林蔵の貌 (新潮文庫)

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著者 : 北方謙三
  • 新潮社 (2003年2月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (841ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101464114

林蔵の貌 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 江戸時代の中では比較的描写も少なく、突出した人物がかなり出ているにもかかわらず、かなりどす暗い色彩に彩られた江戸中後期。

    時は将軍家斉の時代。

    絶大的権力の下、大御所を狙う実父の一橋治済。

    その動きを阻止せんとしつつも、幕府と一線を画して蝦夷地に夢を追おうとする水戸徳川家。

    一橋治済との権力争いと財政破綻の狭間で欲望を剥き出しにする薩摩島津家・島津重豪。

    その狭間で朝廷を頂点とした新しい国を築くために、蝦夷・水戸・薩摩との間を奔走する謎の公家・野比秀麿。

    水戸家の夢を志として、未開の蝦夷地を開墾し、水戸家による新しい国を純粋な眼で創り上げていこうとする水戸藩士・加納信平。

    野比を介して加納の志を知り、共感しながらも幕府の権力の暗部を担い、そして登場人物全てに関わっていくことになる間宮林蔵。

    そして野比の命を頑なに守りつつも、加納に心惹かれていく水師・伝兵衛ややはり加納に心を打たれた宇梶屋、そして彼らの前に立ち塞がる高田屋嘉兵衛。

    彼らの暗闘に深く関わるのはロシアとの交易と蝦夷地の領有。

    その暗闘の果てに起こった悲劇が、後半、間宮林蔵を中心とする「志」を守れなかった事からの侮悔から発する男達の復讐劇へ…。

    間宮林蔵の公儀隠密説やシーボルト事件や薩摩の密貿易等々、幕末の一歩手前な暗澹としたカオスの時代のエピソードを巧妙に織り込みつつ、そのなかに一つ花咲いた一人の男の夢を巡る、壮大な物語。

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