働くことがイヤな人のための本 (新潮文庫)

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著者 : 中島義道
  • 新潮社 (2004年4月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101467238

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働くことがイヤな人のための本 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 何冊か読んだ著者の本の中で一番"まとも"。何千円もする翻訳書を買ってきて,最初の頁からノート取りながら勉強したら少しは賢くなる,こんな幻想は捨てろと説く。いまの仕事が嫌だから頑張って毎日文章書く練習して小説家を目指そうなんて,考えている以上に高いハードルが幾つもあるから止めろと説く。こんな説教じみた話のオンパレード。しかし一定の年になり,会社員やって毎日過ごしていると,これは真実だなと思えてくる。それは決して夢を捨てるとか,人生を諦めたとかいうこととは違う。あまりに若く幼いと,その違いが見えないわけだ。

    仕事で疲れることが多く思わず再読いっき読み!。本屋には仕事に関する本が山と積まれ,叱咤激励して成功へと誘う本,逆に成功だけが全てではないからあくせくするなと説く本,この二つに大別される。しかし人生とは思い通りにならないのが当たり前であり,ぼんやりしてても棚からぼたもちも有り得るし,品行方正にしてても罪を被ることもあるし,悪事を働きまくっても賞賛され賛美されることもある。社会に出て仕事をするとは,これら理不尽さを全て受け入れ,もがき,ため息をつくということ。だから尊いと説く。この哲学者が大好きになった一冊。

  • 20代、30代、40代、50代の4人の(架空の)人物との会話を通して進みます。「はじめに」に、「私と異なった感受性をもつ膨大な数の人には何も訴えることがないのかもしれない」とある。たしかに、登場人物にまったく親近感を持てない人のが多いだろうな、と思う。

    逆に言えば、「これは私のこと?」って思える人には、ずきっとくるような話。私なんか、まさにA君であり、Bさんだった。子どもの頃から、考えなくてもいいようなことをうらうら考え続ける性質で、大学の哲学科に入ってみたものの、それも虚しくて辞めてしまって、ニ―トになって寝て過ごし…。その頃、ぼんやり思ってたことが言語化されて、もう赤面するしかない、いたたまれないキモチ。あの頃の自分に読ませてみたい。

    のちに就職もし、世間にもまれ、今じゃそこそこフツウだけれど、まだどこかに眠ってる答えのない問いが、息を吹き返した感じ、これ読んで。無用塾に入りたいなぁ。

  • 対話風ってのが微妙
    かんべんして

  • タイトルを本書の中身に照らすと少々誤解が生じるかもしれない。
    本書は『仕事』ということを、人生の中の何に求めるか、ということを論じている。

    一般的な『社会人』として働くこと(≒賃労働)だけが『仕事』とイコールではない。その人の人生で大切な、かけがえのないことをすること、それが最終的には『仕事』だ、と訴えかけている。

    本書に関していえば十人十色だろうが、現在病気療養中で社会復帰したくてもできない僕にとっては、むしろ『焦燥感』や『罪悪感』、『コンプレックス』などを払拭してくれたような読後感。
    「いまできることをしよう!」と。

    大学教授が送る哲学的人生論。(読了:2005年4月11日)

  • 多様な属性をもつ人々(若者、女性、中年、シニア)。トランジションの渦中にある4例について、キャリア理論ではなく哲学からのアプローチ。

  • ぐれてない感じで、むしろ人生豊かになるんじゃないかと思わせる対話編。

  • ほぼ登場人物のA君(無職半ひきこもり)のような状況に陥っているので、没入して一気読み。あまりにタイムリー過ぎる内容で途中ちょっと怖いというか不安な気持ちになる。働くということに悩む登場人物たちが著者と対話形式で語り合うという内容だが、あまりに問いが本質的なので特に答えが出るわけではない。その中でも響いたのは「人間の存在や社会の在り方は根本的に理不尽であり、それを飲み込んで行動することで哲学することができる」というような著者の主張。確かに部屋にこもって世の理不尽さやら人生の本質やらで思弁的になってても醜く歪められた自我が肥大していくだけで、吐きそうになってしまう。やっぱ労働だな。

  • この本は人生が理不尽であるということを受け入れなければきついと思う。
    この本を読むまで自分はまだどっかで理不尽さを受け入れがたく思っていた。
    学校では「人は皆平等である」と習ってきたし、社会でも利権は悪、談合はノー、機会の平等、男女平等などあらゆる場所で平等が謳われている。
    しかしそれは幻想なのだ。
    生まれた瞬間もうすでに格差はあるという理不尽。
    そしてどうせ死んでしまうのになぜ生きるのかという問題。
    それをなぜかと問いながらその中で生き続けることこそ人生なのではないか。
    そのために「働く」ことは重要だと説いている。
    「仕事は生きるために必要である」これは賃金のことを言っているのではなく、なぜ生きるのかを思考するために必要なのだと。
    正直こんなこと考えながら生きるなんて辛すぎるししんどいと思う。けれどもそれを抜かして生きると死ぬ瞬間激しく後悔して生に未練たらたらで死んでしまうのではないかという確信みたいなものもあるので結局は嫌々ながら考えていくのだろう。

  • 哲学者の中島先生が、働くことに悩む仮想の4人と対話する形で、働くことについて答えていく本。
    本人も壮絶な引きこもり経験の中で、働くことについては、考え抜かれたようだ。
    それでも働くこととの意味は、わからない、と。結局、これだけの人がこれだけ考えても、わからないのだから、意味などわからないということだ。
    人生とは「理不尽」であり、仕事をするというのは、すべての「理不尽」を受け入れるということ。成功者の言うことなど、参考にならない。理不尽な社会だから味わい深い、といった切り口には、すっきりした。
    まぁ、働こう。

  • 結局大学の教員をやってる人だし、働いていない側の話じゃないんじゃないかな。
    働きたいのに働けないひとにとっての障害をどう取り除くかを語っている本。
    働かずに済むにはどうするかという本ではないので、そういう期待はしないように。

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働くことがイヤな人のための本 (新潮文庫)の作品紹介

「仕事とは何だろうか?」「人はなぜ働かねばならないのか?」「生きることがそのまま仕事であることは可能か?」-引きこもりの留年生、三十過ぎの未婚OL、中年サラリーマン、元・哲学青年の会社経営者といった人物との架空対話を通して、人間が「よく生きること」の意味を探究する。仕事としっくりいかず、生きがいを見出せない人たちに贈る、哲学者からのメッセージ。

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