魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101465227

感想・レビュー・書評

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  • うーん、やっぱりサクサク読めて面白いなあ

  • チェコで学生時代を過ご、ロシア語通訳者として働く著者が、世界の様々な文化や考え方の違いと、そんな中でもみんな共通する特性などを面白く書いている。歴史や政治など固めの話や、ゴシップやしもねたなど軽い?話も織り交ぜてあって、楽しく読める。自分や自国の文化を絶対と思わず、何事も相対的でいろんな考え方がある、という大らかなスタンスが好き。

  • 講談社エッセイ賞

  • ロシア語通訳者の著者が「所変われば常識も変わる」ということをメインテーマに
    様々な具象について語る面白エッセイ。
    発刊から20年経っていますが、今もって魅力的です。

    通訳という職業柄、異文化のぶつかり合いは日常茶飯事であるでしょうが、
    それをここまで上手く論じ、ユーモアをたっぷりからめることができるのは
    米原女史の優れた技ではないでしょうか。
    職業柄、知人友人からもれ聞く話も大変面白いものが多いのでしょうね。

    文化的なお話もたくさんですが、言語学的な話も交えて色々語っていらっしゃいます。
    自身の経験を踏まえた、言語取得に関する話が印象的でした。
    とっつきやすい似ている言語を取得している者よりも、
    (スラブ語圏学習者がロシア語を学ぶ)
    かえって言語体系が似通っていない学習者の方が
    (日本語母語の著者がロシア語を学ぶ)
    疑問だらけのまま基礎からしっかり取り組むので、
    最終的にその言語に精通する可能性があるのではないか、という指摘です。

    しかし皆レビューで下ネタ下ネタ言い過ぎやない、と思ってましたが
    自分がこの本で一番印象に残ったくだりが
    「嘘か本当か、モスクワの一等地に日本大使館を移転しないかと
    打診を受けた日本政府が、好条件にも関わらずその話を断った…
    何故か?……住所がヤキ××コ通りだったから」
    なので、やっぱりそれなりに耐性のある方お読み下さい。

  • 魔女の1ダースは「13」だそうな。
    幼少を東欧で過ごし、ロシア語の通訳を生業としていた著者が、いろいろな国の常識の違いについて面白く綴っています。
    日本と外国の常識の違いだけでなく、同じ日本の中にも常識の違いが往々にしてあります。育った環境によるものなのでしょう。
    頭を柔らかくして、自分の常識に固執しない。いろんな常識を面白く捉えられる余裕を持つことが大事ですね。

  • 通訳にまつわる、おもしろエッセイ。

  • ロシア語同時通訳者ということは存じ上げていたが、それ以外はさぱりな米原万里さんだったが、ユーモアあふれた気取りのないさっぱりとしたおばさまがいらっしゃった。通訳者として、文化の異なる人と人をつなぐお仕事。中にはとんでもなく不愉快なこともあれば、政治がらみの言うに言えない経験もされたことが文章からにじみでていて、その中でもお披露目できる面白いことを茶目っ気たっぷりに書かれていて、見果てぬ土地に興味を持った。「期待の地平はなるべく低いほうがよい。」

  • ロシア語通訳者としての経験談かと思ったら、テーマはあれど話題は絞らないでどんどんと広がっていくエッセイだった。
    政治、経済の話かと思ったら食事情が語られ、言語間を橋渡しする感覚を述べた流れで意図せぬ下ネタ通訳の話になったり。
    古今東西大小上下と視点の固定を許さない快作。
    そして、めっちゃ中華料理食べたくなる。

    脳と思考に不意打ちの刺激をガツガツ与え、ついでに食欲も刺激される不思議な一冊。



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    【要約】


    【ノート】

  • 久々の米原本返り咲き。

    タイトルと表紙のかわいらしいイラストから彼女はおとぎ話系も書けるのかと思い込んでその表紙を開くとそこにはいつもの知的かつ猥雑な米原節があった。ひと安心である(笑)

    今後も定期的に彼女の文章に触れて脳みその洗濯をしたい…、またもやそんなふうに思わされた次第。続けてゆこう。

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。作家。在プラハ・ソビエト学校で学ぶ。東京外国語大学卒、東京大学大学院露語露文学専攻修士課程修了。ロシア語会議通訳、ロシア語通訳協会会長として活躍。『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(角川文庫)ほか著書多数。2006年5月、逝去。

「2016年 『米原万里ベストエッセイII』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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