働くことがイヤな人のための本 (新潮文庫)

  • 630人登録
  • 3.37評価
    • (28)
    • (56)
    • (121)
    • (14)
    • (7)
  • 72レビュー
著者 : 中島義道
  • 新潮社 (2004年4月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101467238

働くことがイヤな人のための本 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 多様な属性をもつ人々(若者、女性、中年、シニア)。トランジションの渦中にある4例について、キャリア理論ではなく哲学からのアプローチ。

  • ぐれてない感じで、むしろ人生豊かになるんじゃないかと思わせる対話編。

  • ほぼ登場人物のA君(無職半ひきこもり)のような状況に陥っているので、没入して一気読み。あまりにタイムリー過ぎる内容で途中ちょっと怖いというか不安な気持ちになる。働くということに悩む登場人物たちが著者と対話形式で語り合うという内容だが、あまりに問いが本質的なので特に答えが出るわけではない。その中でも響いたのは「人間の存在や社会の在り方は根本的に理不尽であり、それを飲み込んで行動することで哲学することができる」というような著者の主張。確かに部屋にこもって世の理不尽さやら人生の本質やらで思弁的になってても醜く歪められた自我が肥大していくだけで、吐きそうになってしまう。やっぱ労働だな。

  • この本は人生が理不尽であるということを受け入れなければきついと思う。
    この本を読むまで自分はまだどっかで理不尽さを受け入れがたく思っていた。
    学校では「人は皆平等である」と習ってきたし、社会でも利権は悪、談合はノー、機会の平等、男女平等などあらゆる場所で平等が謳われている。
    しかしそれは幻想なのだ。
    生まれた瞬間もうすでに格差はあるという理不尽。
    そしてどうせ死んでしまうのになぜ生きるのかという問題。
    それをなぜかと問いながらその中で生き続けることこそ人生なのではないか。
    そのために「働く」ことは重要だと説いている。
    「仕事は生きるために必要である」これは賃金のことを言っているのではなく、なぜ生きるのかを思考するために必要なのだと。
    正直こんなこと考えながら生きるなんて辛すぎるししんどいと思う。けれどもそれを抜かして生きると死ぬ瞬間激しく後悔して生に未練たらたらで死んでしまうのではないかという確信みたいなものもあるので結局は嫌々ながら考えていくのだろう。

  • 哲学者の中島先生が、働くことに悩む仮想の4人と対話する形で、働くことについて答えていく本。
    本人も壮絶な引きこもり経験の中で、働くことについては、考え抜かれたようだ。
    それでも働くこととの意味は、わからない、と。結局、これだけの人がこれだけ考えても、わからないのだから、意味などわからないということだ。
    人生とは「理不尽」であり、仕事をするというのは、すべての「理不尽」を受け入れるということ。成功者の言うことなど、参考にならない。理不尽な社会だから味わい深い、といった切り口には、すっきりした。
    まぁ、働こう。

  • 結局大学の教員をやってる人だし、働いていない側の話じゃないんじゃないかな。
    働きたいのに働けないひとにとっての障害をどう取り除くかを語っている本。
    働かずに済むにはどうするかという本ではないので、そういう期待はしないように。

  • う〜ん。この本に関しては、どのように言えばよいのか。
    語彙の少ない私には、上手く伝える事が出来ないです。

  • 何冊か読んだ著者の本の中で一番"まとも"。何千円もする翻訳書を買ってきて,最初の頁からノート取りながら勉強したら少しは賢くなる,こんな幻想は捨てろと説く。いまの仕事が嫌だから頑張って毎日文章書く練習して小説家を目指そうなんて,考えている以上に高いハードルが幾つもあるから止めろと説く。こんな説教じみた話のオンパレード。しかし一定の年になり,会社員やって毎日過ごしていると,これは真実だなと思えてくる。それは決して夢を捨てるとか,人生を諦めたとかいうこととは違う。あまりに若く幼いと,その違いが見えないわけだ。

    仕事で疲れることが多く思わず再読いっき読み!。本屋には仕事に関する本が山と積まれ,叱咤激励して成功へと誘う本,逆に成功だけが全てではないからあくせくするなと説く本,この二つに大別される。しかし人生とは思い通りにならないのが当たり前であり,ぼんやりしてても棚からぼたもちも有り得るし,品行方正にしてても罪を被ることもあるし,悪事を働きまくっても賞賛され賛美されることもある。社会に出て仕事をするとは,これら理不尽さを全て受け入れ,もがき,ため息をつくということ。だから尊いと説く。この哲学者が大好きになった一冊。

  • 【本の内容】
    「仕事とは何だろうか?」

    「人はなぜ働かねばならないのか?」

    「生きることがそのまま仕事であることは可能か?」

    ―引きこもりの留年生、三十過ぎの未婚OL、中年サラリーマン、元・哲学青年の会社経営者といった人物との架空対話を通して、人間が「よく生きること」の意味を探究する。

    仕事としっくりいかず、生きがいを見出せない人たちに贈る、哲学者からのメッセージ。

    [ 目次 ]
    1 一生寝ているわけにはいかない
    2 「命を懸ける仕事」はめったに与えられない
    3 仕事と能力
    4 仕事と人間関係
    5 仕事と金
    6 金になる仕事から金にならない仕事へ
    7 死ぬ前の仕事

    [ POP ]
    哲学者であり、精神の高等遊民者たる筆者が世に送る「引きこもり傾向にある人のためのハローワーク」本である。

    お世辞が言えなかったりうまく立ち回れなかったり、損をしてばかりの世渡り下手な人にもぜひ読んで欲しいが、それ以上に社会とうまく溶け込めずにいる人、職探しに苦労している人、引きこもっている人にこそ読んで欲しい。

    蒲団の中から飛び出せるかも知れない!

    そもそも自分のやりたいことなんてそうそう見つかるものではないし、矛盾だらけの社会で自分の筋を通し、自己実現するなんて途方もない企てである。

    「……それでもあなたは、またもや失敗する可能性は高い。しかし、それでもからだごと動いていくことを通してしか、あなたがよく生きることはできない」

    学校でもハローワークでも教えてくれない、あなただけの心の教師がここにはいると思う。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 世の中でもみくちゃにされること、それが生きるということなんだと感じた。人は痛みがあるからこそ生を肌身に実感できるのかもしれない。成功し続ければその居心地の良いゲームの世界に安住したくなるのだろう。

    以下引用
    (自分をごまかさず、充実した人生を送りたいなら)自分を表現し、他人の視線を浴び、評価を浴び、そしてその理不尽に魂の芯まで焼かれるそういう特定の仕事がどうしても必要なのだ。
    世間的にはいかにつまらない仕事であろうと、いや、つまらない仕事であるからこそ、その仕事自体を完成させることではなく、その仕事を通じてみずからを完成させてゆくことが仕事であろう。

    君が自分の固有の思索を展開したいのなら、他者を避けてはならない。他者の中で揉まれなければならない。君にはんたいする、きみの思索と異質な、天と地のように異なる他者に次々とめぐりあい、彼らからめためたに切りつけなねればならない。
    心底から思うが、大望を抱いて芝居にのめり込み、その結果として貧しい芝居小屋の主役で終わっていいのだ。、、その過程でさらに数々の屈辱に見舞われるだろう。でもここにしか自分の場はないと思えば、それをするしかない。こうした過酷な現実に打ち砕かれないとき、それを引き受けて仕事を続けるとき、その人はみずからの場を見出したと言えよう。、、このすべてがきみの現実感覚を育ててくれる。甘えを吹き飛ばしてくれる。それでも油絵を描きつづけ、小説を書き続けるとき、それがいかに報われなくとも、きみは仕事をしている。断じて趣味ではない。この場合、きみがその報われない労働によって金を稼いでいることが決定的に重要である。仕事には他者による評価が必要なのだ。他者の視線を浴びることにより鍛えられることが必要なのだ。、、もし仕事によって生活を支えることができなくてもよいと居直っているのだとひたら、きみはプロではない。厳密には仕事をしているのではない。それによって生活を支えているものが君の仕事である。逃げ場を作らないもの、それが君の仕事である。

  • 芸術に憧れる人の斬り方が素晴らしいと思った。
    社会でうまく生きられないうっぷんを芸術という手段で非難したいだけという言葉は深く残った。

  • 自分の意思とは無関係にこの世に生まれ,いずれ消されてしまう。全ての人生に初期設定されるこの不条理に着目することで,働くことへの不安や悩みを和らげてくれる?本。中島義道の鍛え上げられた“芸”が光る一冊。社会的な成功を収めるほど,生きることそのものを見つめる目を曇らせるという指摘には唸らされる。

    *推薦者 (セ教)D.H.
    *所蔵情報
    http://opac.lib.utsunomiya-u.ac.jp/webopac/catdbl.do?pkey=BB00215271&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB

  • 本題名は直裁的で実用書のようだがこれは哲学書だ。
    自分自身と仕事とやりたいことの狭間でぴったりした感じがせずに悩むということは誰にでもある。
    これをもっと突き詰めると引きこもりになり、
    最初は純粋な気持ちで社会に背を向けても、
    時間がたつにつれ病的な精神状態に陥り
    悪臭を放つようになるという指摘は、よく言い当てていると感じた。
    結局は、世の中は「不条理」であって、成功も不成功も偶然であり、
    最後は「誰しも死ぬのだ」という「不条理」とどのように向き合うかということ。

    日々を淡々と過ごし、成果があがるかどうかではなく、
    生きることそのものを大事にするようにと言っているように感じた。

  • サラリーマンになるのが嫌で留年をくり返している法学部の学生、小説家になりたいという夢をあきらめることができない30代の女性、気乗りのしない仕事を続けてきた40代の男性、世間的な成功を修めたものの、病を得たことで自分の人生の意味をあらためて考えなおした50代の男性の、4人の登場人物に、著者の中島氏が「働くこと」について語りかけるという体裁で書かれた本です。

    「解説」で、文芸評論家の斎藤美奈子氏が、著者の中島氏と対照的な立場からの意見を述べていておもしろく読みました。齋藤氏は、現代の「働くこと」にまつわる諸問題の歴史的・社会的な背景を無視して、本質的で根源的な問題とみなす中島氏の議論の抽象性を指摘しています。ただ、齋藤氏は自身と中島氏との立場の違いを、「働くこと」を賃労働とみなすか、「哲学あるいは宗教や芸術」など「人生それ自体を対象とする仕事」とみなすか、という仕方で整理して見せています。

    もっとも、齋藤氏の「賃労働」という言葉に引きずられて、中島氏と4人の対話者が直面しているのは、単なる金の配分ではなくて社会的な「承認」のことだと理解してはいけないのだろうと思います。中島氏が問題にしているのは、世間的な「承認」を得ることとは違った「何か」なのであり、そうした「何か」があるかもしれない、それをただ求めて生きていったらいいのではないか、と考えることで、世間的な「承認」とは異なる物差しを提示しようという試みなのだと理解しました。

  • 安易に納得しようとしない。問いは他者にも自己にも向けること

  • 20代、30代、40代、50代の4人の(架空の)人物との会話を通して進みます。「はじめに」に、「私と異なった感受性をもつ膨大な数の人には何も訴えることがないのかもしれない」とある。たしかに、登場人物にまったく親近感を持てない人のが多いだろうな、と思う。

    逆に言えば、「これは私のこと?」って思える人には、ずきっとくるような話。私なんか、まさにA君であり、Bさんだった。子どもの頃から、考えなくてもいいようなことをうらうら考え続ける性質で、大学の哲学科に入ってみたものの、それも虚しくて辞めてしまって、ニ―トになって寝て過ごし…。その頃、ぼんやり思ってたことが言語化されて、もう赤面するしかない、いたたまれないキモチ。あの頃の自分に読ませてみたい。

    のちに就職もし、世間にもまれ、今じゃそこそこフツウだけれど、まだどこかに眠ってる答えのない問いが、息を吹き返した感じ、これ読んで。無用塾に入りたいなぁ。

  • どうせ、最後には死ぬんだから。
    という締めの言葉で、働くのも怖くなくなる。

  • 引きこもりが部屋から出て働くために発想の転換を提案している↓
    「何故働かなきゃいけないのか、理不尽じゃないか」
    理不尽なことに疑問を持つなら、その理不尽が何故存在するのか、その問い
    に答えるために、理不尽を味わい、何故こうも理不尽なのかを知るために、あえて自ら理不尽に飛び込むような愚かな選択をしてみようではないか

    幸福になりさえすれば生きる意味があるというのは思い込みである。

  • 家人に「読んでみれば・・」と、お勧めする気持ちで買った。内容も読まずにタイトルで判断。読んでみると、哲学について書かれてある。なぜ働くかということも、しっかりと哲学なのだ。筆者のたどった人生をトレースするだけでも、十分に面白く興味深い。

  • 【動機】「脱社畜ブログ」で見かけて読んだ。
    【内容】架空の「働くのがイヤな人」たちの悩みに中島先生が応えていく。主な視点は、世の中の不条理をどう味わうか。
    【感想】キャラデザ(AくんやDさん)は秀逸でウケたけれど、会話のやり取りはすこしお利口さん的(変にこぎれい)に感じた。「よく生きる」を「幸福に生きる」と区別して説明するところが腑に落ちた。

  • 自分のことをダメ人間だと言いつつも、何処かでは才能ある特別な人間だと思っていて、でも実際何もしていない、そんなダメ人間に「お前は特別でもない、才能もない、グズな人間なんだよ」と言う本。ダメ人間はそれを認められないから生きにくいんだと私は思う。
    働かないことを認める訳ではなく、かといって嘘っぽいポジティブなことを言って働くことを美化する訳でもなく。
    自己啓発とか成長とかいうものに疑問を感じ、ついていけなくなったら読む本。
    この本を否定する人はまっとうな人なのでしょうが、私はそういう人とは距離を置きたい。そういう人を見てると自分の劣等感が刺激され疲れてしまうのです。
    Amazonレビューを見てたら、否定派が多かった気がするが、ブクログは肯定派が多い。何故でしょう。

  • 六、七年前にたまたま本屋さんで見て、
    タイトルだけで買った本。

    読みたい! と思って買ったはずなのに、
    その時は数ページ読んで、そのままに
    なっていた。

    今までに読んだり聞いたりした
    どの「仕事論」よりも、
    私にとっては理解しやすく、腑に落ちた。

    私が求めていたのは、「賃労働」の話では
    なかったのだろう。

    寝てばかりいた、購入当初だったら、
    読了できなかったろうし、読んでも
    反発していたかもしれないなとも思う。


    「哲学」の効能が少し、わかった気がする。

  • 私には少々難しくてよくわかりませんでした。働くのってめんどくさいな~、できれば働きたくないよな~、ってな軽い気持ちの勤労意欲のない人間なので哲学的に考えろと云われても・・・。

全72件中 1 - 25件を表示

働くことがイヤな人のための本 (新潮文庫)に関連するまとめ

働くことがイヤな人のための本 (新潮文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

働くことがイヤな人のための本 (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

働くことがイヤな人のための本 (新潮文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

働くことがイヤな人のための本 (新潮文庫)はこんな本です

働くことがイヤな人のための本 (新潮文庫)の文庫

ツイートする