巡礼者たち―家族狩り〈第4部〉 (新潮文庫)

著者 : 天童荒太

• 新潮社 (2004年4月24日発売)

感想・レビュー・書評

[hetarebooksさんの感想 · 2012年8月30日]

家族狩りをしている犯人像が見えてきた。

転居し、かつての教え子ケートクと仲良くなり農作業に打ち込んだり生き方を変えていく巣藤と、游子の距離は近づいていき…。
しかし駒田は娘玲子と引き離されたことで彼女を逆恨みし続け…気が小さいくせにこんなはずじゃなかった、とかあいつのせいだとか悪いことは全て周りのせいにしてお酒に逃げている駒田にどうしようもなく反発を覚える。玲子があまりにも可哀想だ。

でもたぶん、彼みたいな人間はどこにでもいる。仕事にのめり込み、回復したばかりの妻　佐和子より冬原親子のため必死になる馬見原や、時には恨まれたりしながらも子供たちの保護に全身全霊を掛ける游子より、駒田のような人間の方が世の中の大半なのかもしれない。

電話相談員の山賀と白蟻駆除の大野の関係やかつての事件が明かされながら物語は進行していく。
油井にも本当にぞっとするなぁ。。こんなのと結婚するくらいなら一生独身でいる。
芹沢家もどうなっていくのかな・・・。

[mutotsu55さんの感想 · 2022年1月9日]

　人には言えない過去を抱えて生きている人は少なくないと思う。それは何も悪いことをしたというばかりではなく、何かを失ったという喪失感もそれにあたる。そうしたものに整理をつけるために霊場巡りというものがあるのかもしれない。それを悟りと呼ぶのかどうかはわからないが、少なくとも人は何かに縋っていないと生きていけない存在なのかもしれない。他人がいるから自分もいる、他人のために自分の生を生きているのかもしれない。

[gori-laさんの感想 · 2016年11月23日]

第四部はストーリーが更に進んでいくので、止まらず読んだ。人の負の部分を描き、読んでいて悲しく辛い部分があるけど、わたしはこれから先もそういうことに目をつぶらずにいられたらと思う。
毎度ながら次がかなり気になる終わり方で、後書きも面白かった。

[鯨海酔侯さんの感想 · 2016年2月28日]

ドラマ化

[oyumyさんの感想 · 2016年2月26日]

馬見原が出てくるとイライラする自分がいる。
それだけ話に入ってるってことかしら。

自分の妻のこと全然省みてない。
佐和子も、こんな旦那のどこがいいんだろうと思ってしまう。

[hiroさんの感想 · 2014年12月3日]

孤立無援で事件を追う馬見原は、四国に向かった。捜査のために休暇を取ったのだ。彼はそこで痛ましい事実に辿りつく。夫に同行した佐和子は、巡礼を続ける者の姿に心を大きく動かされていた。一方、東京では、玲子のことを心配する游子と、逃避行を続ける駒田の間に、新たな緊張が走っていた。さまざまな鎖から身を解き放ち、自らの手に人生を取り戻そうとする人々。緊迫の第四部。

[hira00さんの感想 · 2014年10月12日]

レビューは最後に。

[ホトケさんの感想 · 2014年8月16日]

どいつもこいつも煮え切らんやっちゃのう。
駒田の小者ぶりが等身大のゲスさがあって良い。

[shimasaeさんの感想 · 2014年8月9日]

徐々に真相へと近づいていく。

[momozohさんの感想 · 2014年5月31日]

相変わらず 馬見原に対して苛々しながら読んだ。
そんなんだから バラバラになっちゃうでしょ。

著者プロフィール

天童 荒太（てんどう・あらた）：1960（昭和35）年、愛媛県生まれ。1986年「白の家族」で野性時代新人文学賞受賞。1996年『家族狩り』で山本周五郎賞受賞。2000年『永遠の仔』で日本推理作家協会賞受賞。2009年『悼む人』で直木賞を受賞。2013年『歓喜の仔』で毎日出版文化賞を受賞する。他に『あふれた愛』『包帯クラブ』『包帯クラブ　ルック・アット・ミー！』『静人日記』『ムーンナイト・ダイバー』『ペインレス』『巡礼の家』などがある。

「2022年 『君たちが生き延びるために』 で使われていた紹介文から引用しています。」