りながら読むの楽しかった。

  • 再版前に図書館で読んだ。図書館のは切り離してあったが短編のページ数は手書きで記されていたので長編から読んで短編を読んだ。
    長編と短編で話の方向性、性質が変わっていくため作者の技量にど肝を抜いた。

  • 本のアイデアがすごくて、図書館で借りてはいけない本でした。

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生者と死者―酩探偵ヨギガンジーの透視術 (新潮文庫)の作品紹介

はじめに袋とじのまま、短編小説の「消える短編小説」をお読みください。そのあと各ページを切り開くと、驚くべきことが起こります-。そして謎の超能力者と怪しい奇術師、次次にトリックを見破るヨギガンジーが入り乱れる長編ミステリー「生者と死者」が姿を現すのです。史上初、前代未聞驚愕の仕掛け本。

生者と死者―酩探偵ヨギガンジーの透視術 (新潮文庫)はこんな本です

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