歴史をかえた誤訳 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101459219

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  • 読書録「歴史を変えた誤訳」2

    著者 鳥飼玖美子
    出版 新潮OH!文庫

    p132より引用
    “ 通訳者はふたつの異なった言語のかけ橋
    となるのが使命であり、四苦八苦ときには七
    転八倒さながらにオリジナルの発言を訳し、
    異文化、異言語の聞き手に可能なかぎり正確
    に理解してもらおう、と努力する。少なくと
    も、そのはずである。
     しかし、ときにそうならないことがある。
    状況によって、故意に違った内容に訳される、
    という信じられないことが、これまでも起き
    ている。”

    目次より抜粋引用
    “歴史をかえた言葉
     外交交渉の舞台裏
     ねじ曲げられた事実
     まさかの誤訳、瀬戸際の翻訳
     文化はどこまで訳せるか”

     通訳者である著者による、世界情勢に大き
    な影響を与える通訳の、失敗や苦労を記した
    一冊。他社刊行作「ことばが招く国際摩擦」
    改題・加筆文庫版。
     歴史上の誤訳による外交の変化から通訳の
    持つ役割についてまで、時折ユーモアを交え
    て書かれています。

     上記の引用は、事実が通訳によって捻じ曲
    がることについて書かれた章での一節。
    どれほど相手との関係をよくしようとしても、
    間に立つ人に関係悪化を画策されては、良く
    なりようがありませんね。本当に大切なこと
    は、直接やり取りできるようになることが大
    切そうです。
     日本語しか使えない自分としては、翻訳者
    や通訳者の存在は、有り難いばかりです。

    ーーーーー

著者プロフィール

立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科教授(研究科委員長2002-2005、2008-2010)を経て立教大学特任教授、立教・異文化コミュニケーション学会(RICS)会長(2009-2011)。著書『通訳者と戦後日米外交』(みすず書房2007)(単著)Voices of the Invisible Presence: Diplomatic Interpreters in Post-World War II Japan(John Benjamins, 2009)(単著)『通訳者たちの見た戦後史――月面着陸から大学入試まで』(新潮社2021)(単著)。

「2021年 『異文化コミュニケーション学への招待【新装版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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