醜い日本の私 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101467283

感想・レビュー・書評

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  • 2011.12.9-2011.12.16
    冒頭に出てくる「日本の盛り場の原型は縁日」といふ多田道太郎の言葉が一番印象に残つてゐる。
    本の題名からも分かるやうに、著者は日本の現状に批判的で、
    1 ゴミ溜めのような街
    2 欲望自然主義
    3 奴隷的サービス
    4 言葉を信じない文化
    5 醜と不快の哲学
    と続く各章では、街の乱雑さや騒音に鈍感な日本人の多数派に対する怨嗟の念が、独特の調子で繰り広げられてゐる。
    繊細な感受性を持つて今の日本に生きる著者の不幸にはご同情申し上げるが、多数派の鈍感を分かち持つ者としては、不平不満に付き合ふのは一度で充分だ。
    唯一、哲学者らしい第5章は、余り理解出来なかつた。

著者プロフィール

1946年生まれ. 東京大学法学部卒. 同大学院人文科学研究科修士課程修了. ウィーン大学基礎総合学部修了(哲学博士). 電気通信大学教授を経て, 現在は哲学塾主宰. 著書に, 『時間を哲学する──過去はどこへ行ったのか』(講談社現代新書),『哲学の教科書』(講談社学術文庫), 『時間論』(ちくま学芸文庫), 『死を哲学する』(岩波書店), 『過酷なるニーチェ』(河出文庫), 『生き生きした過去──大森荘蔵の時間論, その批判的解説』(河出書房新社), 『不在の哲学』(ちくま学芸文庫)『時間と死──不在と無のあいだで』(ぷねうま舎), 『明るく死ぬための哲学』(文藝春秋), 『晩年のカント』(講談社), 『てってい的にキルケゴール その一 絶望ってなんだ』, 『てってい的にキルケゴール その二 私が私であることの深淵に絶望』(ぷねうま舎)など.

「2023年 『その3 本気で、つまずくということ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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