遭難者の夢―家族狩り〈第2部〉 (新潮文庫)

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著者 : 天童荒太
  • 新潮社 (2004年2月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101457130

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遭難者の夢―家族狩り〈第2部〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 巣藤が「家族をつくること」をおそれる理由が見えてきたところ。隣家の惨状を見てしまい茫然自失の巣藤は少年たちによる大人狩りに遭い、まさに泣きっ面に蜂。恋人との関係もこじれにこじれ、ようやく自分にも何か少しは出来ることがあるかもしれない、というところまでいきつく。

    馬見原は退院して人が変わったように明るくなった妻の変貌についていけず、ますます事件の真相究明にのめり込む。
    警察は【麻生家の事件】は達也の無理心中説で送検しようとするが不審な電話を彼は無視できない。そんな折、彼に家族を奪われたと恨みをもつ油井も周囲をうろつきだし、、

    犯人の異常性が明らかになるとともに、家族の在り方や現代社会における問題点…さまざまな角度から疑問が投げかけられ答えも出せず重苦しくなってくる。

  • あるべき家族の形というものがると思う。
    それから逸脱する形もあるのだろうと思う。
    彼は何を示したいのだろう。
    まだ先はわからない。

  • 二次元だからこそ、三次元に楔を打つことができる。それを改めて感じた。普段、考えているようで考えきれていないこと、見ているようで目をそらしていることが、これでもかというくらいに顕されている。この世界は家族の集合体なのだ、と感じた。

  • 自分がどうやって生きていられるのかということを 真剣に突き詰めようとすればするほど 偽善と矛盾に苛まれることになる、ということを ほとんどの大人は気づいているにもかかわらず 気づかない振り 見ない振りをしているのが現状ではないだろうか。そんな偽善や矛盾に真っ向から目を合わせてしまった者の苦しみは 抜け出すことのできない無間地獄のようなものであろうことは 想像に難くない。そして そんな風に苦しむのはたいていの場合 純粋な若い者たちなのであり それ故苦しみはより深いものとなるのであろう。
    世渡りが上手くなってしまった大人たちには そんな若者たちの心の叫びが もはや届かなくなっているのかもしれない。

    浚介は どうもまた厄介な場所に近づいているようだし、馬見原は 何かに引っかかっているようだ。第三部での展開が気が重くも楽しみである。

  • 【分類】913.6/Te35
    文学のコーナーに並んでいます。

  • 徐々に壊れていく家族や個人。
    電話相談に寄せられる叫びは、ときに切羽詰った状況で相談員にはどうすることもできない。
    子どもが両親と祖父を殺害し自殺した・・・と思われている事件では、事前に電話がかけられていたにもかかわらず、誰もその重要性には気づかない。
    異様な現場を見たために精神の安定を欠いてしまった美術教師。
    彼はその後、あらたな事件に巻き込まれ内なる恐怖を抱えながら生活することになる。
    児童相談員は、保護してきた少女の父親とのトラブルに悩んでいる。
    どうしたら少女のためには一番いいのか、いまできることを考えながらも、ずっと保護し続けることなど出来ない現実も理解している。
    一家4人が死亡した事件の捜査を諦めきれない刑事は、かつて自分が逮捕した男が出所したことを知る。
    実の子どもを虐待し収監された男は、刑事の家や子どもの学校にも姿を現すようになった。
    復讐、そして元妻を取り戻すこと。
    それが男の狙いだった。
    生まれたときから人は一個の個人として尊重されるべきものかもしれない。
    でも、実際には親の加護がなければ一日だって生きていくことはできない。
    その過程で、まるで所有物のように錯覚してしまうこともあるだろう。
    子どもは子どもなりに考えている。
    何も考えていないわけではない。十分に考え、そして感じているのだ。
    親子の関係は身近すぎて他者からは本当の関係性などみえないと思う。
    どんなに幸せそうに見えても、どんなに不幸そうに見えても、当事者が何を感じているのかなんてわからないはずだ。
    児童相談員の虐待児童への過剰な対応。
    刑事の子どもが絡む事件への異常な執着。
    美術教師の家族への本能的な嫌悪感。
    第3部ではどんな展開が待っているのか。
    出来るならば救いのある結末であってほしい。

  • このサイコパスは誰だ…それぞれが悩みや壁にぶつかりながらもがく二巻目。事件は刻々と進んでいく。天童荒太、人を引き込む魅力はどこにあるんだ…?

  • どこか問題を抱えた家族を、複数のパターンで描きながら、それぞれが微妙に絡まりあって、影響し合って、進んでいく物語。今のところ、殺人現場の残虐さにはゾッとさせられるものの、それ以外の展開がそれほど斬新なものではないせいもあり、そこそこの印象。犯人像が浮かび上がってくるにつれ、興味深い展開になってくることを期待。

  • 新たな事件と同時に主な登場人物の物語をさらに掘り下げた2部。ミステリー要素が強くなり退屈しないでスラスラ読めた。
    当初全く繋がりのなかった赤の他人が運命のいたずらで交じり合い、関係を持つ過程が面白い。

  • 馬見原も危ういけど、浚介も危うくなってきた。

  • いろんな伏線が…。

  • 事件現場を見てしまった巣藤は、その光景を忘れようとお酒に溺れる。
    遊子は、虐待されていた少女とその父親に悩まされていた。父親とは衝突し、憎まれることになる。
    亜衣は、摂食障害から抜け出せず、心が不安定な生活を送る。
    馬見原は、綾女の夫が出所し、追っていることを知る。
    色々な問題がからむ第二部。

    ころころ場面が変わりながら、進んでいく。はやく先が読みたい。

  • 生きるということ、何をもって幸せと呼ぶのか。
    紛争地とこの国を比べ、それに対してどうしたらいいのか誰も教えてくれないと苛立つ少女。
    不登校や家庭内暴力に走る、心に闇を持つ子供たち。
    親と子供の関係の危うさや脆さを感じずにはいられない。

    2015.2.23

  • あの日の光景をふり払おうと酒に溺れていた浚介は、さらなる痛みを味わう。游子は少女をめぐり、その父親と衝突する。亜衣は心の拠り所を失い、摂取障害から抜け出せずにいる。平穏な日々は既に終わりを告げていた。そして、麻生家の事件を捜査していた馬見原は、男がふたたび野に放たれたことを知る。自らの手で家庭を崩壊した油井善博が…。過去と現在が火花を散らす第二部。

  • 第一部同様最後が読んでいてちょっと辛いです。

  • レビューは最後に。

  • 決して読んでいて気持ちがいい話ではない。だが目をそむけてはなるまい。

  • 自分の居場所が見つからないという意味で遭難者

    登場人物一人一人が心に傷を持ち、それを隠すように感情を持たなかったり、いい子であろうとしたり、仕事に打ち込んだり・・・

    その心の傷は、それぞれの家庭で出来たものというところが悲しい。

    『憎む』という感情が家庭で生まれたのなら、それを打破できるのはまた家庭なのかもしれないと思いました。

    不器用な生き方しか出来ない登場人物たちが、少しずつでも変わっていくことに期待して・・・

    第3部の『贈られた手』につづく。。

  • 2014/08/16
    先が気になって1日で読んでしまった。

  • 冒頭のお悩み相談室の会話がフォーマットなのかと気づかされた第2部。
    各々の悩みも解決するどころかもつれているように思われる。そして更なる凶行が…

  • だんだん物語が進み始めた。。
    やはり拷問(?)シーンはきっつい・・・。
    勘弁して・・・と思いつつ読み進める・・・。

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