信長 (新潮文庫)

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著者 : 秋山駿
  • 新潮社 (1999年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (567ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101482125

信長 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 信長凡人説や常識人説が言われる昨今ではありますが、本書は徹底した信長天才論で通しています。そして1582年に近づくにつれ、その記述は信長を神がからせていきます。
    当時のパラダイムからひとり信長がシフトしていたことについて繰り返し説明されます。激情家だったのでしょうが、同時に新しい天下像に相容れないものを見極める冷静な眼を持っているように描かれます。
    しばしば叡山焼き討ちや長島一向一揆殲滅などの派手で残虐な事例は、信長の性格や政策を示す格好の例とされます。しかし、むしろ佐久間信盛や林通勝ら重臣たちの地味な切り捨てこそ、新しい天下創造の決意表明として注目してしかるべき出来事だと思います。本書では佐久間親子らの追放が当時の常識に比べいかにイレギュラーだったか述べる一方で、新世界を築く信長の立場からすればいかに当たり前の処置であったかが述べられます。つまり新世界創造に突き進む信長の前では、外見的な敵も味方も等しく同じ地平に立たされているということです。まさにこのボーダレス感こそが、信長の天才性を示す好例だと思います。

  • 織田信長の「天才」に迫る評伝です。

    著者は、新しい秩序を創ろうとする信長の精神を描き出すに際して、プルタークのカエサル論やスタンダールのナポレオン論のほか、ヴァレリーのデカルト論のような、一見したところ信長とはかけ離れた議論を参照しています。そこには、新しい秩序を創造する信長の「個」としての強靭さを捉えようとする著者の意図があると言ってよいのではないかと思います。

    著者の本を読んだのは初めてですが、思考のスタイルが、評論家で著者と同じくフランス文学が専門の福田和也に通じるものがあるように感じました。個人的にはちょっと苦手なタイプの文章なのですが、それでも信長という人物の魅力は十分に伝わってきました。

  • 難しかった
    例えや考え方がひねくり回し過ぎなのか
    知識がなさすぎなのか・・・

  • 信長は好きだ。

    この一書は、カエサルやナポレオンとの比較で信長を論じているが、元にしている資料が偏っていて素直にはうなづけないところもある。

    私には、使っている資料の是非を問う力はないが、筆者の信長贔屓が行き過ぎてるところもあるのでは?

    ともあれ、今の日本人から見ても異形の人間。信長に最後まで仕事をさせたかった。

  • 読者に思考を強いる評伝。信長と比較されるのはカエサルやナポレオンなど世界史の英雄たち。傑作でしょう。

  • (2002.10.03読了)(2000.04.14購入)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    日本史上、もっとも非凡、もっとも独創的、もっとも不可解な男―信長。桶狭間から本能寺まで、従来の日本的な発想では理解出来なかった信長の行動を、プルターク『英雄伝』、スタンダール『ナポレオン』など、東西の古典を縦横に引いて明らかにしてゆく。並みいる世界の指導者と対比し、その比類なきスケールの「天才性」に迫る、前人未到の力業。野間文芸賞、毎日出版文化賞受賞作。

    ☆関連図書(既読)
    「前田利家(上)」津本陽著、講談社文庫、1997.09.15
    「前田利家(中)」津本陽著、講談社文庫、1997.09.15
    「前田利家(下)」津本陽著、講談社文庫、1997.09.15
    「利家とまつ(上)」竹山洋著、日本放送出版協会、2001.11.30
    「利家とまつ(下)」竹山洋著、日本放送出版協会、2001.11.30

  • 4101482128 567p 1999・12・1

  • 信長本としてはかなりレベルが高いと感じさせる一冊です。
    『信長公記』を順に沿って解釈していくというものですが、?だらけでした。
    古文そのまま転載して、『だが私は疑う!』とか言われても、常人には読めませんよ、秋山さん。
    いかにも学者肌の方の作品らしく、読みやすさまで気が回らない描き方でした。
    でも内容は濃かったので四つ星で。

  • 日本史上、もっとも非凡、もっとも独創的、もっとも不可解な男―信長。桶狭間から本能寺まで、従来の日本的な発想では理解出来なかった信長の行動を、プルターク『英雄伝』、スタンダール『ナポレオン』など、東西の古典を縦横に引いて明らかにしてゆく。並みいる世界の指導者と対比し、その比類なきスケールの「天才性」に迫る、前人未到の力業。野間文芸賞、毎日出版文化賞受賞作。

    2009.6.16読了

  • やっぱ信長はいいなぁ。
    日本の生んだ最大の天才てかんじするわ。
    大将でも単騎駈けて戦場最前線で戦うし、周りの目を気にせず思うが侭に振舞う。それでいて私欲に走ってるわけでもなし。純すぎる。
    短気だとか我侭といわれがちだけど、常に創造者で理解者も少なかっただろうからストレスはたまった事だろう。この本読んでて、命懸けで走りつづける信長には口先だけの輩、怠惰な人間は許せなかったろうとおもったけど、実際読みすすめるとその様に書かれてた。
    実際人並みの気配りもしていたとは思うけど、身近な人物になればなるほど、見過ごしすわけにはいかなくなり、厳しくもならざるをえないのは、突出しすぎた天才の解消されない永遠の悩みの種だったんでないかな。
    しかしこの活力、躁病だったんではなかろうか?
    まぁ兎に角信長は一切セコさが感じられず男らしすぎる。

    『天才は―作品において、行動において―必然的に浪費者だ、自分を蕩尽することが彼の偉大さだ・・・・・自己保存の本能はいはば外づされてゐる。ほとばしる力の圧倒的な圧力が、すべてさういふ庇ひや用心を彼に禁ずる。』

    「どういふ死に方が一番いいかといふ話になると、カエサルは誰よりも先に大きな声で『思いも懸けない死だ。』と云った。」

  • 日本史上、最も独創的な男・信長は何をしようとしていたのか?彼の発した言葉はとても少ないが、行動は明瞭だ。この行動の仔細を分析し、プルタークやゲーテ、スタンダール、ヴァレリーなどを引用し、ローマの英雄やナポレオンなどと比較する手法で信長の内面を描き出している。

  • 信長について限りなく情熱的に想像し語りまくるエッセイです。大学時代お世話になった方です。それこそ対象への情熱をうっそりと語る方でした。学生に聴こえようが聴こえまいがどうでもいいというスタンス。私は大好きだったな。

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