贈られた手―家族狩り〈第三部〉 (新潮文庫)

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著者 : 天童荒太
  • 新潮社 (2004年3月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101457147

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贈られた手―家族狩り〈第三部〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • またひとつむごたらしい事件が起きて、馬見原の刑事としての暴走もいっそう…。ずっと無関心をつらぬいていたように見えた巣藤が変化していくこの巻だが、亜衣はどうなっていくのかなぁ。

    油井の言葉に危うくほだされそうになった私はやっぱり甘ちゃんなのかな。だって、馬見原はせっかく真弓と仲直りさせようっていう佐和子の気遣いも、気付いてるくせに受け入れようとしないじゃない。綾女たちが気になるのはわかるけど、自分の家庭とも向き合おうよ…。

    電話相談員の人が怖い。。

  • おやじ狩りにあった美術教師の男性と元不良の青年とのやりとりに、心が温かくなる思いがしました。

    そして、今回は【愛】という言葉が私には気になりました。
    言葉にすると、何となく白々しい思いがしてしまう。
    それを一生懸命に説く人にも、何か違うものを感じてしまう私ですが、言葉や行動に表さないと、また伝わらないものだとも思います。矛盾してますよね、私。【愛】という響きが自分のなかにストンと落ちた時、それは本当のものなのかもしれないと思いました。

  • またひとつ無理心中に見える一家惨殺事件が起こる。そしてその周りには 浚介がおり 馬見原がおり 亜衣もいる。
    あることから逃げ出さずに立ち向かおうとすると もう一方のあることが壊れそうになる。今、たった今この時に 本当に考えなければならないことは何なのか? 手を伸ばせば届く身の回りのことなのか、それとも雲を掴むような遠い所のことなのか。両方を一度に胸に抱くことは不可能なことなのか。

    浚介は、教師になりたての頃 たった半年教えたことのある元生徒と出会うことで 闇の中にひとすじの光を見た心地なのではないだろうか。僅かでも明日につながる何かを感じられることが これほどほっとさせるものだと 改めて感慨深い。
    救いのない沼の底にいながら 第一部・第二部とは ほんの少しだけ光の色が違っている第三部だと思う。第四部では もっと明るく温かい色味を感じられることを願う。

  • 主要な登場人物たちはみな、「家族」という見えないものに囚われているように感じた。
    親が子を虐待する。そして虐待された子は大人になって今度は虐待する側になる。
    負の連鎖はいったいどこで止まるのだろう。
    愛されて育った子どもは虐待には走らない…。
    これも都市伝説のような気がする。
    だって、虐待するもしないも個人の問題だと思うから。
    虐待されて育った人間すべてが大人になって虐待をするわけじゃないだろう。
    それとも、個人ではどうにもならない見えない何かがそこにはあるのだろうか?
    馬見原や綾女にとって油井は絶対的な悪だろう。
    立ち直るためには家族が必要だという言い分も、結局は自分の都合だけで相手への思いやりはない。
    傷跡が残るほどの暴力を振るわれた研司が、その恐怖を簡単に忘れるとは思えない。
    だが、馬見原自身も真弓にとっては悪でしかない。
    厳格に接し自分の思い通りに育てようとした長男は事故死した。
    息子の死から逃れるように家庭を顧みず、娘は非行に走り妻は心を病んだ。
    そしていまも、そのことに向きあう勇気が馬見原にはない。
    もっと単純に「愛しい」という感情を表に出せたら。
    どうにもならなくなってからでは遅すぎる。
    事件に遭遇したことで巣藤の中で変化が起きたことが、唯一よかったと思えた場面だった。
    大人になってから自分を変えることは難しい。
    けれどきっかけさえあれば、そして変わりたいと強く思う気持ちさえあれば、きっと人は変われるのだと思う。
    登場人物は出揃った感がある。
    第4部ではどう物語が展開していくのか。
    楽しみではあるが怖い気もする。

  • じわじわと真相に迫っていってる感はあり。でもまだはっきりとは見えてこない。今回はラストの殺人シーンもなく、更なる事件は次の巻へ持ち越しでしょうか。まだひとつふたつ事件が起こって、そこからクライマックスへ、ってところかな。

  • 登場人物が魅力的すぎるぞ!!浚介の変容がすごくありありとしていて、僅かな光明と諦念にまみれている感じが生々しい。今の所、主人公は彼です。

  • 事件がどんどん展開していって、殺人犯がいるならそれは誰かと気になってくる3部作。

    わたしも、誰かがどうせ自殺するなら、その前にボランティアや何か社会に役に立つことをすれば良いのでは、と考えたことがある。でも、きっとそういうことできないから自殺するのか。確かに、世界には生きたくても生きられない人がたくさんいるが、人間がこの世に存在するかぎり、この矛盾は消えることはないのだろう。

  • なんだか、だんだん説教臭くなってきたような気が……。

    いや、わかるんです、この本に書かれているようなこと、もっとちゃんと考えないといけないんだってことは。

    でも、游子と山賀さんのバトルのとことか、「もうわかったよ……」とほとんど読み飛ばしてしまいました。

    家族狩りしてる人は一体誰なのか、とかその辺だけを楽しみたいんだけど、妙に「考えさせられる」とでも書かなくちゃいけないような箇所が多々あって、正直疲れます。

  • いろんな視点があって、いろんな事情があって、みんな悩んでる。

  • 浚介は、かつての教え子と再会し、自分がピエロと呼ばれていたことを知る。事件と向き合うことから逃げていた彼だったが、変化が訪れる。
    馬見原は、綾女と研司を守ろうとしているが、肝心の自分の家族とは壁があった。
    だんだんと核心に触れていく…

  • 残酷な事件が続く中、必死で犯人の姿を捕らえようとする刑事。
    みんなそれぞれの想いを持ちながら、自分の家族にはうまく接することが出来なかったりする。
    人はどこかできっと繋がっている。そして、立ち直る術は必ずある。
    不穏な中、希望も見えてくる。

    2015.2.26

  • ピエロ。浚介は、生徒たちからそう呼ばれていたのだという。ふたつの事件を経て、虚無に閉ざされていた彼の心に変化が訪れていた。ピエロ。馬見原は今そう見えるだろう。冬島母子を全身全霊で守っているにもかかわらず、妻や娘との関係は歪んだままだから。また一つ家族が失われ、哀しみの残響が世界を満たす。愛という言葉の持つさまざまな貌と、かすかに見える希望を描く、第三部。

  • レビューは最後に。

  • 314ページ。

    2014年08月27日読了。

    家族とは何か...それぞれの家族の形を描き、深め、考えさせられる。あと2冊。

  • 人間関係が分かってくると、読むスピードが上がってくる。

  • 憎しみの連鎖は悲しいけれど、優しさの連鎖は美しいと思いました。

    息子の死を受け入れることが出来なかった母。
    老人を助けるために命を助けた最愛の息子。

    ある日、見知らぬ青年に優しくされて、理由を聞いたところ、自分も見知らぬ人に親切にしてもらったことがあるからだと言う。



    見知らぬ人だからその人へは恩返しできないけれど、誰かに伝わる優しさの連鎖。

    そのことで、息子が老人を助けたことが今親切にしてもらったことにつながったのではないか。

    そう感じて、心が軽くなった母の想いに感動しました。。。

    第4部『巡礼者たち』に続く。。。

  • どろついた展開で嫌になってくるが元不良の青年職人さんが純真というか心が清清しくなる人柄である。

  • だんだん面白くなってきました。。
    親切が次の親切に連鎖する・・・。亜衣の行ったことが連鎖もすれば、一部の人間の権利のために罪のない人々が死ぬ・・・それも人間・・・。
    深いなあ。。

  • 色々考えさせられる一冊。
    この台詞を読んで考えてしまった。

    『非難されることに、私たちはとても弱いのです。おまえは何も考えていない、人生の目的を真剣に考えていない、政治意識も乏しい…そのとおりなのかもしれません。そんな親だから、子供がおかしくなったんだと責められたら、顔をおおって泣くしかありません。でも、本当にそれが原因なんですか?朝から晩まで働きながら家事もして、難しい事は何もわからないけれど、立派に子供を育てたという方は、昔は沢山いらっしゃいましたよ。ある日突然です、子供がある日突然、自分の考えていたような子でなくなっている…。』

    →でも、やはり社会に原因があると考えてしまうのでは、良い解決策が講じられるだろうか?何もしなければ、こう言うことになってしまう可能性が有ることを認識し、対策を講じ続けなければならない。無知は罪なり。

  • なかなか話が進まないけど、一つづつ接点が出て来て、最後はどうなるんだろう…とやっと面白くなってきた。
    白蟻駆除と事件はどう結びついていのか…

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