- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101448404
作品紹介・あらすじ
蹴りたい蕎麦屋、というものがある。思い当たる店があるだろう? 忘れられない犬がいる。遠い記憶を辿ってみれば、人懐っこく吠えているはずだ。世界中を旅して回り、最高にうまい〈ヘンなモノ〉を食い、冷えたビールをうぐうぐと飲み、焚き火を眺めて夜を明かす。そして好きなコトも嫌いなモノも、悩まずとにかく書いているのだった――。好奇心と追憶みなぎる感情的エッセイ集!
感想・レビュー・書評
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椎名誠『殺したい蕎麦屋』新潮文庫。
スーパーエッセイという独自の視点と文体で面白いエッセイを書いていた頃の椎名誠が好きだ。そんな椎名誠もお爺さんだからな。
様々な雑誌に掲載されたエッセイを収録した作品なのだが、冒頭に掲載されたエッセイが過去の様々な国の旅を振り返るような雑文みたいな感じだったので、完全に外したかなと思った。
ところが、表題作の『殺したい蕎麦屋』は全盛期の椎名誠を彷彿とさせる面白いエッセイだった。BGMにビバルディの四季が流れ、メニューが相田みつを風の手書きで、出てきた1,260円のせいろ蕎麦は不思議に湾曲した楕円のセイロに20本散らばっているだけと言う。確かにこれは『殺したい』。
~蛇足~
椎名誠の『殺したい蕎麦屋』を読み、思い出した蕎麦屋。
蕎麦屋①。以前住んでいた街に老舗ということに胡座をかき、女性の肌のように白い更科蕎麦をせいろに簾のようにさらっと並べて、馬鹿高い値段を取る店があった。店員は着物にたすき掛けという出で立ちで、琴の音のBGMが流れていたように思う。近くに味の良い納得の出来る値段の十割蕎麦の店が出来るや、客足は遠退き、呆気なく廃業した。
蕎麦屋②。これも住んでいた街にあった蕎麦屋の話。数十年通っていた蕎麦屋は劣化が激しく、最近では通うのを止めた。初めは普通の民家のような店で、うどん粉の多い、極太極長で固い独特の男らしい蕎麦が気に入り、『天大もり』ばかりを食べていた。始めて食べた『天大もり』はまるでチョモランマのような食べ切れないくらいの大盛だったのだが、店を新築した途端に年々量が減り、同時に値段も上がり、とうとう高い普通盛になってしまったのだ。
本体価格520円(古本100円)
★★★★詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日常のちょっとした違和感にツッコミを入れてもらった感じ。スッキリした。
前半には旅エッセイもあり満足度の高い一冊。 -
椎名誠が犬と車と旅について綴ったエッセイ。
いつもと変わらぬ調子である。 -
旅行記よい。旅行行きたい。
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タイトルに惹かれて購入しました。
気の合うところも合わないところも多々あり、とても人間くさい一冊でした。
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この作品のような、自分の主義・偏見・愛情に満ちたエッセイは好きだ
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過激なタイトルに惹かれて手に取った一冊。
アウトドア派の著者。紀行文的なものが多かった。
お高くとまって20本足らずのわずかな蕎麦を千うん百円で出す蕎麦屋に殺意を抱く「殺したい蕎麦屋」には激しく同意。 -
蹴りたい蕎麦屋、というものがある。思い当たる店があるだろう?忘れられない犬がいる。遠い記憶を辿ってみれば、人懐っこく吠えているはずだ。世界中を旅して回り、最高にうまい“ヘンなモノ”を食い、冷えたビールをうぐうぐと飲み、焚き火を眺めて夜を明かす。そして好きなコトも嫌いなモノも、悩まずとにかく書いているのだった―。好奇心と追憶みなぎる感情的エッセイ集!